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たこ焼き屋の原価計算|1個あたりの原価と儲かる価格設定の完全ガイド

たこ焼き屋の原価計算を徹底解説。1個あたりの材料費、タコの仕入れ価格、トッピング別の原価率、屋台・キッチンカー・店舗型の収益シミュレーションまで。

更新 2026年2月18日
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目次

要点まとめ

  • タコが原価の50%以上。仕入れ先・品質・使用量のコントロールが利益を直接左右する
  • 材料費だけが原価ではない。ソース・マヨネーズ・容器・包装まで含めた「本当の原価」を計算する
  • 自家配合の生地は市販粉の半額以下。味の差別化にもつながる
  • トッピングのバリエーションが客単価を上げる。追加原価は小さく、追加売上は大きい

たこ焼き1個の材料費は約10〜30円。8個入りパック500円で販売すれば、材料費率は16〜48%——「粉もの」は儲かると言われる理由がここにあります。

しかし、この数字だけで「簡単に儲かる」と思うのは危険です。タコの仕入れ価格が原価の40〜60%を占めるため、タコの品質・サイズ・仕入れ先で利益が大きく変わります。さらに、容器代・ソース・マヨネーズなどの見落としがちなコストを含めると、実際の原価率は思ったより高くなります。


たこ焼き屋のビジネスモデル

たこ焼き屋は飲食業の中でも最も開業しやすい業態の一つです。

特徴たこ焼き屋一般的な飲食店
開業資金100〜500万円500〜2,000万円
必要スペース3〜10坪15〜30坪
必要スタッフ1〜2名3〜10名
原価率20〜30%28〜35%
客単価400〜700円1,000〜5,000円
調理時間3〜5分/1バッチメニューにより異なる
メニュー数5〜15種類20〜50種類

たこ焼き屋の強み:

  • 原価率が低い「粉もの」ビジネス
  • 必要な食材の種類が少ない → 在庫管理が簡単
  • 調理工程がシンプル → 少人数で運営可能
  • 小スペースで開業可能 → 固定費が低い
  • テイクアウト中心 → 客席・サービスコストが最小限

たこ焼き1個あたりの原価計算

基本レシピ:たこ焼き100個分の材料費

材料使用量仕入れ価格原価
たこ焼き粉(業務用)500g120〜200円/kg60〜100円
3個25〜35円/個75〜105円
出汁(顆粒だし)10g1,500円/kg15円
1.5L0円
タコ(冷凍カット)300g1,500〜2,500円/kg450〜750円
天かす50g500円/kg25円
紅しょうが30g800円/kg24円
青ねぎ50g500円/kg25円
焼き油30ml300円/L9円
材料費合計(100個)683〜1,053円
1個あたり材料費約7〜11円

トッピング・容器を含めた「本当の原価」

材料費だけが原価ではありません。トッピングと容器を加えた1人前(8個入り)の原価:

コスト項目8個あたり備考
たこ焼き材料費56〜88円上記の1個7〜11円×8
ソース10〜15円業務用ソース 2,000円/5L
マヨネーズ8〜12円業務用 500円/1kg
かつお節5〜10円業務用 2,000円/500g
青のり3〜5円業務用 1,500円/500g
容器(舟皿)8〜15円100枚800〜1,500円
割り箸・楊枝2〜3円
3〜5円
1人前(8個)の総原価95〜153円
販売価格400〜600円
原価率16〜38%

ポイント: タコの品質と量が原価の50%以上を決めます。タコ1個あたり3g(小さめ)なら安く、5g以上(大きめ)なら原価が1.5倍に跳ね上がります。


タコの仕入れが利益を左右する

タコの種類と仕入れ価格(2026年)

