「限界利益」。なんだか難しそうな言葉ですよね。
でも、やっていることはシンプルです。売上から、売れるたびにかかる費用(変動費)を引く。残ったお金で、家賃や通信費(固定費)を払う。それだけの話です。
この考え方を知っていると、「どこで利益が消えているのか」が驚くほどクリアに見えるようになります。
先に要点
- 限界利益 = 売上 − 変動費。固定費を払うための「原資」
- 変動費と固定費を分けるだけで、値上げ判断や損益分岐点の計算ができる
- まずは売上上位3品で計算すればOK
いまこの考え方が必要な理由
2025年の飲食店倒産は1,002件で過去最多(帝国データバンク)。飲食店の価格転嫁率は32.3%と全業種平均を下回ります。最低賃金は全国加重平均1,121円(厚生労働省)。
「売上は増えているのに利益が減った」という声が増えています。限界利益で見ると、その構造がはっきり分かります。
まず用語を整理
変動費(へんどうひ)
売れるほど増える費用。食材費、包材、注文ごとの手数料など。
固定費(こていひ)
売上に関係なく毎月ほぼ一定で出る費用。家賃、通信費、サブスク、保険料など。
限界利益(げんかいりえき)
売上から変動費を引いた残り。この残りで固定費を賄います。
計算式は3つ
限界利益 = 売上 − 変動費
限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上 × 100
損益分岐点売上 = 固定費 ÷ 限界利益率
損益分岐点(そんえきぶんきてん)とは、利益がゼロになるラインのこと。これを超えれば黒字、下回れば赤字です。
計算例
- 週売上: 800,000円
- 週変動費: 320,000円
- 週固定費: 420,000円
限界利益 = 800,000 − 320,000 = 480,000円
限界利益率 = 480,000 ÷ 800,000 × 100 = 60%
損益分岐点売上 = 420,000 ÷ 0.60 = 700,000円
この店は週70万円を超えると黒字になる計算です。「あと何食売ればトントンか」が具体的に見えますね。
値上げ判断での使い方
値上げ前後の限界利益率を比べてみてください。
- 客数が少し減っても限界利益率が上がる → 改善余地あり
- 客数が大きく減って限界利益率も下がる → 価格か内容を再設計
感覚ではなく数字で判断できるのが、この考え方の強みです。
今週のチェックリスト
- 売上上位3商品の変動費を出す
- 固定費を1週間分に分ける
- 限界利益率を計算する
- 損益分岐点売上を出す
- 来週の見直し日を決める
まとめ
限界利益は、名前は難しそうですが中身はシンプル。変動費と固定費を分けるだけで、「どこで利益が消えているか」「あと何食売ればいいか」が見えるようになります。
まずは上位3品だけ計算してみてください。値上げや営業時間の判断がかなり楽になりますよ。
KitchenCostでメニューごとの原価を管理しておけば、変動費と限界利益の計算がスムーズにできます。