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キッチンカー原価ガイド:出店料を入れ忘れると利益が消える

キッチンカーの原価を食材・包装・出店料・ロスに分解して計算。出店場所ごとの費用と、売り切り設計で利益を守る方法を解説します。

更新 2026年2月18日
キッチンカー原価移動販売価格設定イベント出店フードトラック
目次

キッチンカーは固定費が少ない。家賃もないし、内装工事もいらない。

「固定店舗より簡単に利益が出そう」と思って始める人は多いです。でも実際に営業してみると、思ったほど手元に残らない。

理由は出店料です。オフィス街なら1日3,000〜5,000円、週末のイベントなら2〜10万円。これを原価に入れずに「食材費30%で利益率70%」と計算していると、月末に数字が合いません。

キッチンカーの原価計算は「食材+包装+出店料+ロス」の4つで考える必要があります。


先に結論

  • キッチンカーの原価は 食材 + 包装 + 出店料 + 燃料 + ロス の5要素
  • 食材原価だけ見ると30%以下でも、出店料を入れると実質40〜50%になることが多い
  • 出店料は「1日の料金 ÷ 想定客数」で1食あたりに配賦する
  • 売り切り設計(仕込み量のコントロール)が利益の鍵

カレーライス1食の原価を分解してみる

例:キーマカレー(売価800円・税込)

項目内容原価
ごはん200g40円
キーマカレー合挽き肉80g + 玉ねぎ・トマト120円
トッピング温泉卵15円
容器使い捨てBOX + フタ30円
スプーン・おしぼり1セット8円
紙袋1枚5円
食材+包装 小計218円

食材+包装の原価率:218 ÷ 800 = 27.3%

ここまでは「利益率が高い」ように見えます。でもここに出店料と燃料を足します。


出店料を1食に配賦する

例:オフィス街出店(出店料5,000円・1日50食想定)

出店料の1食あたり = 5,000円 ÷ 50食 = 100円
項目1食あたり
食材+包装218円
出店料100円
ガソリン+発電機40円
合計358円

実質原価率:358 ÷ 800 = 44.8%

食材だけなら27%だったのが、出店料を入れると45%近くになります。この差を把握していないと「売れているのに利益が出ない」状態に陥ります。

さらに怖いのは、想定の50食に届かない日です。30食しか売れなかった場合:

出店料の1食あたり = 5,000円 ÷ 30食 = 167円
実質原価 = 218 + 167 + 40 = 425円
原価率 = 425 ÷ 800 = 53.1%

だから出店料の計算は「目標客数」ではなく「最低ラインの客数」で見積もるのが安全です。


出店場所ごとのコスト比較

出店場所出店料/日想定客数1食あたり出店料特徴
オフィス街3,000〜5,000円40〜60食70〜125円平日安定、ランチ特化
大学・学校5,000円50〜80食63〜100円学期中は安定、長期休みは×
商業施設3,000〜5,000円30〜50食60〜170円週末強い、平日弱い
小規模イベント2〜10万円80〜200食250〜1,250円当たればデカい、リスクも大
大規模イベント10万円〜200〜500食200〜500円仕込み量と人手が課題

歩合制(売上の15〜20%)の出店場所もあります。売れなかった日のリスクが小さい反面、売れた日の取り分が減ります。安定を取るなら歩合制、勝負するなら固定制。


原価が崩れる4つの原因

1. 出店料を原価に入れていない

「食材費30%だから大丈夫」と思っていたら、月末に出店料を合計してみると15〜20万円。これを入れると利益率が半分以下になっていた——というケースは多いです。

対策:出店ごとに「食材費+出店料+燃料」の合計を記録する。 1ヶ月後に場所ごとの利益率を比較できるようにしておくと、「行くべき場所」と「行かない方がいい場所」が見えてきます。

2. 仕込みすぎて廃棄が出る

「足りないと機会損失」と思って多めに仕込むと、売れ残りが出ます。キーマカレー1食分の廃棄は218円の損失。10食残れば2,180円。週3日営業で月に26,000円。

対策:前回の出店実績をベースに仕込み量を決める。 初めての場所なら、想定の7割で仕込む。足りなくなったら「完売御礼」にするほうが、ブランドイメージにもプラスです。

