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モーニング・ブランチの原価計算|卵・トースト・コーヒーの原価率と利益を出す価格設定

喫茶店・カフェのモーニングとブランチメニューの原価計算を徹底解説。卵・ベーコン・パンケーキ・コーヒーの原価率、2026年の鶏卵・コーヒー豆相場、メニュー戦略まで。

更新 2026年2月18日
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目次

要点まとめ

  • モーニングの原価率は20〜30%が目安。コーヒー豆の高騰で従来の「コーヒー代だけでサービス」モデルは利益圧迫の要因に
  • パンケーキとトーストが最高利益メニュー。原価率15〜25%で、ほぼすべての客が注文する主力商品
  • コーヒー・紅茶は利益の柱。原価率6〜20%で、フードの高い原価率をセット全体で吸収する
  • 鶏卵の価格変動に備える。業務用液卵の活用、卵を少なく使うメニューの準備が必要

喫茶店のモーニングサービス——コーヒー1杯の値段でトーストとゆで卵がつく。名古屋発祥のこの文化は全国に広がり、コメダ珈琲は1,095店舗、星乃珈琲店は296店舗を展開しています。

しかし2026年、モーニング・ブランチを取り巻く環境は厳しさを増しています。鶏卵は1パック313円と過去最高水準、コーヒー豆の国際相場はアラビカ種で過去47年の最高値を記録。喫茶店の1杯あたりの平均価格は500円に達し、コロナ前と比べて23%上昇しました。


日本のモーニング・ブランチ市場——なぜ今、原価計算が重要か

市場は回復、しかし原価は高騰

ホットペッパーグルメ外食総研の調査によると、喫茶店・カフェの市場規模は2019年同月比**137.1%**と大きく回復しています。一方で:

項目変化インパクト
鶏卵(Mサイズ10個)217円→313円(+44%)モーニングの基本食材
コーヒー豆(100g)131円→355円(+171%)最大の原価要因
食パン(1斤)約140円→170円(+21%)トーストの原価上昇
最低賃金(全国加重平均)1,004円→1,055円(+5%)人件費の底上げ
光熱費2割〜3割上昇オーブン・コーヒーマシンの稼働コスト

市場は大きくなっているのに、利益が出にくくなっている——これがモーニング・ブランチ業態の2026年のリアルです。

モーニング vs ブランチ:2つのビジネスモデル

項目喫茶店モーニングブランチ専門店
ターゲット地元常連客・シニア層20〜40代・SNS世代
営業時間7:00〜11:009:00〜15:00
客単価500〜800円1,200〜2,500円
食材原価率15〜25%25〜35%
コーヒーの位置づけメイン商品(利益の柱)セットの一部
回転率高い(30〜45分)低い(60〜90分)
写真映え低〜中高い(必須)

2026年 主要食材の仕入れ価格

鶏卵相場の動向

JA全農たまごの相場データによると、2024年〜2026年の鶏卵相場は大きく変動しています:

時期東京Mサイズ(1kg)10個パック小売要因
2024年2月190円約220円一時的な安定期
2024年12月300円約280円鳥インフル影響で再高騰
2025年2月312円約300円2ヶ月連続300円超え
2025年12月310円前後313円過去最高水準
2026年予測250〜320円280〜320円季節変動あり(夏に下落傾向)

エッグサイクル(季節パターン)

  • 1〜3月:上昇(需要期)
  • 4〜6月:下落
  • 7〜8月:最安値
  • 9月:最高値
  • 12月:年末需要で上昇

ただし、近年は鳥インフルエンザや猛暑の影響で従来のサイクル通りに動かないケースが増えています。

コーヒー豆の高騰

指標数値備考
アラビカ種 国際相場431セント/ポンド(2025年2月)過去47年の最高値
2024年1月比約2.2倍ブラジル干ばつ+世界需要増
コンビニコーヒー値上げセブン140円、ローソン160円2025年夏以降
喫茶店ホットコーヒー平均500円コロナ前比123%上昇
2026年見通し高止まり〜緩やかに低下UCCは「下げ要因なし」との見方

その他の主要食材

食材業務用仕入れ価格単位傾向
食パン(業務用6枚切)130〜160円1斤小麦高で上昇
バター1,200〜1,500円450g乳製品は安定〜微増
ベーコン(業務用)800〜1,200円1kg安定
ウインナー600〜900円1kg安定
サラダ野菜300〜600円1kg季節で大きく変動
メープルシロップ1,200〜1,800円250ml輸入品・円安影響
牛乳200〜250円1L安定〜微増
薄力粉200〜300円1kg小麦高の影響
アボカド150〜250円1個季節・産地で変動

