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キンパ専門店の原価ガイド:具材が多いほど利益が減るワケ

キンパの原価を米・海苔・具材・ごま油・包材に分解して計算。巻き工程の人件費、具材数の最適化、プレミアムキンパの価格設計を実例で解説します。

更新 2026年2月18日
キンパ韓国料理原価計算テイクアウト飲食店経営価格設定
目次

キンパは「安くて映える」テイクアウトの定番。新大久保やフードコートで見かけない日はありません。

でも実際に作ると気づきます。具材が多いほど利益が減るということに。

ほうれん草、にんじん、たくあん、卵焼き、牛肉、カニカマ——1本に6種類入れると、仕込みだけで1時間。材料費も300円を超えます。680円で売って原価300円。原価率44%。これに巻き時間の人件費を足したら、利益はほとんど残りません。

キンパ1本の原価を分解して、利益が出る構造を作る方法を見ていきましょう。


先に結論

  • キンパの原価は米 + 海苔 + 具材 + ごま油 + 包材の5つで構成される
  • 具材が7種を超えると、材料費と仕込み時間の両方が跳ね上がる
  • 巻き工程は「隠れ原価」——1本あたり20〜40円の人件費がかかっている
  • プレミアム具材(プルコギ、チーズ)は別価格で管理する
  • テイクアウト中心の店は、包材費を原価に含めないと利益を見誤る

キンパ1本の原価を分解する

例:基本キンパ(税抜680円で販売)

項目原価
ごはん(酢飯ではなくごま油飯)200g40円
韓国海苔(全形)1枚25円
ほうれん草(ナムル)30g15円
にんじん(ナムル)20g8円
たくあん20g10円
卵焼き1/4本分25円
牛肉(味付き)30g75円
ごま油・塩適量8円
ラップ・パック1セット35円
合計241円

原価率:241 ÷ 680 = 35.4%

※ 数字は例です。あなたの仕入れ価格に置き換えてください。

一見、原価率35%で問題なさそうに見えます。でもこの計算には巻き工程の人件費が入っていません。


見落としがちな「巻きコスト」

キンパは寿司と同じで、巻くという手作業が必要です。ここに時間がかかる。

巻き時間の人件費を計算する

経験のあるスタッフで1本1.5分。新人なら2分以上。

時給 1,200円 ÷ 60分 = 1分あたり20円
1本1.5分 × 20円 = 30円/本

さっきの原価241円に巻きコスト30円を足すと271円。原価率は39.8%。

1日50本売る店なら、巻き作業だけで月に37,500円の人件費です。

巻き効率を上げる3つの方法

  1. 仕込み済みの具材をバットに並べておく。 巻く直前に「何がどこにあるか探す」時間がゼロになります。
  2. ピーク時間帯の前に巻き置きする。 キンパは巻いてから2〜3時間は品質を保てます。ピーク前に20本ストックを作っておくと、注文から提供までの時間が短縮されて回転率も上がります。
  3. 巻きすの上にラップを敷いてから巻く。 海苔に直接ごはんを乗せるより崩れにくく、仕上がりも安定します。

原価が崩れる3つの原因

1. 具材が多すぎる

具材を8種、9種と増やすと、1本あたりの材料費は30〜50円上がります。加えて仕込み時間も増える。

具材数材料費(目安)仕込み時間/10本分
5種190〜220円15分
6種220〜260円20分
7種250〜300円25分
8種以上300円〜30分以上

5〜6種に絞るのが原価管理の基本です。 味のバリエーションは具材数ではなく、「プルコギキンパ」「ツナマヨキンパ」のようにメイン具材を切り替える方が効率的です。ベースの野菜ナムル3種は共通にして、メイン具材だけを変える設計なら仕込みが集約できます。

2. 米の量が決まっていない

キンパの米は重量で決めないと、1本の太さがバラバラになります。

米200gで巻くのと250gで巻くのとでは、米の原価が10円変わる。たった10円でも、1日50本 × 25日 = 月に12,500円。

対策:炊いたごはんを200gずつ計量して丸めておく。 朝の仕込み時に全部量っておけば、巻くときは迷わずに済みます。

3. プレミアム具材と基本具材が同じ価格

牛プルコギが入ったキンパと、野菜だけのキンパを同じ680円で売っていませんか?

