おにぎりはシンプルに見える。米を握って、具を入れて、海苔を巻くだけ。
でも利益を決めているのは具材のグラム数と包材コストだ。米は1個23円程度だが、鮭を25g入れた瞬間に原価が60円跳ね上がる。
「1個120円くらいの原価で売っているのに利益が残らない」——その原因は具材の盛りすぎと包材・人件費の計上漏れであることが多い。
先に結論
- おにぎりの原価の中心は米ではなく具材。 鮭25gで60円、いくら15gで90円以上
- 海苔のロスは意外と大きい。 端が破れたら1枚まるごと廃棄
- 包材は1個12円でも100個で1,200円。 必ず原価に含める
- 価格帯を3段階に分ける。 ベーシックで集客、プレミアムで利益確保
おにぎり原価の4層構造
おにぎりの原価は4つの層で考える。
- 米(炊き上がり歩留まりで計算)
- 具材(ツナ、鮭、明太子など)
- 海苔・塩(1枚単位のロスに注意)
- 包材・人件費(1個あたりに換算)
米だけ見ていると高利益に見えて判断を誤る。
1個あたりの米コスト
2025年、米の価格は10kgで3,500円→7,000円に倍増した。それでも1個あたりで見ると——
- 生米仕入れ価格:420円/kg(仮)
- 炊き上がり倍率:2.2倍(自店で実測すること)
- 1個あたりの炊き上がり量:120g
生米単価 = 420円 ÷ 1,000g = 0.42円/g
炊き上がり単価 = 0.42円 ÷ 2.2 = 0.191円/g
米原価(1個)= 0.191円 × 120g = 約23円
米だけなら安い。問題は具材と包材だ。
具材別の原価比較
ツナマヨおにぎり(売価220円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 米 | 23円 |
| 海苔(1/2枚) | 18円 |
| ツナ 15g | 18円 |
| マヨネーズ 10g | 6円 |
| 塩・調味 | 1円 |
| 包材 | 12円 |
| 合計 | 78円 |
税抜売価200円に対して原価率39%。具材を気持ち多めに入れると40%を超える。
鮭おにぎり(売価280円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 米 | 23円 |
| 海苔(1/2枚) | 18円 |
| 鮭 25g | 60円 |
| 塩・調味 | 1円 |
| 包材 | 12円 |
| 合計 | 114円 |
税抜255円に対して原価率45%。鮭は”高見え”するが、実は原価率が最も高くなりやすい具材のひとつだ。
具材は「グラム固定」が鉄則
おにぎりの利益は、具材の重量を固定できるかで決まる。
- ツナマヨ:20〜25g
- 鮭:20〜30g
- 明太子:15〜20g
- いくら:10〜15g
「気持ち多め」は、そのまま利益が消えるという意味。 スタッフ全員が同じグラム数で作れるよう、計量のルールを決めておく。
海苔は”半枚”基準で考える
海苔は1枚単位でロスが出やすい。1枚30円なら半枚15円。端が破れたら1枚まるごと廃棄になる。
仕入れ価格よりも「廃棄率」のほうがコストに効く。
価格設計:3段階が基本
利益を出しているおにぎり専門店は、価格帯を3つに分けていることが多い。
- ベーシック(180〜220円):集客用。おかか、梅など
- 定番(230〜280円):ツナマヨ、昆布など
- プレミアム(300〜380円):鮭、いくら、明太子など
ベーシックで来店動機を作り、定番・プレミアムで利益を確保する。
今週やること
- 米の炊き上がり倍率を実測する(2.1〜2.3倍が目安)
- 具材のグラム数をメニューごとに固定する
- 海苔の廃棄率を1週間だけ記録する
- 包材コストを1個あたりで計算し、原価に含める
- 人件費を「1個あたり」に換算する(時給1,121円 ÷ 1時間の製造数)
関連ガイド
出典
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