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ハンドメイド作家が「売れるほど赤字」にならないための原価の話

ハンドメイド作品の値段、なんとなくで決めていませんか?材料費500円の作品を1,200円で売って利益が出ていると思ったら、人件費と梱包費を入れると赤字だった——そんなケースの防ぎ方をまとめました。

更新 2026年2月18日
ハンドメイド値付け原価計算作家活動梱包コスト利益設計
目次

ランチタイムが終わって、レジを締めた後——ではなく、今回はアトリエの話。

minneやCreemaで作品を販売しているハンドメイド作家さんから、こんな声をよく聞く。

「材料費は500円くらいだから、1,200円で売れば利益が出るはず」

一見、正しそうに見える。でもこの計算には「見えていないコスト」がたくさん隠れている。

そのまま続けると、売れれば売れるほど赤字になることすらある。

先に結論

  • 材料費だけが原価ではない。 人件費・梱包費・手数料を含めると、本当の原価は材料費の3〜6倍になる
  • 「材料費の3倍」で値段をつけると赤字になるケースが多い
  • 時給換算で300円以下の作家は珍しくない
  • 適正な値上げで離れるのは「価格だけで選んでいた層」

材料費だけが「原価」ではない

ハンドメイド作品の原価に含まれるものを、全部書き出してみよう。

コスト項目具体例
材料費布、ビーズ、金具、レジン、花材…
副資材接着剤、糸、ワイヤー、工具の消耗分…
梱包費箱、緩衝材、OPP袋、台紙、サンキューカード…
送料配送料(出品者負担の場合)
販売手数料minne:10.56%、Creema:11%、メルカリ:10%…
人件費製作時間×自分の時給

このなかでいちばん見落とされがちで、いちばん大きいのが「人件費」だ。

人件費を忘れると”タダ働き”になる

1つの作品に2時間かけているとする。時給を1,000円と仮定しても、人件費は2,000円。

材料費500円 + 人件費2,000円 + 梱包費200円 + 送料300円 = 原価3,000円

これを1,200円で売っていたら、1個売るたびに1,800円の赤字

「趣味だからいい」と思うかもしれない。でも「仕事」として続けたいなら、自分の時間にも値段をつけなければ長くは続かない。

梱包費の”小さな積み重ね”

梱包にかかるコストを甘く見ている人は多い。

箱100円、緩衝材30円、OPP袋10円、台紙20円、サンキューカード15円、シール5円——合計で1個あたり180円。月に50個売れば、梱包費だけで9,000円になる。

「原価の3倍」は正しいのか?

ハンドメイド界隈でよく言われる「原価の3倍で値段をつけよう」というルール。

ひとつの目安にはなるが、材料費だけを「原価」と捉えて3倍にしても意味がない。

  • 材料費500円 × 3倍 = 1,500円 → 赤字
  • 製造原価3,000円 × 3倍 = 9,000円 → 利益は出るが高すぎるかも

大事なのは「○倍」ではなく、利益率をどれくらい確保するかで考えること。

ハンドメイドの場合、利益率60%以上を目標にするのがひとつの基準とされている。逆に言えば、利益率50%を切る商品は、続けるほど苦しくなる。

お客様は「原価」ではなく「価値」で選んでいる

もうひとつ大事なことがある。

お客様は、あなたの作品の原価を知らない。

お客様が見ているのは「この作品にこの値段を払う価値があるか」。原価がいくらかは関係ない。

だから原価率だけで値段を決めるのではなく、「お客様がこの作品に払ってもいいと思う金額」と「自分が利益を残せる金額」の交差点を見つけることが大切だ。

ただし、その判断をするためには、自分の作品の原価を正確に知っておく必要がある。原価がわからなければ「この値段で利益が出ているのか」すら判断できないから。

今週やること

  • 人気作品1点の「本当の原価」を出す。 材料費+梱包費+送料+手数料+人件費(制作時間×時給1,000円)を全部書き出す。時給換算でいくらになっているか確認する
  • 制作時間を3回だけ計る。 ストップウォッチは不要、だいたいでいい。3回の平均が出れば、人件費の計算精度が上がる
  • 原価管理を仕組み化する。 Excelでもいいが、材料の仕入れ値が変わるたびに全作品を再計算するのは大変。KitchenCostのようなアプリなら、材料単価を更新するだけで全作品の原価が自動で変わるので、「今いちばん利益率が高い作品」がすぐ見える

ハンドメイドを始めた理由は、きっと「ものづくりが好きだから」だと思う。

でも利益が出ない状態が続けば、材料費を払えなくなり、好きなことを続けられなくなる。

原価を知ることは、夢を諦めないための”守り”だ。

まずは一番人気の作品1つだけでいい。「本当の原価」を出してみてほしい。


ハンドメイド作品の値付けを数字で整えるなら。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

ハンドメイドの価格は材料費の3倍で十分ですか?

材料費500円の作品に2時間かけて、梱包費200円・送料300円を足すと本当の原価は3,000円。3倍の1,500円では全然足りません。「製造原価の3倍」なら意味がありますが、材料費だけの3倍は危険です。

原価に含めるべき見えないコストは何ですか?

梱包資材(1個あたり30〜180円)、撮影や出品作業の時間、販売手数料(minneで10.56%、Creemaで11%)、送料、道具の減価償却。これらを足すと材料費の3〜6倍になることもあります。

値上げすると売れなくなるのが心配です。

minne・Creemaの購入者は「安いから買う」のではなく「気に入ったから買う」人がほとんど。平均購入単価は2,000〜4,000円です。適正価格で離れるのは、もともと価格だけで選んでいた層です。

最初に取り組む原価管理は何ですか?

いちばん人気の作品1点だけでOKです。材料費+梱包費+人件費(制作時間×時給1,000円)を全部足して、時給換算で利益が残っているか確認してみてください。

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