3. 包装資材を計算に入れていない

キッチンカーはすべてテイクアウトなので、容器代が毎食かかります。

包装資材1食あたり
使い捨てBOX(フタ付き)25〜40円
スプーン or フォーク3〜5円
おしぼり3〜5円
紙袋5〜10円
紙ナプキン2円
合計38〜62円

1食あたり40〜60円。月に1,000食売るなら、包装資材だけで40,000〜60,000円です。

対策:容器はまとめ買いで単価を下げる。 ECサイトでケース購入すると1個あたり5〜10円安くなることがあります。

4. メニュー数が多すぎる

メニューが5品あると、それぞれ仕込みが必要です。1品あたり20食仕込んで合計100食。でも全品均等には売れないので、人気メニューは売り切れ、不人気メニューは余る。

対策:メニューは3品以下が基本。 メインの看板メニュー1品 + バリエーション1〜2品が理想です。仕込みがシンプルになり、ロスも減ります。


利益が出やすいメニューの比較

メニュー食材原価包装込み売価原価率(包装込み)
たこ焼き(8個)60円85円500円17%
クレープ50円60円600円10%
カレーライス160円205円800円26%
ケバブラップ180円210円700円30%
タコライス140円185円800円23%
ピザ(1枚)120円150円700円21%

粉もの系(たこ焼き・クレープ・ピザ)が圧倒的に原価率が低い。 食材が小麦粉・卵・砂糖など安い材料中心だからです。

ただし粉もの系は客単価が低め(500〜600円)。1日の売上を稼ぐには客数が必要です。客数が見込めるイベント出店なら粉もの、オフィス街のランチならカレーやタコライス——と場所に合わせて使い分けると効率的です。


出店場所の選び方

利益を最大化するには「出店料に対していくら売れるか」の比率で考えます。

出店料回収率の計算

出店料回収率 = 粗利(売上 − 食材 − 包装 − 燃料)÷ 出店料

たとえばオフィス街で50食(800円 × 50 = 40,000円)売って、食材+包装+燃料が15,000円、出店料5,000円なら:

粗利 = 40,000 − 15,000 = 25,000円
出店料回収率 = 25,000 ÷ 5,000 = 5.0倍

回収率3倍以上なら合格。 2倍以下の場所は、客数を増やす施策がないなら見直したほうがいいです。

出店ごとにこの数字を記録しておくと、3ヶ月後には「稼げる場所リスト」ができます。


天候リスクへの対応

キッチンカーは天候に売上が大きく左右されます。雨の日は客数が30〜50%減ることも珍しくありません。

仕込み量の天候ルール(例):

天気予報仕込み量
晴れ通常の100%
曇り通常の80%
降水確率50%以上通常の60%
雨確定出店見送り or 50%

前日の天気予報を見てから仕込み量を決める。この「前日判断」のルールを作っておくだけで、廃棄ロスが大幅に減ります。


今週やること

  • 直近3回の出店で「食材+包装+出店料+燃料」の合計原価を計算する
  • 出店場所ごとの出店料回収率を比較する(3倍以上かどうか)
  • 包装資材の1食あたりコストを把握する
  • メニュー数を3品以下に絞れるか検討する
  • 天候別の仕込み量ルールを決める

関連ガイド


食材と包装を登録すれば、1食あたりの原価が自動で出ます。出店場所ごとの利益計算にも使えます。KitchenCost は無料で使えます。

よくある質問

キッチンカーの原価率は何%が目安?

食材だけなら30%以下が目標です。ただし固定店舗と違い、出店料(1日3,000〜5,000円、イベントなら2〜10万円)やガソリン・発電機の燃料代も加わります。食材+出店料+包装で計算すると、実質的な原価率は40〜50%になることが多いです。

出店料はどう原価に入れる?

1日の出店料を想定客数で割って、1食あたりに配賦します。例えば出店料5,000円で50食売るなら、1食あたり100円。ただし想定より売れない日もあるので、安全側の客数(目標の7〜8割)で計算するのが現実的です。

キッチンカーで利益が出やすいメニューは?

粉もの系(たこ焼き・クレープ・ピザ)が原価率20〜25%で最も利益が出やすいです。カレーライスも原価率20〜30%。逆に肉系メニュー(ケバブ・ステーキ丼)は原価が高く30〜40%になりやすいので、売価を800円以上に設定するか、サイドメニューで補う必要があります。

売れ残りをどう減らす?

仕込み量は前回の実績ベースで決めます。初めての出店場所なら、想定の7割で仕込むのが安全。営業後半はメニューを2品に絞り、ラスト1時間は人気メニューだけにすると廃棄が減ります。天気予報と出店場所の人通りデータを記録しておくと、回を重ねるごとに精度が上がります。

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