タコの種類仕入れ価格(1kgあたり)特徴用途
冷凍カットタコ(輸入)1,500〜2,000円最もポピュラー。モーリタニア・モロッコ産一般的なたこ焼き屋の定番
冷凍カットタコ(国産)2,500〜4,000円北海道・三陸産。味が濃い高級路線のたこ焼き屋
冷凍たこぶつ(業務スーパー)1,500〜1,800円コスパ◎。個人経営の味方小規模店・屋台
生タコ(国産)3,000〜5,000円食感◎、旨味◎プレミアムたこ焼き

2026年のタコ価格動向

動向詳細
輸入タコ横ばい〜やや上昇。モーリタニア・モロッコの漁獲規制と円安の影響
国産タコ高止まり。北海道産の漁獲量は回復傾向だが、需要が供給を上回る
代替食材イカ・こんにゃく・チーズなどの「変わりネタ」が原価対策として注目

注意: タコの価格は2019年比で30〜50%上昇しています。「タコが高すぎて利益が出ない」というたこ焼き屋も増えており、原価管理の巧拙が経営を分ける時代です。

タコの使用量と原価の関係

タコ1個あたりの量100個分のタコ原価(輸入)顧客満足度向き
2〜3g(小さめ)300〜450円低価格帯(6個300円)
3〜4g(標準)450〜600円標準的なたこ焼き屋
5〜6g(大きめ)750〜900円高級路線(8個600〜800円)
8〜10g(ゴロッと)1,200〜1,500円◎◎プレミアム(8個800〜1,000円)

出店形態別の収益シミュレーション

屋台・イベント出店

項目金額
売上(1日)100パック × 500円 = 50,000円
材料費(原価率25%)12,500円
出店料5,000〜15,000円
燃料費(ガス)1,000〜2,000円
消耗品500〜1,000円
1日の利益20,000〜30,000円

屋台のメリット: 初期投資が最も少ない(50〜100万円)。イベント出店は土日中心のため副業としても可能。

キッチンカー

項目月額
売上(月25日営業)80パック/日 × 500円 × 25日 = 100万円
材料費(原価率25%)25万円
車両ローン・保険5〜10万円
燃料費3〜5万円
出店場所代3〜8万円
その他経費2〜3万円
月間利益15〜35万円

キッチンカーのメリット: 出店場所を変えられる。固定家賃がない。オフィス街のランチタイム、イベント、観光地などを使い分け可能。

店舗型(10坪以下)

項目月額
売上(月25日営業)120パック/日 × 550円 × 25日 = 165万円
材料費(原価率25%)41万円
家賃10〜25万円
人件費(パート1名)10〜15万円
光熱費3〜5万円
その他経費3〜5万円
月間利益20〜50万円
年間利益240〜600万円

たこ焼きのバリエーションと原価戦略

トッピング・味のバリエーション別原価

メニュー追加材料原価(8個分)追加販売価格効果
ソースマヨ(定番)0円(基本セット)ベースメニュー
ネギポン酢+15〜20円+50〜100円利益率UP
チーズたこ焼き+30〜50円+100〜200円客単価UP
明太マヨたこ焼き+40〜60円+100〜200円女性人気◎
大葉おろしたこ焼き+15〜25円+100〜150円夏向け
カレーたこ焼き+10〜15円+50〜100円子供人気◎
てりマヨたこ焼き+15〜20円+50〜100円

戦略: 基本のソースマヨたこ焼きを「集客メニュー」として低価格に設定し、トッピング違いのバリエーションで客単価と利益率を上げるのが定石。

「タコ以外」の具材で原価を下げる

変わりネタ原価(1個あたり)販売戦略
チーズ(角切り)3〜5円子供向け。「チーズ焼き」として別メニュー化
ウインナー5〜8円肉好きの男性向け
キムチ3〜5円ピリ辛アレンジ。お酒のつまみにも
コーン2〜3円子供向け。原価最安
明太子8〜12円女性人気。プレミアム感
4〜6円食感のアクセント。冬向け

注意: タコが入っていない商品を「たこ焼き」として販売すると、景品表示法(優良誤認)に該当するリスクがあります。「変わり焼き」「粉もの焼き」などの名称で別メニューとして提供しましょう。


