年末、おせちの予約が入り始める。15,000円の二段重——高単価だし利益は出るだろう。そう思いたいところですが、実際に原価を積み上げてみると、意外なほど利益が薄いことに気づく店は多いです。
数の子、黒豆、海老、伊達巻。高級食材が1品増えるたびに原価は跳ね上がるし、重箱や飾りの容器コストも地味に重い。品数を増やすほど見栄えは良くなりますが、原価管理の難易度も上がります。
先に結論
- 原価の中心は高級食材 + 重箱 + 仕込みロス
- 品数を増やすほど原価管理が難しくなる(品数で勝負しない選択肢もある)
- 予約比率を高めると利益が安定する(目標60〜80%)
- 「見栄え」を上げる飾りや葉物も、原価に含めて計算する
基本の計算式
おせち原価 = 食材 + 装飾 + 容器 + ロス
原価率 = おせち原価 ÷ 税抜価格
原価例:二段重(2人前・税抜15,800円想定)
| 項目 | 原価 |
|---|---|
| 高級食材(数の子・黒豆・海老・伊達巻) | 3,200円 |
| 定番惣菜(煮物・きんとん・酢の物) | 1,450円 |
| 飾り・葉物・仕切り | 350円 |
| 重箱・包材 | 900円 |
| ロス見込み | 700円 |
| 合計 | 6,600円(原価率41.8%) |
原価率41.8%は一般的な飲食店の目標(30〜35%)より高め。おせちは「高単価だけど利益率は薄い」商品だと理解した上で、販売数で利益額を確保する設計が必要です。
利益を守る構成のコツ
- 高級食材は量ではなく品数で見せる(少量を美しく盛れば、見栄えは保てる)
- 煮物や甘味は原価が低く、ボリュームを出しやすい(満足感の底上げ役)
- 早割・予約特典は価格値引きではなく追加品で設計する(「早割で500円引き」より「早割で小鉢1品追加」のほうが利益を守れる)
予約比率を上げる工夫
おせちは予約比率が利益を左右します。作りすぎて余らせるのが最大のリスクです。
- 予約開始を10月〜11月初旬に前倒しする
- 早割特典で早期予約を促す
- 当日販売分は数量限定にし、売り切り前提で仕込む
- リピーター向けに「去年の内容 + 今年の新作1品」で予約を取る
コスト環境
2025年の消費者物価指数では食料が前年比**+6.8%**上昇。年末商戦は毎年「去年より高くなる」前提で価格を設計してください。値上げを先送りにすると、材料費だけが上がって利益が圧縮されます。
今週やること
- 重箱単位の原価表を作成する(食材+容器+装飾すべて含む)
- 高級食材(数の子・海老・いくら等)のロス率を記録する
- 予約比率の目標を設定する(まずは60%を目指す)
- 早割・予約特典を「値引き」ではなく「追加品」で設計する
- 飾り・葉物のコストを原価に計上する
出典
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