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月3万円の電気代、半分にできるかも——飲食店の省エネ、お金をかけずにできること(2026年版)

飲食店の水道光熱費は売上の5〜8%。電気代が月3万円なら年36万円。LED化、冷蔵庫の使い方、空調の設定——0円でできる省エネ対策を具体的に解説。

飲食店電気代省エネ光熱費コスト削減LED補助金2026
目次

「売上は悪くないのに、なぜか手元にお金が残らない」

その原因のひとつ、電気代かもしれません。

マネーフォワードの調査によると、飲食店の水道光熱費は売上の5〜8%が相場です。月商200万円の店なら、月10〜16万円が光熱費に消えている計算。そのうち最も大きいのが電気代で、光熱費全体の50〜60%を占めます。

つまり、月の電気代が8〜10万円。年間で100万円前後

「そんなもんだろう」と思うかもしれません。でも、ちょっとした工夫で月1〜3万円、年間12〜36万円を削減できるとしたら? しかも、お金をかけずに。

この記事では、飲食店の電気代を0円〜低コストで削減する方法を、すぐに実行できるものから順に整理します。

先に結論

  • 飲食店の電気代は売上の3〜5%が目安。 それ以上なら見直し余地あり
  • 0円でできることだけで月3,000〜5,000円は減らせる
  • 電気代の3大食い虫は「冷蔵庫」「空調」「照明」。 この3つで全体の70〜80%
  • LED化は照明の電気代を40〜60%カット。 補助金で初期費用も半減可能
  • 冷蔵庫は「詰めすぎ」と「開けすぎ」をやめるだけで変わる

まず自分の店の電気代を「知る」

削減の前に、まず現状を把握してください。

確認すべき3つの数字

項目確認方法目安
月の電気代電力会社の明細書 or マイページ月商の3〜5%なら合格圏
前年同月との比較明細書に記載あり10%以上増えていたら要注意
電力単価(1kWhあたり)明細書に記載2026年3月時点で25〜35円/kWh程度

業態別の目安

業態水道光熱費の売上比率月の電気代(月商200万円の場合)
カフェ・バー3〜5%4〜7万円
居酒屋5〜7%6〜9万円
定食屋・レストラン5〜8%7〜10万円
ラーメン店7〜10%9〜13万円
焼肉店7〜10%9〜13万円

ラーメン店や焼肉店が高いのは、長時間の加熱と大型冷蔵設備が理由です。

もし自分の店がこの目安を超えていたら、削れる余地があるということです。

電気代の「3大食い虫」を知る

飲食店で電気を一番使っているのは何か。だいたい以下の3つで**全体の70〜80%**を占めます。

設備電気代に占める割合特徴
冷蔵庫・冷凍庫30〜40%24時間365日稼働。止められない
空調(エアコン)20〜30%夏冬に急増。設定温度で大きく変わる
照明15〜25%営業時間中ずっと点灯。LED化で激変

逆に言えば、この3つを改善すれば電気代の大半に手を打てるということです。

今日からできる0円の省エネ対策

まずはお金をかけずにできることから。

冷蔵庫・冷凍庫(電気代の30〜40%)

業務用冷蔵庫は24時間動きっぱなしなので、少しの改善が大きな差になります。

対策効果なぜ効くのか
庫内を詰めすぎない冷却効率5〜10%改善空気が循環しないと冷えにくくなり、コンプレッサーが頑張りすぎる
扉の開閉回数を減らす年間数千円〜開けるたびに冷気が逃げて、冷やし直すのに電気を使う
扉を開けている時間を短くする同上「何を取るか決めてから開ける」を習慣にする
背面の放熱スペースを確保する冷却効率10%改善壁にぴったりつけると放熱できず、余計な電力を使う。壁から10cm以上離す
コンデンサーのフィルター清掃冷却効率15〜20%改善ホコリが詰まると冷却性能が落ちる。月1回の掃除で解決
パッキン(ドアのゴム)の確認隙間からの冷気漏れ防止名刺を挟んで引っ張って落ちたら交換時期

フィルター清掃が最もコスパが高い。 月1回、5分で済む作業ですが、やっている店は驚くほど少ないです。

空調(電気代の20〜30%)

対策効果補足
設定温度を1度変える電気代約10%削減夏28度→27度ではなく、27度→28度に。冬は20度で十分
フィルターを2週間に1回清掃冷暖房効率5〜15%改善フィルターが汚れると風量が落ちて、設定温度に達しにくくなる
営業前に換気してから空調を入れる初動の電力消費を抑制熱がこもった状態で空調を入れると、最大出力で動き続ける
扇風機・サーキュレーターを併用体感温度2〜3度下がる空気を循環させると冷房効率が上がる。3,000円程度の投資で済む

夏場の「設定温度1度」は大きい。 エアコンは設定温度を1度上げるだけで約10%の電力削減になると言われています。月の電気代が10万円で空調が3万円分なら、1度で月3,000円、年間36,000円の差です。

照明(電気代の15〜25%)

対策効果補足
不要な照明を消すその分だけ削減バックヤード、トイレ、使っていない客席
点灯時間を見直す5〜10%削減開店1時間前から全灯する必要があるか?
窓際の席は日中消灯自然光で十分な場合が多い天気がいい日は照明なしでも明るい

照明の0円対策は「こまめに消す」に尽きます。ただし、本当に電気代を減らしたいなら、LED化が圧倒的に効果が大きい(後述)。

少しお金をかけてやる省エネ(投資回収あり)

