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麻婆豆腐専門店の原価ガイド——豆腐60円、挽き肉120円。利益を決めるのは肉と油

麻婆豆腐1皿の原価を豆腐・挽き肉・油・調味料に分解して計算。豆腐は安くても挽き肉と油で原価が跳ね上がる理由、辛味トッピングの有料化、定食セットの価格設計まで、個人経営の専門店向けにまとめました。

更新 2026年2月18日
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目次

麻婆豆腐は「豆腐が安いから儲かるメニュー」——そう思っていませんか?

たしかに豆腐300gの原価は60円程度。安い。でも1皿の原価を分解してみると、挽き肉が120円、油が25円、調味料が35円。豆腐は全体の25%にすぎません。

利益を決めているのは豆腐ではなく、挽き肉の量と油の量です。

ここが固定できていないと、「売上は悪くないのに、なぜか残らない」状態が続きます。

先に結論

  • 麻婆豆腐の原価の中心は挽き肉。 60gで120円、70gで140円。10gの差で月4万円
  • 油はお玉ではなく計量で固定する。 中華料理は油の使用量が多く、ブレが大きい
  • 辛味・しびれの追加は有料にする。 花椒やラー油の無料追加は見えないコスト
  • 定食のセット原価率は35%以内に設計する

麻婆豆腐1皿の原価を分解する

例:麻婆豆腐・単品(税抜売価880円)

項目原価
絹豆腐300g60円
豚挽き肉60g120円
サラダ油+ごま油25ml12円
豆板醤10g12円
甜面醤8g8円
鶏ガラスープ100ml10円
花椒・唐辛子3g5円
長ねぎ10g4円
片栗粉5g2円
にんにく・生姜5g5円
合計238円

原価率:238 ÷ 880 = 27.0%

一見、良い数字です。でもこの計算は「挽き肉を毎回きっちり60gで計量している」前提です。

挽き肉の量が利益を左右する

豚挽き肉の仕入れ価格を2,000円/kgとすると:

挽き肉量1皿原価60gとの差月間差額(80皿/日)
50g100円▲20円▲40,000円
60g120円
70g140円+20円+40,000円
80g160円+40円+80,000円

10g多いだけで月に4万円。 忙しい時間帯に「ちょっと多め」に入れる癖があると、70〜80gは簡単に超えます。

対策

  1. 仕込み段階で60gずつ計量してラップに包む。 調理時に「袋から出すだけ」にすれば量がブレない
  2. 挽き肉は凍結状態で小分けする。 解凍後の計量は水分で重量が変わるため、凍結時に計量するほうが正確
  3. 合い挽き肉にしない。 牛豚合い挽きは豚100%より原価が30〜50%高い。味の違いが少ない場合は豚100%で十分

油のコントロール

中華料理は油の使用量が多い。麻婆豆腐は炒め油+仕上げのごま油で、1皿25〜40mlになることもあります。

油量1皿原価25mlとの差月間差額(80皿/日)
20ml9円▲3円▲6,000円
25ml12円
35ml16円+4円+8,000円
50ml23円+11円+22,000円

仕上げにラー油をかける場合、お客様の「多めで」に応じていると50mlを超えることもあります。

対策: 炒め油は計量スプーンで固定。仕上げのラー油・ごま油は小さじ(5ml)単位で。「ラー油多め」は有料トッピング(+50円)にする。

豆腐の選び方と歩留まり

豆腐仕入れ価格(400g)歩留まり実質単価(300g使用時)
絹豆腐80円95%63円
木綿豆腐90円85%(水切り後)79円
充填豆腐70円98%54円

木綿豆腐は「食感が良い」ですが、水切りで重量が15%減ります。300g使うなら350g以上仕入れる必要がある。

充填豆腐はコスパが良いですが、崩れやすい。麻婆豆腐なら崩れてもOKという判断なら最もコスト効率が高いです。

定食セットの価格設計

麻婆豆腐専門店は定食セットが主力になります。

定食の原価(例)

項目原価
麻婆豆腐238円
ご飯(200g)38円
味噌汁25円
小鉢(ザーサイ)15円
漬物10円
合計326円

税抜売価950円なら原価率34.3%。1,000円なら32.6%。

定食の原価率は35%以内を目安に。 ご飯のおかわり無料をやっている場合は、おかわり率を考慮する必要があります。おかわり率30%なら、ご飯の実質原価は38円→49円に上がります。

辛さのレベル別トッピング

辛味・しびれの追加を無料にしている店は多いですが、花椒やラー油のコストは積み重なります。

トッピング追加原価推奨売価
激辛(唐辛子・ラー油増量)15円+100円
しびれ増し(花椒追加)10円+80円
追加挽き肉 30g60円+150円
温泉卵25円+100円

辛さレベルを「普通→辛口→激辛→鬼辛」のように段階化して、辛口以上を有料にすると、辛いもの好きのお客さんは喜んで注文します。利益も守れます。

今週やること

  • 挽き肉を60gずつ計量して、小分けにする仕組みを作る
  • 油の量を計量スプーンで固定する(炒め油15ml+仕上げ油10ml)
  • 豆腐の歩留まり(水切り前後の重量差)を実測する
  • 定食の原価率を再計算する(ご飯おかわり率込み)
  • 辛味トッピングを有料化する(+80〜100円)

関連ガイド

出典


具材ごとの原価を登録すれば、辛さレベル別の原価率もすぐわかります。仕入れ値が変わったら全メニューが自動更新。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

麻婆豆腐で原価が一番動くのは?

挽き肉と油です。挽き肉は60gで約120円。10g増やすだけで+20円、月に40,000円の差になります。油も中華鍋にドバッと入れる癖があると、月に1万円以上変わります。

豆腐は木綿と絹で原価が変わる?

仕入れ価格は木綿のほうがやや高いですが、大きな差は水切りの歩留まりです。絹豆腐はそのまま使えて歩留まり95%以上。木綿は水切りで重量が85〜90%に減るため、実質単価が10〜15%高くなります。

定食の価格はどう決める?

麻婆豆腐単品の原価(約240円)にご飯70円+味噌汁25円+小鉢30円=合計365円。税抜売価1,000円なら原価率36.5%。35%以内に収めたいなら、売価1,050円以上が安全です。

辛さ調整は無料でいい?

花椒やラー油の追加が無料だと、1皿10〜20円の原価が見えないまま増えます。「激辛」「しびれ増し」は+50〜100円のトッピングにするほうが利益管理がしやすいです。

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