原価率を下げる6つの方法

1. タコの仕入れ先を複数確保する

仕入れ先価格帯(カットタコ1kg)メリット
業務スーパー1,500〜1,800円手軽、少量OK
業務用食材EC(粉もん専科等)1,200〜1,600円ケース買いで安い
水産卸業者1,000〜1,500円大口でさらに安い
市場直接仕入れ800〜1,300円最安値、ただしロット大

月300kg使用する場合(1日100パック×25日×100g/パック):

  • 業務スーパー(1,800円/kg):月54万円
  • 卸業者直接(1,200円/kg):月36万円
  • 差額:月18万円、年216万円

2. 生地を自家配合にする

市販のたこ焼き粉(120〜200円/kg)は便利ですが、自家配合なら80〜120円/kgに抑えられます

市販たこ焼き粉自家配合
コスト(1kgあたり)120〜200円80〜120円
味の調整不可出汁の種類・配合を自由に
差別化他店と同じ味独自の味を作れる
手間水を加えるだけ材料を計量・混合

自家配合の基本レシピ(100個分):

  • 薄力粉:350g(35円)
  • 片栗粉:50g(10円)
  • ベーキングパウダー:5g(5円)
  • 顆粒だし:10g(15円)
  • 塩:5g(1円)
  • 合計:約66円(市販粉の半額以下)

3. 焼き方で「焼き減り」を最小化する

たこ焼きの焼き方が原価に影響します。

焼き方の問題原価への影響対策
焼きすぎ水分が飛んでサイズダウン → 見た目が悪いタイマー管理(3〜4分で返す)
油の入れすぎ油代の無駄+食感が悪いスプレーボトルで適量管理
生地の注ぎすぎ溢れてロスに注ぎ口付きボトルで定量化
不均一な焼き加減品質バラつき → クレーム鉄板の温度管理を徹底

4. セットメニューで客単価を上げる

セット内容単品合計セット価格利益効果
たこ焼き8個+ドリンク750円650円ドリンク原価30〜50円で利益確保
たこ焼き8個+フライドポテト700円600円ポテト原価40〜60円
2パックセット(8個×2味)1,000円900円1人で2味→購入意欲UP
ファミリーセット(24個)1,500円1,300円パーティ需要の取り込み

5. ドリンクで利益を底上げする

ドリンク原価販売価格原価率利益
ペットボトル飲料60〜80円150〜200円40%90〜120円
ラムネ40〜60円150〜200円27〜30%110〜140円
缶ビール100〜150円300〜400円33〜38%200〜250円
生ビール(サーバー)100〜150円400〜500円25〜30%300〜350円

屋台やキッチンカーでは、ドリンクのセット販売が全体の利益率を5〜10%押し上げます。

6. 時間帯・曜日で価格を変える

施策詳細効果
平日ランチ割8個入り500円→450円平日の集客UP
夕方セット16個セット1,000円→880円ファミリー需要の取り込み
週末限定メニュープレミアムたこ焼き(国産タコ)800円高単価商品で利益UP
イベント価格祭りは8個600〜700円でも売れるイベントの価格許容度を活用

たこ焼き屋の原価計算でよくある失敗

失敗なぜ問題か対策
タコの原価を「なんとなく」で設定タコは原価の50%以上。数円の差が月数万円の利益差にグラム単位でタコの量をルール化する
容器代・ソース代を計算に入れない1パックあたり30〜50円の「見えないコスト」すべてのコストを1パック単位で積み上げる
タコの量が焼く人によって違う人によって利益率が10%以上ブレるカットタコの個数制(例:1個あたり2ピース)で統一
「粉もの=儲かる」と過信固定費(家賃・設備)を差し引くと赤字のケースも材料費だけでなくFLコスト全体で利益を計算する
安いタコに飛びつく品質が悪いと客離れ → 売上ダウンの方が痛い「味と原価のバランス」で仕入れ先を決める
天候リスクを想定しない雨の日は売上が50%以下に落ちる屋台も晴天時の利益で雨天日をカバーできる価格設定