LED照明への切り替え

これが飲食店の省エネで最もコスパが高い投資です。

項目数値
照明の電気代削減率40〜60%
LED電球の寿命約40,000時間(蛍光灯の4〜5倍)
初期投資の目安(15席の店)5〜15万円
投資回収期間1〜2年

蛍光灯20本の店なら、LED化で照明の電気代が半分以下になります。月の照明電気代が1.5万円だった店なら、月7,000〜9,000円に。年間で7〜10万円の削減

さらに——

  • 蛍光灯は切れたら1本ずつ交換 → 交換の手間とコストが定期的にかかる
  • LEDは10年以上持つ → 交換コストがほぼゼロに

冷蔵庫の買い替え

10年以上使っている業務用冷蔵庫は、最新機種に比べて消費電力が2〜3倍というケースがあります。

ホシザキの公式サイトによると、最新のインバーター冷蔵庫は旧型と比べて消費電力が約30〜50%削減されています。

ただし、業務用冷蔵庫は1台30〜80万円。簡単に買い替えられる金額ではありません。ここで使えるのが補助金です。

使える補助金(2025〜2026年度)

設備投資にはお金がかかりますが、補助金を使えば自己負担を半分以下にできる場合があります。

① 省エネルギー投資促進支援事業費補助金(設備単位型)

項目内容
対象空調、照明、冷蔵庫など省エネ設備への更新
補助率設備費の1/3〜1/2
特徴1台から申請可能。 小さな飲食店でも使いやすい
注意点申請期間が決まっている。公募開始をチェック

参考:経済産業省 省エネルギー投資促進支援事業

② 電気・ガス料金支援(2026年1月〜)

2026年1月から電気・ガス料金の補助が再開されています。1世帯(事業者含む)あたり月1,500〜2,500円程度の軽減。

これは自動的に電気料金から差し引かれるので、申請は不要です。

③ 自治体独自の補助金

多くの市区町村が独自の省エネ補助金を出しています。LED照明や高効率空調への補助金が多く、国の補助金と併用できる場合もあります。

「自分の市区町村名+省エネ補助金」で検索してみてください。知らないだけで使える補助金がある場合が多いです。

「電気代を減らしたい」の前に「電気代を知る」

ここまで読んで「何から手をつければいいかわからない」という方へ。

まずやるべきは「毎月の電気代を記録すること」です。

電気代売上比率メモ
1月?円?円?%
2月
3月

3ヶ月分の電気代と売上を並べて書くだけ。これで「うちは高いのか普通なのか」がわかります。

売上に対して8%を超えていたら——削る余地は確実にあります。

光熱費も「原価」の一部です。食材の原価だけ管理して光熱費を放置していたら、利益の穴が開いたまま営業しているのと同じです。

KitchenCostを使ってレシピごとの原価を正確に把握したうえで、光熱費も含めた本当の利益を見えるようにしてみてください。「忙しいのにお金が残らない」の原因が、意外なところに見つかるかもしれません。

今週やることチェックリスト

  • 過去3ヶ月分の電気代の明細を確認する
  • 電気代が売上の何%か計算する
  • 冷蔵庫のコンデンサーフィルターを清掃する(月1の習慣化)
  • 空調のフィルターを清掃する
  • 営業中に点いている照明を全部チェック。不要なものを消す
  • 「市区町村名+省エネ補助金」で検索する

出典・参考:

  • マネーフォワード クラウド「飲食店の水道光熱費はどれくらい?平均額・経費割合・削減方法を解説」
  • テンポスフードメディア「飲食店の光熱費の平均と利益を残すためにできる経費削減」
  • エネチェンジ「飲食店の光熱費、とことん削るコツ大解剖!」
  • ホシザキ「業務用冷蔵庫・冷凍庫の電気代は高い?電気代節約のコツを解説」
  • 経済産業省「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」
  • 創業手帳「2025年最新!省エネ補助金を活用して電気代・ガス代のコストを削減しよう」
  • NEXYZ.「LED照明で、手軽に電気代を下げましょう!【飲食店編】」

よくある質問

飲食店の電気代は月いくらが平均ですか?

店舗の規模や業態によりますが、月5万円〜30万円が一般的です。小さなカフェや居酒屋で月5〜10万円、ラーメン店や焼肉店など火力・冷蔵設備が多い業態は月15〜30万円になることもあります。水道光熱費全体では売上の5〜8%が目安とされています。

LED照明に変えるとどれくらい電気代が下がりますか?

照明部分の電気代が40〜60%下がります。飲食店の場合、店全体の電気代のうち照明が占める割合は15〜25%程度なので、全体で見ると月の電気代が6〜15%ほど削減できる計算です。初期費用は補助金を使えば大幅に抑えられます。

省エネのために設備を買い替えるお金がない場合、何から始めればいいですか?

まずは0円でできることから始めてください。冷蔵庫の隙間をなくす・扉の開閉を減らす・フィルター清掃を月1回やる。空調の温度を1度変える。これだけで月3,000〜5,000円の削減が見込めます。設備投資が必要なLED化や冷蔵庫買い替えは、補助金が使えるタイミングで検討すれば初期費用を半額以下に抑えられます。

飲食店が使える省エネ補助金にはどんなものがありますか?

2025〜2026年度は「省エネルギー投資促進支援事業費補助金(設備単位型)」が使いやすいです。空調・照明・冷蔵庫など1台からでも申請可能で、対象設備の導入費用の1/3〜1/2が補助されます。また自治体独自の省エネ補助金もあるので、「市区町村名+省エネ補助金」で検索してみてください。

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