プルコギの原価は30gで70〜90円。カニカマなら30gで20円。その差50〜70円をメニュー価格で回収できていないと、プルコギキンパが売れるほど利益率が下がります。

対策: プレミアム具材入りは100〜200円高い別価格にする。「基本キンパ 680円 / プルコギキンパ 850円 / チーズキンパ 780円」のように、具材で価格帯を分けるのが安全です。


テイクアウト中心の店が見落とす包材費

キンパはテイクアウト比率が高い業態です。包材費を計算に入れていない店は意外と多い。

包材1本あたり
ラップ3円
紙パック or プラ容器20〜30円
紙袋8円
シール/ラベル3円
合計34〜44円

テイクアウト100%の店で1日50本なら、包材だけで月42,500〜55,000円。これは原価の一部です。


価格帯を分けて利益を守る

キンパは「安い」イメージが強いので、値上げが難しい業態です。だからこそ、メニュー構成で利益率をコントロールすることが大事です。

推奨するメニュー構成

メニュー主な具材原価(巻き込み)価格原価率
野菜キンパナムル3種+卵+たくあん200円580円34%
基本キンパナムル3種+卵+牛肉270円680円40%
プルコギキンパナムル2種+プルコギ310円850円36%
チーズキンパナムル2種+チーズ+ハム280円780円36%

野菜キンパが利益率の柱です。ヘルシー志向のお客さんに訴求しつつ、原価率34%で利益を確保できます。

基本キンパは看板メニューとして出し、プレミアムラインで客単価を上げる。この3段構成が安定します。


仕込みを効率化するコツ

ナムルは一括仕込み

ほうれん草、にんじん、大根のナムルはまとめて仕込んで冷蔵保存。2〜3日は品質が持ちます。毎日少量ずつ仕込むより、週2回のまとめ仕込みの方が時間効率が良い。

卵焼きは「棒状」で焼く

キンパ用の卵焼きは丸く巻かず、四角い棒状に焼くと巻きやすく、歩留まりも良くなります。卵焼き器で一度に4〜5本分を焼いてカットするのが効率的です。

仕込み量は前日の売上から決める

「今日は50本巻く」ではなく、「先週の同じ曜日は42本だったから45本」と過去データから予測する方が廃棄を減らせます。


今週やること

  • 炊いたごはんの1本分を200gで計量する仕組みにする
  • 具材数を5〜6種に絞り、メイン具材の切り替えでバリエーションを出す
  • 1本あたりの巻き時間を計測して、人件費を原価に加える
  • プレミアム具材入りを別価格に設定する
  • テイクアウト包材の原価を計算して、1本あたりの原価に含める

関連ガイド


具材ごとの原価を登録すれば、キンパ1本の原価が自動で出ます。具材を入れ替えたプレミアム版もワンクリックで計算。KitchenCost は無料で使えます。

よくある質問

キンパ1本の原価はどれくらい?

基本的なキンパ(野菜5種+卵+牛肉)で250〜320円程度です。ただし具材数を増やすと原価が大きく上がります。プルコギやチーズ入りのプレミアム系は350〜420円になることもあります。

具材は何種類が適正?

5〜6種が原価と味のバランスが取りやすいラインです。7種以上になると、仕込み時間が増えて人件費も上がります。味のバリエーションは具材数ではなく、ソースやプレミアム具材の切り替えで出すのが効率的です。

巻き時間は原価に入れるべき?

入れてください。キンパは巻き作業に1本あたり1〜2分かかります。時給1,200円のスタッフなら、1本あたりの巻き人件費は20〜40円。1日50本巻くなら、巻き工程だけで月25,000〜50,000円の人件費です。

テイクアウト比率が高い場合、何に注意すべき?

包材コストです。キンパ用のパック、袋、シールで1本あたり30〜50円。テイクアウト比率が80%を超えるなら、包材費だけで売上の3〜4%になります。原価計算に必ず含めてください。

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