正直に言うと、歩留まり計算は面倒です。肉の皮を取り、魚の骨を抜き、野菜の外葉を落とす——そのたびに「使えない部分」が出る。
でも、この面倒を飛ばすと原価率は確実にズレます。「仕入れ価格が安いから大丈夫」ではなく、実際に料理に使える量(可食量)あたりいくらかで見ないと、利益の計算が狂うわけです。
先に結論
- 歩留まり = 可食量 ÷ 仕入れ量(使える割合のこと)
- 単価は可食量ベースで計算する
- ロス率を含めないと原価率が5〜15%ズレることもある
- 主要食材は月1回の再計測で十分
基本の計算式
可食量 = 仕入れ量 × (1 - ロス率)
単価 = 仕入れ価格 ÷ 可食量
食材原価 = 単価 × 使用量
例1|鶏もも肉
- 仕入れ量: 1,000g
- 仕入れ価格: 1,400円
- ロス率: 10%(皮・脂・筋)
可食量 = 1,000 × (1 - 0.10) = 900g
単価 = 1,400 ÷ 900 = 1.56円/g
1人前150gなら食材原価は234円。仕入れ価格の1,400円÷1,000g=1.40円/gで計算してしまうと、原価は210円。差額の24円は、1日50食で月3万6千円の計算ミスになります。
例2|玉ねぎ
- 仕入れ量: 2,000g
- 仕入れ価格: 600円
- ロス率: 15%(外皮・根元)
可食量 = 2,000 × 0.85 = 1,700g
単価 = 600 ÷ 1,700 = 0.35円/g
玉ねぎは単価が安いので軽視しがちですが、使用量が多い食材ほどロス率の影響は大きくなります。
歩留まりが崩れる原因
- 皮や筋の処理が人によって違う——Aさんは薄く、Bさんは厚く剥く
- 仕込みで端材が増える——切り方で使えない部分が増減する
- 量りを使わず目分量——「だいたいこれくらい」が積み重なる
- 仕入れ単価の更新が遅い——3ヶ月前の価格で計算している
実務ルール
- 主要食材は月1回計測する(肉・魚・野菜の上位5品目)
- 仕込み担当ごとに歩留まりを比較する(差があれば手順を統一)
- ロス率が前月より3%以上上がったら原因を確認する
- 計算で分母が0になる場合は結果を0にして安全側に倒す
物価の動きと見直しタイミング
2025年の消費者物価指数では食料が前年比**+6.8%**上昇しています。仕入れ価格が動きやすい局面ほど、歩留まりの再計測が利益を守ります。「仕入れ値は据え置きだけど、品質が下がってロスが増えた」というケースも要注意です。
今週やること
- 主要食材3品の仕入れ量と可食量を実際に量って記録する
- ロス率をレシピの原価計算に反映する
- 単価を可食量ベースで再計算する
- 仕込み担当ごとの歩留まりを比べてみる
- 月次の再計測をルーティンに組み込む
関連ガイド
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