値上げしたい。でもお客さんが離れるのが怖い。
この板挟みで動けないまま、コスト増を自腹で吸収し続けているオーナーは多いはずです。
中小企業庁の調査では、コスト上昇分を価格に反映できた割合——価格転嫁率は53.5%。つまり半分近くのコスト増を、店側が飲み込んでいるのが現実です。
先に結論
- 「値上げすべきか」ではなく「どのメニューをいくら上げるか」で考える。 一律ではなく商品別
- 価格転嫁率53.5%は、半分のコスト増を自分で吸収している状態。 これが続けば利益はなくなる
- 告知は「開始日・対象商品・理由」の3点を短く。 長い言い訳は逆効果
- 段階改定(2回に分けて上げる)が、客離れを最も抑えやすい
「感覚」で決めると失敗する
「ライバル店が上げたからうちも」「なんとなく50円くらいかな」——こういう判断が一番危険です。
値上げ幅は計算で出せます。
必要売価 = 現在原価 + 増加コスト + 目標粗利
改定率 = (必要売価 - 現在売価) ÷ 現在売価
試算例:
- 現在売価:1,200円
- 現在原価:420円
- 増加コスト:60円(食材費+人件費の上昇分)
- 目標粗利:780円
- 必要売価:1,260円(改定率5.0%)
5%が一度に難しいなら、2.5%ずつ2回に分ける段階改定もできます。常連客の反応を見ながら進められるので、リスクが小さくなります。
上げるメニューと据え置くメニューを分ける
全品一律で上げると反発が出やすい。でも——
- 原価率が目標から大きく外れている商品 → 優先的に改定
- 客数が多い看板メニュー → 慎重に、段階改定で
- 原価率が低い商品 → 据え置きでも問題ない
「上げるもの」と「守るもの」を分けるだけで、お客さんの受け止め方は全然違います。
告知のコツ
値上げ告知は短いほうが伝わります。
いつから → 対象 → 理由
この3点だけ。言い訳を長く書くほど、不誠実に見えます。
今週やること
- 売上トップ10の増加コストを、1食単位で計算する
- 「据え置き」「微調整」「重点改定」の3区分に分ける
- 改定告知文を80〜120文字で作る
- 改定後2週間の販売数確認表を準備する
値上げは「怖いからやらない」のが一番リスクが高い選択肢です。数字で判断できれば、恐怖は減ります。
メニューごとの原価率と粗利額を正確に出すなら。KitchenCost を使ってみてください。