「月8回通ってくれる会員さんが10人。売上は64万円。でも手残りは……」
個人のパーソナルジムで、この計算をしてみたことはありますか。 トレーナーの時給、家賃、決済手数料——全部引くと、思ったほど残らないケースは多いです。
先に結論
- 料金は近隣相場ではなく「1枠原価」から逆算すると判断がブレない
- 1枠原価はトレーナー人件費+固定費按分+決済手数料+消耗品を足すだけ
- 全プラン一斉改定より、新規会員から先に適用or小幅テストが安全
なぜ今見直すのか
消費者物価指数は前年比**+3.2%(2025年平均、総務省統計局)。 最低賃金は全国加重平均1,121円**で前年から66円上昇(厚生労働省)。
トレーナーの給料を上げないと人材が確保できない。でも料金を上げないと利益が出ない。 このジレンマを解くには、まず1枠原価を把握することです。
先に用語をかんたんに
- 1枠原価: セッション1枠(例: 60分)にかかる全費用
- 固定費按分(あんぶん): 家賃や光熱費などを1枠あたりに割り振ること
- 1枠利益: 料金から1枠原価を引いた残り
使う式は3つ
1枠原価 = トレーナー人件費 + 固定費按分 + 決済手数料 + 消耗品費
1枠利益 = 1枠料金 - 1枠原価
必要料金 = 1枠原価 + 目標1枠利益
数字で見てみる
- セッション: 60分
- トレーナー時給: 2,000円
- 固定費按分: 1,200円/枠
- 決済手数料: 240円/枠
- 消耗品費: 60円/枠
- 現在料金: 8,000円
1枠原価 = 2,000 + 1,200 + 240 + 60 = 3,500円
1枠利益 = 8,000 - 3,500 = 4,500円
4,500円の利益。悪くないように見えますが、1日5枠で22日稼働しても月の利益は49.5万円。 ここからジムの維持費や広告費を引くと、手残りはかなり減ります。
目標を1枠5,000円にするなら、必要料金は8,500円。 8,000円→8,500円の改定が最初のステップです。
失敗しにくい改定手順
- 主力3プランの1枠原価を出す
- 現在料金との差分を確認する
- +300〜700円の改定案を2つ作る
- 新規会員から適用、または段階改定で試す
- 2週間ごとに継続率と利益を確認する
ありがちな失敗
- トレーナー人件費だけで計算して固定費・手数料を無視する
- 全プラン同時に大幅改定して退会が急増する
- 改定後に退会率の推移を追わない
今日やること
- 主力3プランの1枠原価を計算する
- 目標1枠利益を決める
- 改定案を2つ作る(例: +500円 / +700円)
- 適用方法(新規会員優先 or 段階改定)を決める
- 2週間後の見直し日を設定する
まとめ
料金改定の判断は「会員がどう思うか」の前に「1枠いくらかかっているか」を知ることから始まります。
原価がわかれば、いくら上げるべきかは数字が教えてくれる。 まず主力3プランだけ、今日計算してみてください。