メニュー別 原価計算

1. 喫茶店モーニング(コーヒー+トーストセット)

名古屋式モーニングの基本。コーヒー代だけでトーストとゆで卵がつく。

食材使用量単価原価
コーヒー豆12g800円/100g96円
食パン(6枚切×1枚)1枚150円/6枚25円
バター8g1,350円/450g24円
ジャム10g400円/300g13円
ゆで卵1個313円/10個31円
紙ナプキン等5円
合計194円

販売価格:500円(コーヒー代のみ)→ 原価率:38.8%

コーヒー豆の高騰により、モーニングセットの原価率は以前の25〜30%から大幅に上昇。コーヒー単体でも96円の原価がかかるため、トーストとゆで卵を「無料サービス」とするモデルは利益率が厳しくなっています。

対策

  • コーヒーの販売価格を550〜600円に引き上げ(原価率32〜35%に改善)
  • ゆで卵→半熟卵にして付加価値を上げる
  • トーストのバターをマーガリンに置き換え(原価8円→5円に削減)

2. トーストモーニングセット(カフェ版)

食材使用量単価原価
食パン(4枚切・厚切り)1枚150円/4枚38円
バター10g1,350円/450g30円
ゆで卵1個313円/10個31円
ミニサラダ30g400円/kg12円
ドレッシング10ml300円/300ml10円
食事合計121円
コーヒー12g800円/100g96円
総合計217円

販売価格:700円(セット価格)→ 原価率:31.0%

セット価格を設定することで、コーヒー単品よりも客単価を上げつつ原価率を適正範囲に収められます。

3. エッグベネディクト

ブランチメニューの定番。見た目の高級感で高単価を実現。

食材使用量単価原価
卵(ポーチドエッグ×2)2個313円/10個63円
イングリッシュマフィン1個100円/個100円
ベーコンまたはハム40g1,000円/kg40円
オランデーズソース30ml(バター・卵黄・レモン)45円
サラダ添え30g400円/kg12円
合計260円

販売価格:1,400円 → 原価率:18.6%

エッグベネディクトは原価率が低く、写真映えも良いブランチの優等生メニュー。オランデーズソースを自家製にすることで、さらに原価を抑えつつ品質を高められます。

4. パンケーキ(3枚・バター&メープル)

食材使用量単価原価
薄力粉80g250円/kg20円
1個313円/10個31円
牛乳80ml220円/L18円
バター(生地+トッピング)25g1,350円/450g75円
砂糖10g200円/kg2円
ベーキングパウダー2g1円
メープルシロップ30ml1,500円/250ml180円
合計327円

販売価格:1,200円 → 原価率:27.3%

パンケーキの原価で最も大きいのはメープルシロップ(180円=原価の55%)。メープル風シロップ(ケーキシロップ)に切り替えると原価が30円程度に下がり、総原価177円・原価率14.8%と大幅に改善します。ただし、品質を売りにするブランチ店では本物のメープルシロップが差別化要因になります。

5. アボカドトースト(ポーチドエッグ添え)

食材使用量単価原価
食パンまたはカンパーニュ2枚厚切りパン80円80円
アボカド1/2個200円/個100円
卵(ポーチドエッグ)1個313円/10個31円
レモン汁少々3円
オリーブオイル5ml800円/500ml8円
塩・胡椒・チリフレーク3円
マイクログリーン少々20円
合計245円

販売価格:1,300円 → 原価率:18.8%

アボカドトーストはSNS映えと高利益率を両立するメニュー。ただし、アボカドは産地・季節で150〜250円と変動が大きいため、仕入れ価格の定期チェックが必要です。

6. フレンチトースト(ブリオッシュ・ベリー添え)

食材使用量単価原価
ブリオッシュ(厚切り2枚)2枚400円/1本(6枚切)133円
1個313円/10個31円
牛乳60ml220円/L13円
生クリーム(アパレイユ+ホイップ)50ml400円/200ml100円
バター(焼き用)10g1,350円/450g30円
ミックスベリー(冷凍)30g600円/200g90円
メープルシロップ15ml1,500円/250ml90円
粉糖2円
合計489円

販売価格:1,600円 → 原価率:30.6%

フレンチトーストは原価が高めだが、体験価値が高く写真映えするため、ブランチ専門店の看板メニューになりやすい。前日仕込み(一晩漬け込み)で仕込み効率を上げ、ブリオッシュを前日焼き分で調達するなどの工夫で原価を抑えられます。