たこ焼き屋の原価ベンチマーク(2026年)

指標優良平均要改善
材料費率18〜23%24〜30%31%以上
FL比率(材料費+人件費)40〜50%51〜60%61%以上
1パックあたり利益300円以上200〜300円200円未満
日販パック数(店舗型)120個以上80〜120個80個未満
営業利益率20〜30%10〜19%10%未満
廃棄ロス率2%以下3〜5%6%以上

たこ焼き屋は原価率が低い分、営業利益率は飲食業トップクラスの20〜30%を狙えます。


KitchenCostでたこ焼きの原価を正確に管理

たこ焼き屋は「材料が少ないから管理が簡単」と思われがちですが、タコの仕入れ値が月によって変わるため、原価の定期的な見直しが必要です。

原価計算アプリ**KitchenCost**を使えば:

  • タコ・小麦粉・卵など材料の仕入れ価格を一括管理
  • 「ソースマヨ」「明太マヨ」「チーズ」などトッピング別の原価を自動計算
  • タコの仕入れ値が変わったら、すべてのメニューの原価率が即時更新
  • ソースやトッピングを**反製品(下ごしらえ済み材料)**として登録し、正確な原価を把握
  • 8個入り・12個入り・16個入りなどパックサイズごとの原価を自動計算

紙の計算や暗算での価格設定から、1個あたりの原価をいつでも正確に把握できる体制に切り替えられます。


まとめ

たこ焼き屋は「粉もの」ならではの低原価率で、飲食業の中でも高い利益率を実現できるビジネスです。しかし、その利益を確実に手にするには1個あたりの原価を正確に把握することが不可欠です。

  1. タコが原価の50%以上。 仕入れ先・品質・使用量のコントロールが利益を直接左右する
  2. 材料費だけが原価ではない。 ソース・マヨネーズ・容器・包装まで含めた「本当の原価」を計算する
  3. 自家配合の生地は市販粉の半額以下。 味の差別化にもつながる
  4. トッピングのバリエーションが客単価を上げる。 追加原価は小さく、追加売上は大きい
  5. セットメニューとドリンクで利益を底上げ。 ドリンクの利益率は60〜70%
  6. タコの量は「ルール化」する。 焼く人によって原価が変わるのが最大のリスク
  7. 仕入れ先は複数確保。 業務スーパーと卸業者の価格差は年200万円以上にもなる

1個あたりの原価を知ること——それが「忙しいだけの屋台」と「しっかり利益が残るたこ焼き屋」を分ける境界線です。


今すぐやること

  • タコの1個あたり使用量(グラム)をルール化する
  • 容器・ソース・マヨネーズを含めた1パックあたりの総原価を計算する
  • タコの仕入れ先を2〜3社比較して最適な価格を確保する
  • トッピングバリエーション(チーズ・明太マヨ等)の追加原価と追加売価を設定する

関連ガイド:

よくある質問

たこ焼き1個あたりの原価はいくらですか?

材料費だけなら約10〜30円です。ただしタコが原価の50%以上を占めるため、タコの仕入れ価格で大きく変わります。ソース・マヨネーズ・容器代まで含めると、8個パックで80〜240円前後が目安です。

たこ焼き屋の原価率はどのくらいが適正ですか?

材料費だけなら16〜25%が目安です。ただし容器代や出店料を含めると実質原価率は30〜45%になることがあります。特にイベント出店の場合は出店料を1食あたりに配賦して計算してください。

自家配合の生地は市販のたこ焼き粉より安くなりますか?

はい。小麦粉・だし・卵で自家配合すると、市販たこ焼き粉の半額以下になるケースが多いです。味の差別化にもつながるので、営業量が安定してきたら自家配合への切り替えを検討する価値があります。

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