最近、都内にタコス専門店が増えている。
テイクアウトしやすい、1人でも気軽に食べられる、SNS映えする。開業のハードルも低そうに見える。
でもいざ原価を計算してみると、ワカモレを1食分作るだけでアボカド代が60円。 タコス3個にワカモレとチーズを無料で付けたら、原価がセット価格の40%を超えてしまう。
タコスの利益は、肉量のグラム管理とトッピングの値付けで決まる。
先に結論
- タコス1個の原価は110〜130円。 トルティーヤは安いが、肉とサルサで原価が上がる
- ワカモレは「無料」にしない。 アボカド代だけで1食50〜70円。有料トッピングが正解
- 肉量はグラムで固定。 60gと80gで原価が20〜30円変わる
- チップス&サルサは利益商品。 原価40円で売価300円——利益率が高いサイドメニュー
タコス1個の原価を分解する
カルネアサダタコス(牛肉・税抜380円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| コーントルティーヤ(2枚) | 30円 |
| 牛肉(70g) | 90円 |
| 玉ねぎ(みじん切り) | 5円 |
| パクチー | 8円 |
| サルサベルデ | 12円 |
| ライム(1/6個) | 8円 |
| 合計 | 153円 |
原価率:153 ÷ 380 = 40.3%。牛肉を使うと原価率は高め。
チキンタコス(鶏肉・税抜320円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| フラワートルティーヤ(1枚) | 25円 |
| 鶏肉(60g) | 50円 |
| レタス | 5円 |
| トマトサルサ | 10円 |
| チーズ(15g) | 20円 |
| サワークリーム | 10円 |
| 合計 | 120円 |
原価率:120 ÷ 320 = 37.5%。鶏肉のほうが利益が出やすい。
アルパストルタコス(豚肉・税抜350円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| コーントルティーヤ(2枚) | 30円 |
| 豚肉マリネ(65g) | 65円 |
| パイナップル(1切れ) | 10円 |
| 玉ねぎ・パクチー | 10円 |
| サルサ | 10円 |
| 合計 | 125円 |
原価率:125 ÷ 350 = 35.7%
3種を比較すると、チキン37.5%、アルパストル35.7%、カルネアサダ40.3%。 牛肉タコスは原価が高い分、50〜60円高く値付けしないと利益率が合わない。
肉量の管理——20gの差で利益が変わる
タコスの原価で最も影響が大きいのは肉の量。
| 肉量 | 鶏肉の原価 | 牛肉の原価 |
|---|---|---|
| 50g | 42円 | 64円 |
| 60g | 50円 | 77円 |
| 70g | 58円 | 90円 |
| 80g | 67円 | 103円 |
鶏肉で50gと80gの差は25円。牛肉なら39円。
1日100個のタコスで平均10g多めに盛ると:
鶏肉:8円 × 100個 × 25日 = 20,000円/月
牛肉:13円 × 100個 × 25日 = 32,500円/月
肉の「気持ち多め」だけで月2〜3万円。 秤でグラムを固定するのが鉄則。
ワカモレとチーズ——「無料トッピング」が利益を食う
タコス専門店で最も原価に効くのがワカモレだ。
ワカモレの原価
| 材料 | 金額 |
|---|---|
| アボカド(1/2個) | 100〜150円 |
| ライム汁 | 5円 |
| 玉ねぎ・トマト・パクチー | 10円 |
| 塩・チリ | 2円 |
| 合計(4食分) | 117〜167円 |
ワカモレ1食分 = 約30〜42円
アボカドが高い時期(1個300円超)なら1食分60円以上。これを無料で付けたら、タコス1個の原価が120円→180円に跳ね上がる。
ワカモレは有料トッピング(+150〜200円)が正解。 原価60円に対して粗利90〜140円。好きな人ほど頼む→利益が増えるという好循環になる。
その他のトッピング原価
| トッピング | 原価 | 推奨追加価格 | 粗利 |
|---|---|---|---|
| ワカモレ | 50円 | 180円 | 130円 |
| チーズ増し | 25円 | 100円 | 75円 |
| サワークリーム | 15円 | 80円 | 65円 |
| ハラペーニョ | 8円 | 50円 | 42円 |
| 肉ダブル | 70円 | 200円 | 130円 |
チップス&サルサ——利益率No.1のサイドメニュー
タコス専門店で最も利益率が高いのはチップス&サルサだ。
| 項目 | 原価 |
|---|---|
| トルティーヤチップス(50g) | 25円 |
| トマトサルサ(60ml) | 15円 |
| 合計 | 40円 |
売価300円なら原価率13.3%。粗利260円。
タコスの注文にチップスを「前菜としていかがですか?」と提案するだけで、客単価が300円上がり、その分の粗利率は87%。 利益を安定させる鍵はこのサイドメニューにある。
セット価格の設計
| セット | 内容 | 原価 | 売価 | 原価率 |
|---|---|---|---|---|
| 2個セット | タコス2個 | 240円 | 680円 | 35% |
| 3個セット | タコス3個 | 360円 | 980円 | 37% |
| パーティーセット | タコス6個+チップス | 760円 | 2,200円 | 35% |
| ランチセット | タコス2個+チップス+ドリンク | 315円 | 900円 | 35% |
ランチセットのドリンク(原価35円)とチップス(原価40円)が全体の原価率を下げてくれる。セットは低原価商品を組み合わせるほど利益率が上がる。
今週やること
- 主力タコス3種の原価を「トルティーヤ・肉・サルサ・トッピング」で分解する
- 肉量をグラムで固定する(メニューごとに○gを決める)
- ワカモレを有料トッピングに切り替える(+150〜200円)
- チップス&サルサをメニューに追加して利益商品にする
- セット価格を設計する(タコス2個+チップス+ドリンク)
タコスはシンプルだからこそ、肉量とトッピングの管理が全て。まずはワカモレの原価を計算して、「これを無料で出し続けるとどうなるか」を数字で確認してみてほしい。
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