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2025年、飲食店倒産1,002件。潰れなかった店は何が違ったのか

2025年の飲食店倒産は過去最多の1,002件。しかも88.4%が小規模店。コスト高騰のなか生き残っている店がやっていることを、帝国データバンクのデータと現場の声からまとめました。

更新 2026年2月18日
飲食店倒産経営改善FLコスト原価管理価格転嫁小規模飲食店
目次

お客さんは増えた。でも利益は減った。

2025年、飲食店の倒産は1,002件。過去30年で最多。初めて1,000件を超えた。

しかも倒産した店の88.4%が資本金1千万円未満の小規模事業者。潰れているのは大手チェーンではなく、街の小さな飲食店だ。

先に結論

  • 倒産の最大要因は「値上げの遅れ」。 コストが上がったのに売値を変えられなかった
  • FL比率60%超は赤信号。 食材費+人件費が売上の6割を超えると、固定費を払えない
  • 生き残っている店は「週次」で数字を見ている。 月次では手遅れ
  • 値上げは小幅×こまめが鉄則。 半年放置して大幅改定すると客離れしやすい

なぜ今、これほど多くの店が消えているのか

原因はひとつではない。ただ最大の要因は明確だ。

コストが上がったのに、売値を上げられなかった。

飲食店の96.0%が食材の値上がりに直面している。2025年4月だけで4,225品目の食品が値上がりした。さらに最低賃金は全国加重平均で1,121円に引き上げ。米は10kgあたり3,500円から7,000円に跳ね上がった。

ところが飲食業の価格転嫁率は32.3%。全業種平均の39.4%を下回っている。コストが100円上がっても、メニュー価格に反映できたのは32円だけ。残り68円はオーナーの利益から消えている。

値上げできない理由は「怖いから」だ。 客足が遠のくのでは。常連が離れるのでは。その恐怖が、じわじわと利益を削っていく。

倒産した店に共通する3つのパターン

パターン1:原価を「だいたい」で把握している

月末に仕入れ伝票をまとめて「今月はこのくらいだった」と確認するだけ。メニューごとの原価は計算していない。どのメニューが利益を生んでいて、どれが足を引っ張っているかがわからない。

利益率の低いメニューほど注文が多い——そんな構造に気づかないまま、何年も営業を続けてしまう。

パターン2:FL比率を管理していない

FL比率とは、Food(食材費)とLabor(人件費)を足した割合のこと。この数字が売上の60%を超えると、家賃や光熱費を払ったあとにほとんど利益が残らない。

2025年は食材費の高騰に加え、最低賃金引き上げで人件費も上がった。FL比率が知らないうちに65%、70%と膨らんでいた店は少なくないだろう。

でもFL比率という言葉自体を知らないオーナーも多い。 知らなければ管理のしようがない。

パターン3:値上げの判断が遅い

コストが上がり始めてから値上げを決断するまでに、半年〜1年かかる店が多い。その間に失った利益は取り戻せない。

さらにタイミングを逃すと、一度に大幅な値上げが必要になり、かえって客離れを招く。小幅な値上げをこまめにやるほうが、お客様の抵抗感は小さい。

生き残っている店がやっていること

同じコスト高騰のなかでも利益を出し続けている店は、何が違うのか。

「週次」で数字を見ている

月次決算では遅すぎる。生き残っている店は、少なくとも週に1回は売上・原価・粗利を確認している。異変に気づくのが早いから、手を打つのも早い。

「先週からキャベツが2割上がっている。回鍋肉のポーションを見直そう」——この判断を月末にするか翌週にするかで、1ヶ月の利益は数万円変わる。

メニューに「稼ぎ頭」と「集客役」を分けている

すべてのメニューで利益を出す必要はない。

原価率が高くてもお客さんを呼べる「看板メニュー」と、原価率が低くて利益を稼ぐ「サイドメニュー・ドリンク」を意識的に組み合わせている店は強い。

居酒屋で刺身盛りの原価率が50%でも、ハイボールとポテトフライで帳尻を合わせる。 この「メニューミックス」の設計ができていれば、全体の原価率を30〜35%にコントロールできる。

ただし、メニューごとの原価を正確に知っていることが前提だ。

ロスを「仕組み」で減らしている

フードロスを「意識」で減らそうとしても限界がある。生き残っている店は仕組みで対処している。

  • 仕込み量を曜日・天気・イベントで変える
  • 在庫のFIFO(先に入れた食材から先に使う)を徹底する
  • 廃棄記録を毎日つけて、パターンを分析する

「感覚」ではなく「データ」で仕込み量を決められるかどうか。ここがロス率3%の店と10%の店の分かれ目になる。

「数字を見る時間がない」を解決するには

ここまで読んで、こう思った人もいるだろう。

「それが大事なのはわかる。でも営業しながら数字を管理する時間なんてない」

そのとおりだ。個人経営の飲食店は、仕入れ・仕込み・調理・接客・会計・清掃をオーナーひとりでこなしていることも珍しくない。原価管理のためにExcelを開く余裕はない。

だからこそ、管理を自動化できるかどうかが分かれ目になる。

KitchenCostのようなアプリなら、レシピと仕入れ価格を登録しておくだけで、メニューごとの原価率が自動計算される。食材の価格が変わったときに、影響を受けるメニューの原価率がリアルタイムで更新される。

「今月、うちの店でいちばん利益を出しているメニューは何か」

この問いに即答できるオーナーは、倒産リストに載ることはないだろう。


1,002件という数字は重い。でも裏を返せば、大多数の飲食店はまだ生き残っている。

違いは才能でもセンスでもない。自分の店の数字を、リアルタイムで把握しているかどうか。 ただ、それだけだ。


倒産リスクを減らすために週次で数字を把握するなら。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

2025年に飲食店倒産が増えた最大要因は何ですか?

食材費と人件費の上昇に対して値上げが追いつかず、利益を削りながら営業を続けた結果です。飲食業の価格転嫁率は32.3%で、コストが100円上がっても売値に反映できたのは32円だけでした。

FLコストはどの水準を意識すべきですか?

FL比率(食材費と人件費を足した割合のこと)が売上の60%を超えると、家賃や光熱費を払ったあとにほとんど利益が残りません。2025年は最低賃金が1,121円に引き上げられ、気づかないうちにFL比率65〜70%になっていた店も多いです。

生き残っている店の共通点は何ですか?

月次ではなく週次で売上・原価・粗利を確認している店が多いです。「キャベツが2割上がった→回鍋肉のポーションを見直そう」という判断を翌週にできるか、月末まで放置するかで、月の利益は数万円変わります。

値上げの判断を遅らせると何が起きますか?

半年〜1年放置すると、一度に大幅な値上げが必要になり、かえって客離れを招きます。小幅な値上げをこまめに行うほうが、お客様の抵抗感は小さいというデータがあります。

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