「残業で遅くなった日は、店で食べてもらってる。これ課税どうなるの?」
この論点、 通常のまかないと混ぜてしまうと判断を誤りやすいです。
先に結論
残業・宿日直時の食事と通常のまかないは、分けて考えます。- 残業・宿日直時の食事は、無料でも給与課税しない扱いが示されています。
- 現金補助は原則課税になりやすいので、例外条件を誤解しないことが重要です。
なぜこのテーマが増えているのか
2025年の飲食店倒産は 900件 で過去最多。 価格転嫁率も 32.3% で、全業種平均 39.4% を下回っています。
2026年2月の飲食料品値上げは 674品目、 「酒類・飲料」は 298品目。 さらに最賃は全国加重平均 1,121円 です。
つまり、 「残業対応」と「食事補助」の境界を曖昧にしにくい状況です。
コミュニティで多い不安
Yahoo!知恵袋でも、食事手当やまかない課税の質問は閲覧が多いです。
- 従業員食事代は福利厚生費でいい?(q1417055259, 12,176閲覧)
- 食事手当の課税について(q12237236787, 230閲覧)
- まかないの税金について(q12128890717, 1,602閲覧)
「同じ食事なのに扱いが違うのが分かりにくい」が共通点です。
国税庁ルールをやさしく整理
国税庁 No.2594 の実務でよく使うポイントは次の3つです。
1) 通常の従業員向け食事
- 従業員が食事価額の半分以上を負担
- 会社負担が月3,500円以下(税抜)
この条件を外れると、給与課税の対象になる考え方です。
2) 現金補助
食事の現物支給ではなく、現金で食事代を渡す場合は、 原則として全額が給与課税になりやすい案内です。
3) 例外(深夜勤務者)
深夜勤務者に夜食支給ができないため、 1食300円以下(税抜)を支給する場合は例外が示されています。
4) 残業・宿日直時の食事
残業または宿日直時に支給する食事は、 無料でも給与課税しなくてよい扱いが示されています。
現場で迷わない運用ルール
ルールA: 台帳を2つに分ける
- 通常まかない
- 残業・宿日直まかない
同じ表に混ぜると、判定を誤ります。
ルールB: 記録は5項目
日付 / 対象者 / 区分(通常 or 残業・宿日直) / 食事価額 / 本人負担
ルールC: 月末判定は通常分だけ先に集計
会社負担(月額) = (食事価額 - 本人負担) × 食数
通常分で3,500円ラインを確認し、 残業・宿日直分は別に管理して説明できる形にします。
かんたん例
- 通常まかない: 16食、1食会社負担180円
- 残業時まかない: 4食、無料支給
通常分会社負担 = 180 × 16 = 2,880円
この場合、通常分は3,500円以内です。 残業時分は、残業・宿日直として記録が分かれていれば説明しやすくなります。
よくある失敗
- 通常分と残業分を区分せず合算する
- 現金補助を「残業対応」と同じ扱いにしてしまう
- 税抜判定をせず、税込数字で3,500円を見てしまう
- 月次記録がなく、年末にまとめて混乱する
今週やること
- まかない台帳に「区分」列を追加する
- 残業・宿日直時の食事は別集計にする
- 通常分の3,500円判定を税抜で行う
- 現金補助の運用は例外条件を再確認する
- 迷う月は税理士へ月次で確認する
まとめ
残業まかないは、 通常まかないと同じルールで扱わないことがポイントです。
区分して記録し、通常分を先に判定する。 この順番にすると、現場も税務も整理しやすくなります。