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価格転嫁できない店へ。原価率30%神話をやめる再設計ガイド(2026)

原価率30%だけを追うと、忙しいのに利益が残らない状態が続きます。価格転嫁率データをもとに、小さな店で使える再設計手順を解説します。

公開 2026年2月14日
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更新 2026年2月18日
価格転嫁原価率30値上げ飲食店経営利益改善メニュー設計
目次

「原価率30%に収まっているから、うちの店は大丈夫。」

本当にそうでしょうか?

原価率30%を守っていても、1食あたりの利益がほとんど残っていないメニューはありませんか? 家賃も人件費もキャッシュレス手数料も、原価率の計算には入っていない。原価率30%でも、実際に手元に残る利益は想像より少ないかもしれません。

先に結論

  • 原価率30%は「全業態の平均」であって、正解ではない。 業態によって適正値はまったく違う
  • 原価率だけ見ていると「忙しいのに利益がない」状態に陥る。 1食の総コストで判断する
  • 1食総コスト = 食材費 + 人件費 + 手数料 + 固定費配賦。 ここまで入れて初めて採算がわかる
  • 据え置くメニューと改定するメニューを分ける設計が、客離れを防ぐ

原価率30%の「落とし穴」

売価1,000円、食材原価300円。原価率は30%。数字だけ見れば合格です。

でも、ここに他のコストを足すと——

食材費:300円
人件費:180円(1食あたり)
決済手数料:14円
固定費配賦(家賃等):120円
───────────
1食総コスト:614円
粗利:386円

「原価率30%なのに、手元に残るのは売価の38.6%だけ。」

そしてこの粗利386円から、さらに水道光熱費、消耗品、返済が引かれます。

価格転嫁率53.5%の意味

中小企業庁の調査では、コスト上昇分を価格に反映できた割合は53.5%。つまり飲食店は、値上がりの半分弱を自分で吸収し続けています。

「値上げしたらお客さんが来なくなる」——その恐怖は理解できます。でも転嫁しないまま我慢し続けた先にあるのは、閉店です。

2025年の飲食店倒産は1,002件。過去30年で最多。

再設計の進め方

全品一律値上げではなく、3つに分けるのがコツです。

  1. 据え置き — 原価率が低く、粗利額も十分なメニュー。看板商品として守る
  2. 微調整 — 粗利がやや薄いが、20〜30円の調整で改善できるもの
  3. 重点改定 — 1食総コストが売価を上回りかけている赤字予備軍。優先的に改定する

今週やること

  • 売上トップ10の1食総コスト(食材費+人件費+手数料+固定費配賦)を出す
  • 原価率30%以下でも粗利が薄い商品がないか確認する
  • 「据え置き」「微調整」「重点改定」の3区分に分ける
  • 重点改定の対象だけ、告知文と改定日を決める

原価率30%は目安にはなります。でも**「目安を守ったから安心」は、一番危ない安心です。**

1食あたりの本当のコストを知ることから始めてみてください。


メニューごとの原価率と粗利額を一覧で確認するなら。KitchenCost を使ってみてください。

参考データ(確認日: 2026-02-17)

よくある質問

原価率30%は間違いですか?

間違いではありません。ただ、業態・販路・固定費を無視して30%だけを目標にすると判断を誤りやすくなります。

値上げしないと利益は守れませんか?

値上げは有効な手段ですが、先に商品構成・提供量・販路コストを見直すだけでも改善余地があります。

価格転嫁率が低い業界では、どう動くべきですか?

一律転嫁ではなく、上げる商品と守る商品を分ける設計が実務向きです。

お客さまへの説明はどう書けばいいですか?

開始日・対象商品・理由の3点を短く明記するだけで十分です。

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