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価格転嫁率53.5%時代の値上げ判断:小さな飲食店の実務ガイド(2026)

価格を上げるべきか迷う飲食店オーナー向けに、価格転嫁率53.5%のデータを踏まえた判断基準を解説。値上げ幅、タイミング、告知文まで実務で使える形で整理。

更新 2026年2月18日
価格転嫁値上げ飲食店原価率FLコスト2026
目次

値上げしたい。でもお客さんが離れるのが怖い。

この板挟みで動けないまま、コスト増を自腹で吸収し続けているオーナーは多いはずです。

中小企業庁の調査では、コスト上昇分を価格に反映できた割合——価格転嫁率は53.5%。つまり半分近くのコスト増を、店側が飲み込んでいるのが現実です。

先に結論

  • 「値上げすべきか」ではなく「どのメニューをいくら上げるか」で考える。 一律ではなく商品別
  • 価格転嫁率53.5%は、半分のコスト増を自分で吸収している状態。 これが続けば利益はなくなる
  • 告知は「開始日・対象商品・理由」の3点を短く。 長い言い訳は逆効果
  • 段階改定(2回に分けて上げる)が、客離れを最も抑えやすい

「感覚」で決めると失敗する

「ライバル店が上げたからうちも」「なんとなく50円くらいかな」——こういう判断が一番危険です。

値上げ幅は計算で出せます。

必要売価 = 現在原価 + 増加コスト + 目標粗利
改定率 = (必要売価 - 現在売価) ÷ 現在売価

試算例:

  • 現在売価:1,200円
  • 現在原価:420円
  • 増加コスト:60円(食材費+人件費の上昇分)
  • 目標粗利:780円
  • 必要売価:1,260円(改定率5.0%)

5%が一度に難しいなら、2.5%ずつ2回に分ける段階改定もできます。常連客の反応を見ながら進められるので、リスクが小さくなります。

上げるメニューと据え置くメニューを分ける

全品一律で上げると反発が出やすい。でも——

  • 原価率が目標から大きく外れている商品 → 優先的に改定
  • 客数が多い看板メニュー → 慎重に、段階改定で
  • 原価率が低い商品 → 据え置きでも問題ない

「上げるもの」と「守るもの」を分けるだけで、お客さんの受け止め方は全然違います。

告知のコツ

値上げ告知は短いほうが伝わります。

いつから → 対象 → 理由

この3点だけ。言い訳を長く書くほど、不誠実に見えます。

今週やること

  • 売上トップ10の増加コストを、1食単位で計算する
  • 「据え置き」「微調整」「重点改定」の3区分に分ける
  • 改定告知文を80〜120文字で作る
  • 改定後2週間の販売数確認表を準備する

値上げは「怖いからやらない」のが一番リスクが高い選択肢です。数字で判断できれば、恐怖は減ります。


メニューごとの原価率と粗利額を正確に出すなら。KitchenCost を使ってみてください。

参考データ(確認日: 2026-02-17)

よくある質問

価格転嫁率53.5%とは何ですか?

上がったコストのうち、販売価格に反映できた割合の平均です。半分弱しか転嫁できていない状態を意味します。

値上げは何%が妥当ですか?

一律の正解はありません。まずはメニュー別に必要価格を計算し、段階的に実施する方が失敗しにくいです。

人件費上昇はどこまで価格へ転嫁できますか?

調査上は人件費の価格転嫁率が50.0%で、原材料より低めです。だからこそ稼働設計も同時に見直す必要があります。

値上げ後の客離れが怖いです。

値上げ幅より、理由説明とメニュー設計の方が離脱率に効きます。主力商品の価値説明を短く明確に出してください。

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