いなり寿司は1個120〜200円。単価が安いからこそ、酢飯の詰め量が利益を決めます。
50gと60g——見た目ではほとんど変わらない。でも1日100個 × 25日で考えると月に7,500円の差。 油揚げの仕入れ先を見直すと、さらに月2〜3万円変わることもあります。
「いなり寿司は安い食材で作れるから儲かる」と思っていたのに、月末に計算すると利益が薄い——その原因は、詰め量と包材費の管理が甘いことがほとんどです。
先に結論
- いなり寿司の原価は酢飯の詰め量で決まる。 10gの差で月7,500円
- 油揚げの仕入れ先で原価が大きく変わる。 1枚15円と25円で月に25,000円の差
- テイクアウト包材は1個5〜8円。 100個/日で月に12,500〜20,000円
- サイズ3段階で利益率を改善する
いなり寿司1個の原価を分解する
例:基本のいなり寿司(税抜売価150円)
| 項目 | 量 | 原価 |
|---|---|---|
| 油揚げ(煮た状態) | 1枚 | 20円 |
| 酢飯 | 50g | 13円 |
| ごま | 1g | 1円 |
| 生姜(甘酢漬け) | 3g | 2円 |
| 包材(パック・フィルム) | 1セット | 5円 |
| 合計 | 41円 |
原価率:41 ÷ 150 = 27.3%
1個の粗利は109円。この109円を守るには、油揚げと酢飯の原価を正確に把握しておく必要があります。
油揚げの原価——煮汁のバッチ計算
油揚げは生のまま使わず、甘辛い煮汁で炊きます。この煮汁の原価も含めないと、正確な原価は出ません。
油揚げ煮汁1バッチ(30枚分)
| 材料 | 量 | 原価 |
|---|---|---|
| 油揚げ | 30枚 | 450円(1枚15円の場合) |
| 砂糖 | 150g | 30円 |
| 醤油 | 150ml | 30円 |
| みりん | 100ml | 20円 |
| だし | 500ml | 30円 |
| 合計 | 560円 |
油揚げ原価(1枚)= 560 ÷ 30 = 約19円
※ 油揚げの仕入れ価格は1枚15〜25円と幅が大きい。業務用の大袋で買うか、豆腐屋から直接仕入れるかで変わります。
| 油揚げ仕入れ単価 | 煮汁込み1枚原価 | 1個15円との差 | 月間差額(100個/日) |
|---|---|---|---|
| 12円 | 16円 | ▲4円 | ▲10,000円 |
| 15円 | 19円 | — | — |
| 20円 | 24円 | +5円 | +12,500円 |
| 25円 | 29円 | +10円 | +25,000円 |
仕入れ先を変えるだけで月に2.5万円の差。 まず複数の業者に見積もりを取ってみてください。
酢飯の詰め量管理
酢飯の1個あたりの量は、利益に直結します。
| 酢飯量 | 原価 | 50gとの差 | 月間差額(100個/日) |
|---|---|---|---|
| 40g | 10円 | ▲3円 | ▲7,500円 |
| 50g | 13円 | — | — |
| 60g | 16円 | +3円 | +7,500円 |
| 70g | 18円 | +5円 | +12,500円 |
10g多いだけで月7,500円。 70gまで増えると月12,500円。
対策
- 仕込み時に酢飯を50gずつ計量して丸めておく。 先に分けておけば、詰める時に迷わない
- 酢飯の水分量を統一する。 すし酢の量がバッチごとに変わると、同じgでもカサが変わる
- 詰めすぎ防止のために油揚げのサイズを統一する。 大きい揚げに少ない飯を詰めると「スカスカ」に見える。揚げのサイズと酢飯量をセットで決める
テイクアウト包材の管理
いなり寿司はテイクアウト比率が高い業態。包材費を計上していない店が多いですが、積み重なると無視できない金額です。
| 包材 | 1個あたり |
|---|---|
| 個包装フィルム | 2円 |
| パック(3個入り) | 5円(÷3=1.7円) |
| 手提げ袋 | 3円 |
| シール・ラベル | 1円 |
| 合計(1個あたり) | 5〜8円 |
100個/日 × 25日 × 6.5円(平均)= 月に16,250円。原価の一部として必ず含めてください。
サイズ別の価格設計
| サイズ | 酢飯量 | 原価 | 売価 | 原価率 | 粗利 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小 | 40g | 36円 | 120円 | 30.0% | 84円 |
| 中(標準) | 50g | 41円 | 150円 | 27.3% | 109円 |
| 大 | 65g | 48円 | 200円 | 24.0% | 152円 |
大サイズは追加原価7円に対して追加売価50円。 粗利が43円増えます。サイズ展開は「松竹梅」の法則で、真ん中(中)が最も売れる設計にしつつ、大で粗利率を改善します。
今週やること
- 酢飯を50gずつ計量して丸めておく仕組みを作る
- 油揚げの仕入れ先を2〜3社で比較する
- 煮汁のバッチ原価を計算し、1枚あたりの原価を把握する
- テイクアウト包材の原価を計上する
- サイズ3段階の価格を設定する
関連ガイド
出典
油揚げと酢飯の原価を登録すれば、いなり寿司1個の利益がすぐ見えます。仕入れ値が変わったら全商品自動更新。KitchenCost を使ってみてください。