「変動費と固定費、どっちに入れるのか毎回迷う」 この悩み、ほんとうに多いです。
でもここは、 最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。 分ける基準を1本だけ決めると、一気にラクになります。
先に要点
- 基準は1つだけです。
売上に連動するかどうか。 - 迷う費目は「分けて持つ」と判断しやすくなります。
- まずは上位5費目だけ分ければ、実務では十分回せます。
いま、この整理が必要な背景(2026-02-17確認)
- 2025年の飲食店倒産は900件(帝国データバンク)。
- 飲食店の価格転嫁率は**32.3%**で、全業種平均39.4%より低い水準(帝国データバンク記事内)。
- Foodist調査(回答297)では、 「見かけの売上高は上昇した。利益は減少」という現場の声も出ています。
売上だけでは見えないので、 費用の中身を分けて見る必要があります。
まず言葉をやさしく
変動費(へんどうひ)
売れるほど増える費用です。 例: 食材、包材、注文ごとの手数料
固定費(こていひ)
売上に関係なく、毎月ほぼ一定で出る費用です。 例: 家賃、通信費、サブスク、保険
迷いやすい費目の早見表
| 費目 | 分け方の基本 | 実務メモ |
|---|---|---|
| 食材費 | 変動費 | まずここからでOK |
| 包材・容器 | 変動費 | テイクアウト比率が高い店ほど重要 |
| 決済手数料(率) | 変動費 | 売上連動なので変動費 |
| 決済の月額基本料 | 固定費 | 毎月一定なら固定費 |
| アルバイト時給 | 変動費寄り | 営業日数や客数で増減 |
| 正社員の固定給 | 固定費 | 毎月一定なら固定費 |
| 家賃 | 固定費 | まず固定費の中心 |
| 光熱費 | 分けて持つ | 基本料金は固定、従量は変動 |
この「分けて持つ」が、実務ではいちばん効きます。
5分でできる分け方(上位5費目だけ)
- 先月の費用を金額が大きい順に5つ書く
- それぞれに「売上と一緒に増える?」を付ける
- 迷うものは「固定部分」と「変動部分」に分ける
ここまでで、次の計算ができます。
変動費率 = 変動費 ÷ 売上
固定費比率 = 固定費 ÷ 売上
小さな店の実例
前提:
- 月売上: 1,200,000円
- 食材費: 360,000円
- 包材: 48,000円
- 決済手数料(率): 36,000円
- アルバイト時給: 180,000円
- 家賃: 210,000円
- 正社員固定給: 150,000円
- 通信・サブスク: 24,000円
- 光熱費: 60,000円(基本10,000円 + 従量50,000円)
分けると:
- 変動費 = 360,000 + 48,000 + 36,000 + 180,000 + 50,000 = 674,000円
- 固定費 = 210,000 + 150,000 + 24,000 + 10,000 = 394,000円
変動費率 = 674,000 ÷ 1,200,000 = 56.2%
固定費比率 = 394,000 ÷ 1,200,000 = 32.8%
この2つが出るだけで、 「何を触れば利益が戻るか」がかなり見えます。
ここでよく起きるミス
- 人件費を全部固定費に入れる
- 光熱費を全部固定費に入れる
- 決済手数料の月額と従量を分けない
ミスを減らすコツは、
全部を正しくより大きい費目だけ正しくです。
今週やること
- 上位5費目を変動費/固定費で分けた
- 迷う費目は2つに分けた
- 変動費率を出した
- 固定費比率を出した
- 来週の見直し日を決めた
まとめ
変動費と固定費は、会計のためだけの分類ではありません。 値上げ、シフト、仕入れの判断を速くするための整理です。
まずは上位5費目だけで十分です。 それでも、赤字原因はかなり見えるようになります。