抹茶は「高級感のあるスイーツが作れる」魅力的な食材です。
でも原価管理の観点では、抹茶粉は1gあたり5〜30円もする超高級食材。小麦粉が1gあたり0.3円であることを考えると、50〜100倍の単価です。
「濃い抹茶が人気だから」と抹茶粉を多めに使うと、1杯の原価が50〜100円跳ね上がる。「抹茶の濃さ」は味の魅力であると同時に、原価管理の最大のリスクでもあります。
先に結論
- 抹茶粉は1gあたり5〜30円の高級食材。 2g多いだけで月に20,000〜60,000円
- グレード(製菓用 vs 高級宇治)で価格帯を分ける。 ベーシックとプレミアム
- トッピング(生クリーム・あんこ)の盛りを固定する。 ディッシャーで統一
- テイクアウト容器は1個30〜50円。 必ず原価に含める
抹茶ティラミス1杯の原価を分解する
例:抹茶ティラミス(税抜売価680円)
| 項目 | 量 | 原価 |
|---|---|---|
| 抹茶粉(製菓用) | 3g | 15円 |
| マスカルポーネチーズ | 50g | 80円 |
| 生クリーム | 30g | 24円 |
| ビスケット(スポンジ) | 20g | 10円 |
| 砂糖 | 15g | 3円 |
| 卵黄 | 1個 | 15円 |
| 仕上げの抹茶粉 | 0.5g | 3円 |
| 容器(イートイン) | 1個 | 15円 |
| 合計 | 165円 |
原価率:165 ÷ 680 = 24.3%
一見よい数字ですが、抹茶粉を「高級宇治抹茶」に変えると——
抹茶粉のグレードで原価がどう変わるか
| グレード | 1gあたり | 3.5g使用時 | 製菓用との差 | 月間差額(50杯/日) |
|---|---|---|---|---|
| 製菓用 | 5円 | 18円 | — | — |
| 中級抹茶 | 10円 | 35円 | +17円 | +21,250円 |
| 高級宇治 | 20円 | 70円 | +52円 | +65,000円 |
| 最高級(薄茶用) | 30円 | 105円 | +87円 | +108,750円 |
高級宇治抹茶に変えるだけで月6.5万円。 売値を変えずにグレードだけ上げると、利益が消えます。
抹茶粉の計量管理
抹茶粉は軽いので、目分量だと大幅にブレます。
| 計量方法 | ブレ幅 | 月間コスト差(50杯/日) |
|---|---|---|
| 目分量 | ±2g | ±25,000円 |
| 大さじ(山盛り) | ±1g | ±12,500円 |
| 精密スケール(0.1g) | ±0.2g | ±2,500円 |
精密スケールを使うだけで月に2万円以上の差が出ます。 抹茶粉は軽くてふわふわしているので、大さじでは不正確。0.1g単位のスケールが必須です。
トッピングの盛り管理
抹茶スイーツはトッピングも原価に効きます。
| トッピング | 標準量 | 原価 | ブレ量 | ブレ時の原価差 |
|---|---|---|---|---|
| 生クリーム | 30g | 24円 | 50g | +16円 |
| あんこ(こしあん) | 20g | 14円 | 35g | +11円 |
| 白玉 | 2個(20g) | 8円 | 3個(30g) | +4円 |
| きなこ | 3g | 2円 | 6g | +2円 |
生クリームとあんこの盛りがブレると、1杯で27円の差。 月に33,750円。
対策
- 生クリームはディッシャーで統一。 #30ディッシャー1杯=約30g
- あんこは計量スプーンで固定。 大さじ1.5杯≒20g
- 白玉は個数で管理。 「2個」と決めれば計量不要
グレード別の価格設計
| ライン | 抹茶粉 | メニュー例 | 原価 | 売価 | 原価率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ベーシック | 製菓用 3g | 抹茶ラテ | 85円 | 480円 | 17.7% |
| プレミアム | 高級宇治 3g | 濃茶ラテ | 130円 | 680円 | 19.1% |
| ベーシック | 製菓用 5g | 抹茶ティラミス | 165円 | 680円 | 24.3% |
| プレミアム | 高級宇治 5g | 濃茶ティラミス | 265円 | 980円 | 27.0% |
プレミアムラインは原価が上がるが、売値の上乗せ幅が大きい。 粗利額は プレミアム > ベーシック になります。
「高級抹茶を使っています」と明示すれば、お客さんは+200〜300円を納得します。
テイクアウト容器の原価
抹茶スイーツのテイクアウトは容器代が意外と高い。
| 容器 | 1個あたり |
|---|---|
| プラスチックカップ(蓋付き) | 25〜35円 |
| 紙カップ(抹茶ラテ用) | 20〜30円 |
| ティラミス用ガラス風容器 | 40〜60円 |
| 手提げ袋 | 5円 |
ティラミスのテイクアウト容器は1個40〜60円。 イートインの器(洗って再利用15円)と比べると3〜4倍。テイクアウト価格を+50〜100円にするか、容器を安いものに変える必要があります。
今週やること
- 抹茶粉の計量を精密スケール(0.1g単位)に変える
- 生クリームとあんこの盛りをディッシャー/計量スプーンで固定する
- 製菓用とプレミアム(高級宇治)の2グレードでメニューを分ける
- テイクアウト容器の原価を計上する
- テイクアウト価格をイートインと分ける(+50〜100円)
関連ガイド
出典
抹茶粉のグレードとトッピングの原価を登録すれば、メニューごとの利益がすぐ見えます。仕入れ値が変わったら全商品自動更新。KitchenCost を使ってみてください。