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親子丼専門店の原価ガイド——鶏肉80gと90gで、月の利益が3万円変わる

親子丼1杯の原価を鶏肉・卵・出汁・米・たれに分解して計算。鶏もも肉10gの差で月3万円以上変わる理由と、出汁のバッチ原価、サイズ別の価格設計まで、個人経営の丼専門店向けにまとめました。

更新 2026年2月18日
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目次

親子丼は、飲食店のなかでも原価管理が”簡単そうに見えて難しい”メニューのひとつです。

使う食材は鶏肉、卵、玉ねぎ、出汁、ご飯。シンプルだからこそ、ひとつひとつのグラム数が直接利益に効いてくる。

たとえば鶏もも肉。80gで盛るか90gで盛るかの違いは、1杯あたりたった25円程度。でもこれが1日60杯、月25日で計算すると——月37,500円の差になります。

「うちはだいたい80gくらいで…」の”だいたい”が、年間45万円の利益を消しているかもしれません。

先に結論

  • 親子丼の原価の核は鶏肉。 80gと90gで月3.7万円変わる
  • 出汁は「バッチ原価÷杯数」で計算する。 感覚ではなく1杯16円と知っておく
  • 卵は2個が標準。 半熟仕上げはロス率を5%で見ておく
  • サイズ展開は3段階。 大盛りの追加原価50円を追加売価150〜200円でカバー

親子丼1杯の原価を分解する

例:並盛り(税抜売価850円)

項目原価
鶏もも肉80g104円
2個50円
玉ねぎ30g5円
出汁120ml16円
たれ(醤油・みりん)20ml8円
ご飯200g(炊き上がり)38円
三つ葉1g3円
合計224円

原価率:224 ÷ 850 = 26.4%

数字だけ見れば優秀です。でもこの計算は「毎回きっちり80gで盛っている」前提。ここがブレると、一気に崩れます。

鶏肉のグラム管理が利益を決める

親子丼で最も原価に影響するのは鶏もも肉です。

鶏もも肉の仕入れ価格を1,300円/kgとすると——

鶏肉量1杯あたり原価80gとの差月間差額(60杯/日)
70g91円▲13円▲19,500円
80g104円
90g117円+13円+19,500円
100g130円+26円+39,000円

10gの差で月に約2万円。 忙しい時間帯にスタッフが「気持ち多め」に盛ると、100gを超えることは珍しくありません。

対策:ポーションコントロール

  1. 仕込み段階で80gずつにカットする。 朝の段階で全量をカットしてバットに並べれば、調理時に迷わない
  2. カット後の端材は別メニューに回す。 鶏の端材は炊き込みご飯や賄いに使う
  3. 歩留まりを計算に入れる。 鶏もも肉の歩留まりは85〜90%。皮・脂・筋を取ると1kgから使えるのは850〜900g
仕入れ1kg = 1,300円
歩留まり85% → 使用可能量 850g
実質単価 = 1,300 ÷ 850 = 1.53円/g
80g × 1.53円 = 約122円(歩留まり込み)

歩留まりを含めると、さっきの104円が122円に上がります。歩留まりを無視した原価計算は、常に利益を過大評価しています。

出汁のバッチ原価

親子丼の出汁は、1杯ずつ取るのではなく「バッチ(まとめ作り)」で計算するのが正しい方法です。

例:出汁1バッチ(4L分)

材料原価
昆布40g200円
かつお節80g240円
4L約2円
醤油200ml40円
みりん200ml40円
合計522円

4Lから取れる出汁は約3.6L(蒸発ロス10%)。1杯120ml使うなら30杯分

出汁原価(1杯)= 522 ÷ 30 = 約17円

「出汁なんて安いでしょ」と思いがちですが、17円 × 60杯/日 × 25日 = 月25,500円。小さな金額の積み重ねが、月末の利益を左右します。

卵のロス管理

卵は1杯2個が標準。1個25円として50円。ここは大きくブレにくい項目ですが、注意すべきはロスです。

  • 割れ卵(仕入れ時の破損):2〜3%
  • 半熟仕上げの失敗による作り直し:1〜2%
  • 仕込み時の落下・殻混入:1%

合計でロス率5%前後。1日120個使う店なら、6個がムダになっている計算です。月に150個、金額にして3,750円。

小さい金額ですが、鶏肉・出汁・卵のロスを合計すると、月に数万円になります。

サイズ展開で粗利率を改善する

丼もので利益を出すなら、サイズ展開が有効です。

サイズ別の原価設計(例)

サイズ鶏肉ご飯原価売価原価率
ミニ60g150g182円680円26.8%
80g200g224円850円26.4%
大盛り100g250g275円1,050円26.2%

大盛りは原価+51円なのに、売価は+200円。大盛りが売れるほど粗利率が上がる構造にできます。

ポイントは、大盛りの追加分を「ご飯多め」だけにしないこと。鶏肉も増やさないと見た目で満足感が下がり、リピートに響きます。

今週やること

  • 鶏もも肉を80gにカットして、1杯分ずつバットに並べる仕組みを作る
  • 出汁のバッチ原価を実測する(昆布・かつお節の仕入れ価格から計算)
  • 卵のロスを1週間だけ記録する(割れ・作り直し・殻混入の個数)
  • 並・大盛りの売価を、原価率ベースで見直す
  • 人件費を1杯あたりに換算する(時給1,121円 ÷ 1時間の提供数)

関連ガイド

出典


鶏肉のグラム数と出汁のバッチ原価を登録すれば、1杯ずつの利益がすぐ見えます。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

親子丼の原価で一番ブレるのは?

鶏もも肉のグラム数です。80gと90gでは1杯あたり約25円の差。1日60杯売る店なら月に37,500円の差になります。「気持ち多め」が最も利益を削る原因です。

出汁はどう原価を出す?

出汁を1バッチ(例:昆布40g+かつお節80g+水4L)で計算し、1杯分の使用量120mlに割り戻します。1バッチ約520円で33杯分取れるなら、1杯あたり約16円です。

卵は半熟か固めで原価が変わる?

卵自体の原価は変わりません。ただし半熟仕上げは失敗による作り直しが起きやすく、破損卵も含めたロス率が高くなります。卵のロス率を5%で見ておくと安全です。

丼のサイズ展開はどう設計する?

並・大盛り・ミニの3段階が基本です。並を基準に、大盛りは鶏肉+20gとご飯+50gで原価+50円前後。売価+150〜200円にすれば粗利率は並より高くなります。

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