ドリンクの利益率——モーニング・ブランチの収益の柱

ドリンクは最も利益率が高いカテゴリーです。コーヒー豆の高騰でも、飲食業界で最高水準の利益率を維持しています。

ドリンク原価販売価格原価率利益率
ブレンドコーヒー96円500円19.2%80.8%
カフェラテ130円600円21.7%78.3%
紅茶30円500円6.0%94.0%
オレンジジュース(果汁100%)80円450円17.8%82.2%
スムージー150円700円21.4%78.6%
ミモザ(スパークリング+OJ)200円900円22.2%77.8%

戦略:すべてのテーブルにドリンクを注文してもらうことが利益の鍵。フードの原価率が30%でも、ドリンクの利益率80%がセット全体の原価率を20%台に引き下げます。

具体例

  • パンケーキ(1,200円・原価327円)+コーヒー(500円・原価96円)
  • セット合計:1,700円・原価423円 → セット原価率24.9%

コスト構造の比較:モーニング vs ランチ vs ディナー

指標モーニング・カフェブランチ専門店ランチ営業ディナーレストラン
客単価500〜800円1,200〜2,500円1,000〜1,500円3,000〜8,000円
食材原価率20〜30%25〜35%30〜35%30〜40%
人件費率20〜25%25〜30%28〜33%30〜35%
席回転時間30〜45分50〜75分45〜60分60〜90分
ピーク時回転数3〜4回転2〜3回転2〜3回転1.5〜2回転
営業時間7:00〜11:009:00〜15:0011:00〜14:0017:00〜22:00

モーニングの強み:低い原価率 × 高い回転率 = 席あたり収益で勝負できる。500円の客単価でも4回転すれば席あたり2,000円——ディナーの5,000円×1.5回転=7,500円には及ばないが、食材原価と人件費が低いため営業利益率は同等以上になりえます。


鶏卵価格の高騰への対策

卵はモーニング・ブランチの基本食材。価格変動が直接利益に影響します。

卵の使用量別コストインパクト

メニュー卵使用量卵代(313円/10個)卵代(220円/10個)※安定期差額
ゆで卵1個31円22円+9円
目玉焼き1個31円22円+9円
エッグベネディクト2個+ソース70円49円+21円
オムレツ3個94円66円+28円
フレンチトースト(4枚分)2個63円44円+19円

対策リスト

1. 仕入れ戦略

  • 業務用液卵(パック入り)は殻付き卵より15〜25%安い
  • 冷凍卵製品は価格安定性が高い(半年の保存が可能)
  • 直接農家と契約することで四半期ごとの価格固定も可能

2. メニュー設計

  • 卵の使用が少ないメニューを強化(トースト系、パンケーキ、グラノーラ)
  • フリッタータやシャクシュカなど、少ない卵で「見栄え」を出せる料理
  • 卵が高騰した時期のスペシャルメニュー枠を事前に準備

3. 価格調整ルール

鶏卵相場(10個パック)対応
250円以下通常価格で運営
250〜300円ドリンクセットの推奨を強化して利益補填
300〜350円セット価格を50円引き上げ
350円以上卵を使うメニューに「時価」表記または100円追加

コーヒー豆高騰への対策

2026年の最大コスト圧力はコーヒー豆です。

コーヒー1杯あたりの原価推移

時期豆100gあたり1杯12g使用販売500円での原価率
2019年(コロナ前)131円16円3.1%
2023年250円30円6.0%
2025年355円43円8.5%
2026年(業務用平均)400〜500円48〜60円9.6〜12.0%
2026年(スペシャルティ)800〜1,200円96〜144円19.2〜28.8%

スペシャルティコーヒーを使うブランチ専門店では、コーヒー1杯の原価が100円を超えるケースも。

対策

  • ブレンド比率の見直し:スペシャルティ豆の割合を下げ、コスパの良い豆とブレンド
  • 抽出量の最適化:1杯あたりの使用量を12g→10gに減らしても、抽出技術でクオリティを維持
  • 販売価格の見直し:コーヒー1杯を550〜600円に設定する店舗が増加中
  • セット販売を推進:ドリンク単品よりもフードセットで客単価を上げる
  • コーヒーサブスクリプション:月額制で来店頻度を上げ、フード追加注文を促す

メニューエンジニアリング:利益率×人気のマトリクス

スター(高利益・高人気)

  • トーストモーニングセット:原価率20〜25%、常連客のド定番
  • パンケーキ:原価率15〜25%(シロップ次第)、写真映え◎
  • コーヒー・紅茶:原価率6〜20%、すべてのテーブルで注文あり
  • エッグベネディクト:原価率15〜20%、ブランチの主力商品

