仕入先から値上げ通知が来ると、現場は一気に慌ただしくなります。
でも、このタイミングで感覚対応すると、あとで粗利が崩れます。
先に結論
- 48時間以内に「再計算→施策→告知」まで決める
- 一律値上げより、影響の大きいメニューから手を打つ
- 値上げ率ではなく、改定後の注文あたり粗利で判断する
背景データ(2026年の前提)
帝国データバンクでは、2025年の食料品値上げが 2万609品目(前年比 +64.6%)。
値上げ要因は、原材料 99.7%、包装・資材 51.5%、物流費 36.1%、人件費 34.4% が示されています。
同じく飲食店データでは、価格転嫁率が 32.3% で全業種平均 39.4% を下回ります。
つまり、単純に値上げすれば解決する局面ではないということです。
48時間アクションプラン
0〜6時間: 影響範囲を固定
- 値上げ対象SKUと改定日を仕入台帳に反映
- 旧単価在庫の残量を確認
- 対象SKUを使う上位20メニューを抽出
6〜24時間: 原価を再計算
改定後原価 = 改定前原価 + (新仕入単価 - 旧仕入単価) × 使用量
必要売価 = 改定後総原価 ÷ (1 - 目標利益率)
この時点で、メニューごとに「据え置き可 / 調整必要」を分けます。
24〜48時間: 実行案を決定
- A案: 価格改定(改定日を明示)
- B案: グラム・セット構成見直し
- C案: 利益を削る販促の停止
3案を混ぜて使う方が、客離れを抑えやすいです。
かんたん試算(鶏ももメニュー)
前提:
- 旧単価:
820円/kg - 新単価:
940円/kg - 使用量:
0.22kg - 改定前メニュー原価:
520円 - 目標利益率:
12%
原価増分 = (940 - 820) × 0.22 = 26.4円
改定後原価 = 520 + 26.4 = 546.4円
必要売価 = 546.4 ÷ (1 - 0.12) = 621円(端数調整前)
この差分を見ずに据え置くと、売れているほど利益が薄くなります。
お客さま向け告知テンプレ(短文)
原材料価格の継続的な上昇に伴い、2026年3月1日より一部メニュー価格を改定いたします。
品質維持のため、ご理解のほどお願いいたします。
告知は「理由・日付・対象」を短く出す方が、現場で運用しやすいです。
今日やること(チェックリスト)
- 値上げ対象SKUと改定日を台帳反映
- 上位20メニューの改定後原価を再計算
- 据え置き/改定の判断をメニュー別に確定
- 告知文を作成し、店頭・SNS・アプリ文面を統一
まとめ
仕入れ値上げは、通知が来た時点で勝負が始まっています。
48時間で判断軸を作れれば、粗利の崩れを最小化できます。
まずは上位20メニューだけでいいので、再計算から着手してみてください。
そこが、次の一手を決める基準になります。