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オムライス専門店の原価計算——卵2個で60円、ソースで85円。利益はどこで出す?

オムライス1食の原価を卵・ライス・ソース・鶏肉に分解。卵1個の差で月22,500円変わる。デミグラスソースの仕込み原価、チーズやサイズアップの価格設計まで実例で解説します。

更新 2026年2月18日
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目次

オムライスは、卵とケチャップライスとソース。材料はシンプルです。

でも「シンプルだから原価管理は楽」かというと、そうでもない。卵の個数、ライスの量、ソースの量——この3つが少しずつブレるだけで、月末に数万円の利益が消える。

デミグラスオムライス1食の原価は約320円。原価率30%で売るなら1,050〜1,100円。1食あたりの粗利は700〜780円。悪くない数字に見えますが、ここから家賃と人件費を引くと、1食のブレが30円あるだけで月の手残りが大きく変わります。

先に結論

  • オムライスの原価は卵・ライス・ソースの3点で決まる。 どれかがブレると利益が消える
  • 卵1個の差で月22,500円。 「ふわとろ」にしたいなら卵を増やすより生クリームを足す
  • デミグラスソースは仕込み原価が重い。 1食85円、トマトソースなら50円
  • サイズアップ・トッピング追加は必ず別価格に。 原価から逆算して設定する

オムライス1食の原価を分解する

例1:デミグラスオムライス(税抜1,100円)

項目原価
卵(Mサイズ)2個60円
ケチャップライス220g70円
鶏もも肉60g75円
玉ねぎ30g12円
デミグラスソース120g85円
バター・油・調味料1食分18円
合計320円

原価率:320 ÷ 1,100 = 29.1%

粗利:780円。1日30食 × 25日で粗利585,000円/月。

例2:トマトソースオムライス(税抜950円)

項目原価
2個60円
ケチャップライス220g70円
鶏もも肉60g75円
玉ねぎ30g12円
トマトソース(自家製)100g50円
バター・油・調味料1食分15円
合計282円

原価率:282 ÷ 950 = 29.7%

トマトソースはデミグラスより35円安い。 トマト缶ベースで仕込めば、1食あたりのソース原価を大幅に下げられます。メニュー構成でデミグラスとトマトを両方置くなら、トマト系で利益を稼いでデミグラスは「看板メニュー」として位置づけるのが定石です。


利益が消える3つの原因

1. 卵の個数がブレる

オムライスの卵は2個が基準。でも「ふわとろに仕上がらなかった」と3個使うスタッフがいると、1食あたり30円増。

卵1個追加 × 30食/日 × 25日 = 22,500円/月

月22,500円。年間27万円。卵の数で調整するのではなく、テクニックで解決するのが正解です。

ふわとろに仕上げるコツ:

  • 卵2個 + 生クリーム大さじ1(追加コスト約7円)
  • フライパンを十分に熱してからバターを溶かす
  • 箸で手早くかき混ぜて、半熟で返す

卵を1個増やす(+30円)より、生クリームを足す(+7円)ほうが安くて効果的です。

2. ライスの量が安定しない

ケチャップライスは「お皿に盛ったときの見た目」で量を調整しがちです。220gの基準が250gになると——

追加ライス30g = 約10円
30食/日 × 10円 × 25日 = 7,500円/月

米価がCPI前年比**+70.9%**まで上がった今、ライスのブレは見過ごせません。

対策:ライスカップで1食分を計量する。 炊き上がりの状態で220gを測って、そのカップを基準にする。忙しい時間帯でもブレが小さくなります。

3. ソースを多めにかけている

デミグラスソースの「ひと回し多め」は危険です。

ソース20g追加 ≒ 14円
30食/日 × 14円 × 25日 = 10,500円/月

月10,500円。ソースはレードルのサイズを固定して、「1杯=1食分」と決める。「お客さんが喜ぶから」という理由で多めにかけると、その分がまるごと利益減です。


ソースの仕込み原価を把握する

デミグラスソース(10食分バッチ)

材料原価
牛すじ or 端材200g180円
玉ねぎ200g60円
にんじん100g30円
セロリ50g25円
トマト缶1缶100円
赤ワイン100ml50円
小麦粉・バター(ルウ)40円
調味料・スパイス20円
合計(10食分)505円

1食あたり:505 ÷ 10 = 約50円

※ 市販のデミグラス缶を使う場合は1食65〜90円程度。自家製の方が安く、味の調整もできます。

トマトソース(10食分バッチ)

材料原価
トマト缶2缶200円
玉ねぎ150g45円
にんにく10g15円
オリーブオイル30ml25円
調味料15円
合計(10食分)300円

1食あたり:300 ÷ 10 = 30円

トマトソースはデミグラスの6割の原価。メニューにトマト系を増やすと、全体の原価率が下がります。


トッピング・サイズアップの価格設計

「大盛り」「チーズ追加」を頼まれることは多いですが、必ず原価から逆算して別価格にする

追加内容追加原価推奨追加価格追加分の原価率
卵+1個30円+100円30%
ライス大盛り(+80g)25円+80円31%
チーズ(20g)40円+130円31%
ソース大盛り40円+80円50%
ハンバーグ追加(100g)90円+280円32%

ソース大盛りは原価率50%。 追加価格を低く設定しがちですが、ソースは仕込みコストが高いので要注意です。


月次の利益シミュレーション

前提

  • 営業日数:25日
  • 1日の平均食数:30食
  • 平均客単価:1,050円
月間売上 = 30食 × 1,050円 × 25日 = 787,500円

原価率29%の場合(管理が良い店):
原価 = 228,375円
粗利 = 559,125円

原価率35%の場合(卵・ライス・ソースがブレている店):
原価 = 275,625円
粗利 = 511,875円

差額 = 47,250円/月 = 年間567,000円

原価率6ポイントの差が、年間56万円の利益差。卵の個数とソースの量を固定するだけで、この差の大半は埋められます。


今週やること

  • 卵の個数を「2個」に固定する(ふわとろは生クリームで対応)
  • ライスをカップか秤で計量し、220gの基準を作る
  • ソース用のレードルサイズを決めて「1杯=1食」にする
  • デミグラスソースの仕込み原価をバッチ単位で計算する
  • トッピング・サイズアップの追加価格を原価から逆算して設定する

関連ガイド


卵・ライス・ソースを登録すれば、オムライス1食の原価が自動で出ます。仕込みソースもレシピとして登録可能。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

オムライス1食あたりの卵は何個が標準?

2個が一般的です。Mサイズで1個約30円。3個にすると原価が30円上がり、1日30食で月22,500円の差。見た目をふわとろにしたいなら、卵を増やすのではなく生クリームを少量加える方法もあります(追加コスト5〜8円で済みます)。

ご飯の量はどれくらいが適正?

炊き上がりで200〜240gが多いです。米価がCPI前年比+70.9%まで上がった今、ライス量のブレは無視できません。220gの基準が250gになるだけで月に15,000円以上のコスト増。スケールで計量するか、茶碗で基準量を決めてください。

ソースは別原価で計算する?

はい。デミグラスソースの仕込み原価は1食あたり60〜90円。トマトソースなら40〜60円です。仕込み品はバッチ単位で原価を出して、1食あたりに配分してください。ソースの「かけ放題」や「好きなだけ」は確実に利益を削ります。

テイクアウトは店内と価格を分けるべき?

分けた方がいいです。テイクアウト容器(耐熱+蓋)だけで20〜35円。ソースが漏れない容器を使うとさらに高くなります。包材分をそのまま吸収すると、月に数万円の利益減です。最低でも+80〜100円は乗せてください。

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