ブログ

おばんざい店の原価ガイド——小鉢4品で原価率40%超え。3品に絞ると利益が安定する

おばんざい店の原価を小鉢構成・盛り量・だしの仕込み原価に分解。小鉢の品数が増えるほど原価が崩れやすい理由と、日替わりメニューでも利益を守る小鉢管理、だしの按分計算まで、個人経営のおばんざい店向けにまとめました。

更新 2026年2月18日
おばんざい原価計算小鉢居酒屋価格設定飲食店 原価
目次

おばんざい店の魅力は「やさしい家庭の味がたくさん並んでいる」こと。

でもこの「たくさん」が、原価管理の最大の敵です。

小鉢が3品なら原価率32%で収まるのに、4品にすると38%、5品になると40%を超える——品数が増えるほど、1食あたりの原価が膨らみます。 しかもおばんざいは「心を込めてたっぷり盛る」が売り。盛りブレまで加わると、利益は静かに消えていきます。

先に結論

  • 小鉢は3品固定が安全。 4品以上になると原価率40%超えのリスク
  • だし・煮汁は「仕込み品」として原価計算する。 各小鉢に按分
  • 盛り量はgで固定。 器を決めて8分目が基準
  • 日替わりでも、小鉢の原価基準は変えない

おばんざい定食1食の原価を分解する

例:おばんざい定食・3品(税抜売価950円)

項目原価
主役:だし巻き卵80g55円
控え:きんぴらごぼう60g18円
低原価:ぬか漬け30g8円
ご飯200g38円
味噌汁180ml22円
香の物15g5円
合計146円

原価率:146 ÷ 950 = 15.4%

… 低すぎると思いましたか? これは「だし巻き卵が主役で残り2品が低原価」という理想的な構成の場合。

品数を増やすと何が起きるか

構成小鉢原価セット原価原価率(950円)
3品(主1+控1+低1)81円146円15.4%
3品(主1+控2)91円156円16.4%
4品(主1+控2+低1)99円164円17.3%
5品(主2+控2+低1)154円219円23.1%

主役級の小鉢(肉じゃが、焼き魚など原価50〜100円)を2品入れると、原価率が一気に跳ね上がります。

対策: 主役は1品だけ。控えと低原価でバランスを取る。「品数の多さ」ではなく「主役の質」で勝負するほうが利益が安定します。

小鉢の盛りブレを防ぐ

おばんざいは「気持ちを込めてたっぷり」盛りたくなる。その気持ちが利益を削っています。

小鉢標準量ブレ量原価差月間差額(80食/日)
だし巻き卵80g120g+28円+56,000円
きんぴら60g90g+9円+18,000円
ひじき煮60g90g+9円+18,000円
肉じゃが100g150g+25円+50,000円

だし巻き卵を1.5倍盛るだけで月5.6万円。 年間67万円です。

対策

  1. 器を統一する。 「この豆皿に8分目」がルール。計量不要で、器が基準になる
  2. 仕込み段階で1食分ずつ分ける。 きんぴらやひじきは60gずつ小皿に盛っておく
  3. 日替わりでも「1食分のgは固定」というルールを守る

だしの原価計算

おばんざいは「だし」が命。でも「だし代なんて安いでしょ」と原価に入れていない店が多い。

かつお昆布だし1バッチ(5L分)

材料原価
昆布30g150円
かつお節50g150円
5L約2円
合計302円

5Lのだしが取れるとして:

だし原価 = 302 ÷ 5,000ml = 0.06円/ml

各料理へのだし使用量

料理だし使用量だし原価
だし巻き卵(3個分)60ml4円
肉じゃが(1食分)200ml12円
味噌汁(1杯)180ml11円
煮浸し(1食分)100ml6円

1日5Lのだしを使う店なら、だし代だけで月7,550円。安くはありませんが、計算に入れていないと利益を過大評価します。

季節食材の原価管理

おばんざいは季節感が大切。旬の食材を使うのは正解ですが、季節で仕入れ値が大きく変わる食材は、価格を据え置くと利益が削れます。

食材安い時期高い時期価格差
なす7〜9月(100円/kg)12〜3月(250円/kg)2.5倍
大根11〜2月(80円/kg)7〜8月(200円/kg)2.5倍
ほうれん草12〜2月(150円/束)7〜8月(300円/束)2倍

対策: 旬の食材を使い、旬でない時期は別の食材に切り替える。「日替わり」の自由度を活かして、高い食材を避けるのがおばんざい店の強みです。

今週やること

  • 小鉢の品数を3品に固定する(主1+控1+低1)
  • 小鉢ごとの基準グラムを決める
  • だしのバッチ原価を計算し、各料理に按分する
  • 器を統一して、盛り量の基準を「8分目」にする
  • 仕入れ値が高い食材を日替わりから外す

関連ガイド

出典


小鉢ごとの原価を登録すれば、日替わりでも定食全体の利益がひと目でわかります。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

おばんざいは何品構成が安全?

小鉢3品が基本です。主役1品(だし巻き卵・肉じゃがなど原価50〜80円)+控え1品(きんぴら・ひじき煮など原価15〜25円)+低原価1品(漬物・浅漬けなど原価5〜10円)。4品以上にすると原価率が40%を超えやすくなります。

日替わりメニューはどう原価管理する?

小鉢ごとに「基準グラム」を決め、原価を記録します。だし巻き卵=80g/55円、きんぴら=60g/18円のように。日替わりでもこの基準を守れば、原価率はブレません。週次で仕入れ価格を更新すると精度が上がります。

だしや煮汁は原価に入れる?

入れてください。かつお昆布だし1L=約50円。煮物に200ml使うなら10円。味噌汁180ml=約15円(味噌込み)。これを各小鉢に按分します。「だし代くらい」と思っていても、1日80食で月に24,000〜40,000円になります。

今すぐ原価を計算してみましょう

材料単価を入力するだけで、レシピ原価・利益率・販売価格を自動計算します。