「ホットサンドなんてパンに具を挟んで焼くだけ。原価は安いでしょ」
そう思って始めた人が、3ヶ月後に「忙しいのに利益が残らない」と頭を抱えるパターンがある。
理由は単純だ。パンは安い(30〜40円)が、チーズと具材は安くない(70〜100円)。しかも「軽食」のイメージから売価を400〜500円に設定してしまうと、原価率が40%を超える。
ホットサンドの利益は、具材のグラム管理とセット販売で作る。
先に結論
- 原価の中心はチーズと具材。 パンではなく中身で原価が決まる
- パンの厚みを統一する。 厚みがバラつくと具材量も不安定になる
- 単品だと粗利が小さい。 ドリンクやスープとのセットで客単価を上げる
- 包材コストは1個25〜35円。 テイクアウト前提ならこれも原価に含める
ハムチーズホットサンドの原価を分解する
ハムチーズホットサンド(税抜450円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 食パン(8枚切り2枚) | 35円 |
| ハム(30g) | 38円 |
| チーズ(20g) | 35円 |
| バター(10g) | 15円 |
| マスタード | 3円 |
| 紙スリーブ | 12円 |
| 合計 | 138円 |
原価率:138 ÷ 450 = 30.7%。シンプルな構成なら悪くない。
BLTホットサンド(税抜550円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 食パン(8枚切り2枚) | 35円 |
| ベーコン(2枚・30g) | 50円 |
| レタス(15g) | 10円 |
| トマト(1スライス) | 15円 |
| マヨネーズ | 5円 |
| バター(10g) | 15円 |
| 紙スリーブ | 12円 |
| 合計 | 142円 |
原価率:142 ÷ 550 = 25.8%。BLTはベーコンが高いが、売価を100円上げれば原価率は下がる。
ツナメルトホットサンド(税抜500円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 食パン(8枚切り2枚) | 35円 |
| ツナ(40g) | 45円 |
| チーズ(20g) | 35円 |
| 玉ねぎ(10g) | 3円 |
| マヨネーズ | 5円 |
| バター(10g) | 15円 |
| 紙スリーブ | 12円 |
| 合計 | 150円 |
原価率:150 ÷ 500 = 30.0%
3種とも原価率25〜31%。 ホットサンドは具材をシンプルに保てば原価は安い。問題は「もっと豪華にしたい」欲求との戦いだ。
具材の「気前よさ」が原価を壊す
ホットサンドで原価が崩れる最大の原因は具材の盛りすぎ。
| 変更 | 原価差 |
|---|---|
| チーズ 20g → 30g | +18円 |
| ハム 30g → 50g | +25円 |
| ベーコン 2枚 → 3枚 | +25円 |
| アボカド追加(30g) | +40円 |
全部足すと**+108円**。450円のホットサンドの原価が138円→246円になり、原価率は54.7%。
「ちょっとだけ多めに」の積み重ねが、利益を半分にする。具材はグラムで固定し、レシピシートに書き出す。
パンの厚みは「固定」が鉄則
8枚切り(12mm)と6枚切り(18mm)では:
| パン厚み | パン原価(2枚) | 具材の「見た目に必要な量」 |
|---|---|---|
| 8枚切り | 30〜35円 | 標準量でOK |
| 6枚切り | 40〜50円 | パンが厚い分、具材も増やしがち |
6枚切りを使うと、パン代が15円上がるだけでなく、具材の量も自然に増える。パンが厚い分、断面がスカスカに見えないように中身を増やしてしまうからだ。
8枚切りに統一して、具材のグラムを固定する。 これが最もシンプルで効果的な原価管理。
セット販売で客単価を上げる
ホットサンド単品は400〜600円と単価が低い。利益を安定させるにはドリンクやサイドとのセット販売が必須。
セット価格の設計例
| セット内容 | 原価 | 売価(税抜) | 原価率 | 粗利 |
|---|---|---|---|---|
| ホットサンド単品 | 138円 | 450円 | 31% | 312円 |
| +コーヒー | 173円 | 650円 | 27% | 477円 |
| +コーヒー+ミニサラダ | 208円 | 800円 | 26% | 592円 |
コーヒーの原価は35円。セット割引で50円安くしても、原価率は下がる。 ドリンクの高利益率がセット全体の原価率を引き下げてくれる。
セットにすると客単価が200〜350円上がり、粗利は165〜280円増える。ホットサンド専門店の利益は、ドリンクのセット率で決まると言っていい。
今週やること
- 主力ホットサンド3品の原価を「パン・具材・チーズ・包材」で分解する
- 具材のグラム数をレシピシートに書き出して統一する
- パンの厚みを8枚切りに固定する
- ドリンクセットの価格を設計する(セット割引しても原価率が下がることを確認)
- 包材コストを1個あたりで計算して原価に加える
ホットサンドは「シンプルな軽食」に見えて、具材管理を怠ると利益が消える。まずは主力3品の原価を出して、「チーズとハムにいくらかかっているか」を数字で確認してみてほしい。
ホットサンドの原価をレシピ単位で管理するなら。具材の仕入れ値を更新するだけで、メニューごとの原価率がリアルタイムで変わります。KitchenCost を使ってみてください。