金のなる木(低利益・高人気)

  • オムレツ(プレミアム具材入り):卵3個+チーズ・キノコ → 原価率30〜35%
  • フレンチトースト(ブリオッシュ):原価率28〜32%、ただし高単価で補える
  • フルーツ盛り合わせ:原価率35〜45%、季節で大きく変動

隠れた優等生(高利益・低人気)

  • グラノーラボウル:原価率15〜20%、ヘルシー志向の客に訴求
  • クレープ:原価率12〜18%、認知度を上げれば化ける可能性
  • スープセット:原価率10〜15%、冬場のサイドメニューとして有効

見直し候補(低利益・低人気)

  • フルーツプレート単品:原価率35%以上、サイドかトッピングに変更
  • アサイーボウル:原価率30〜40%、ブランチ店では中途半端な立ち位置
  • ステーキエッグ:原価率35〜40%、ブランチとの親和性が低い

アクションプラン:メニュー上でスターを目立つ位置に配置。金のなる木は価格見直しか食材変更。隠れた優等生はメニューの説明文と写真で魅力を伝える。見直し候補は廃止またはリニューアル。


モーニング・ブランチの原価管理にアプリを活用する

モーニング・ブランチ業態では、卵とコーヒー豆の週単位での価格変動がメニュー全体の利益率に直結します。

KitchenCost を使えば:

  • 卵やコーヒー豆の仕入れ価格を更新するだけで、すべてのメニューの原価が自動再計算
  • オランデーズソースやパンケーキ生地を**反製品(サブレシピ)**として登録——卵の価格が変わると、ソースを使うエッグベネディクトも自動で原価更新
  • メニューごとの原価率を一覧で比較して、スターと見直し候補を即座に判別
  • ロス率(卵の割れ、野菜のトリミング)を設定して実際のコストを正確に把握

スプレッドシートでは卵の価格を変えるたびに全メニューを手作業で更新する必要がありますが、アプリなら1つの食材を更新するだけで完了します。


まとめ

  1. モーニングの原価率は20〜30%が目安。コーヒー豆の高騰で従来の「コーヒー代だけでサービス」モデルは利益圧迫の要因に
  2. パンケーキとトーストが最高利益メニュー。原価率15〜25%で、ほぼすべての客が注文する主力商品
  3. コーヒー・紅茶は利益の柱。原価率6〜20%で、フードの高い原価率をセット全体で吸収する
  4. ブランチ専門は高単価で勝負。エッグベネディクト、アボカドトーストなどは原価率18%台で、1,300〜1,600円の価格帯が成立する
  5. 鶏卵の価格変動に備える。業務用液卵の活用、卵を少なく使うメニューの準備、段階的な価格調整ルールを事前に設定
  6. コーヒー豆の原価は3年で3倍。販売価格の見直し、ブレンド比率の調整、セット販売の推進が不可欠

毎週変わる卵とコーヒーの仕入れ値を、すべてのメニューに反映し続ける。その地道な原価管理が、モーニング・ブランチ業態の利益を守ります。


今すぐやること

  • 卵とコーヒー豆の現在の仕入れ価格を確認し、前月と比較する
  • モーニングセットの原価率を再計算する(コーヒー+トースト+卵)
  • ドリンクセット販売の推奨を強化して客単価を上げる
  • 卵を少なく使うメニュー(グラノーラ、トースト系)を検討する

関連ガイド


毎朝のモーニングメニュー、原価を正確に把握できていますか? KitchenCost で卵とコーヒーの価格を更新するだけで、全メニューの原価率が自動で再計算されます。無料で始められます。


出典

よくある質問

モーニングの原価率はどのくらいが目安ですか?

トースト+卵+コーヒーの基本セットなら原価率15〜25%に収まります。コーヒーの原価率が10〜15%と低いため、セットに含めると全体の原価率が下がります。ただし2026年はコーヒー豆と鶏卵の価格が上昇しているので、定期的な見直しが必要です。

モーニングは利益が出にくいですか?

単価が低い(400〜600円)ので1食あたりの利益は少ないですが、回転率が高く、ランチやディナーより人件費を抑えられます。モーニングで集客してランチリピーターを増やす導線として考えると効果的です。

ブランチメニューの価格はどう設定すべきですか?

モーニングより高く、ランチと同等か少し低い価格帯(800〜1,200円)が自然です。パンケーキやエッグベネディクトなど付加価値のあるメニューは原価率が上がりますが、客単価も上がるので粗利額で判断してください。

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