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ゴーストキッチン原価ガイド|手数料・容器代・人件費まで全部乗せで黒字化

ゴーストキッチン(クラウドキッチン)の原価計算を日本向けに解説。Uber Eats手数料、容器代、原価率を踏まえた黒字モデルと価格設計。

更新 2026年2月6日
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目次

ゴーストキッチン(クラウドキッチン)は、席数ゼロ・デリバリー特化のビジネスです。

固定費は小さく見えますが、手数料と容器代が利益を削る構造になっています。

「売上は伸びたのに、なぜ利益が残らないのか?」

その原因は、原価計算の視点が店内営業のままだからです。

日本のデリバリー市場に合わせた原価モデル・価格設計・利益の出し方を具体的に整理します。


要点まとめ

  • ゴーストキッチンの利益は手数料の設計で決まる
  • Uber Eats手数料は提供形態で変動(配送代行35%、自店配達15%、お持ち帰り12%)
  • 出前館「お店価格」拡大で価格上乗せが難しくなる流れ
  • 原価率は30%ではなく、手数料+容器代まで含めて設計が必須

日本のオンライン注文は拡大中

経済産業省の「電子商取引に関する市場調査(2025-08-26公表)」によると、2024年のBtoC-EC市場規模は26.1兆円(EC化率9.8%)。オンライン注文が当たり前になるほど、価格比較と手数料競争はより厳しくなります。


ゴーストキッチンのコスト構造(全体像)

ゴーストキッチンの損益は、以下の式で整理できます。

純利益 = 売上
       - プラットフォーム手数料
       - 容器・包装代
       - 食材原価
       - 人件費
       - 家賃・水道光熱・共通費

店内営業と違い、**プラットフォーム手数料と容器代が「必須コスト」**になる点が最大の特徴です。


プラットフォーム手数料の現実(Uber Eats基準)

Uber Eatsの日本向け店舗プランは、2026年2月時点の公式ページでは以下が目安です。

提供形態手数料(目安)コメント
Uber Eats 配送代行35%最も一般的な形態
自店配達15%配送人員を自店で確保
お持ち帰り(ピックアップ)12%配達なしの最小手数料

35%の手数料は、ほぼ1食分の利益を消し飛ばす水準です。

だからこそ、ゴーストキッチンは「原価30%」ではなく、

「原価 + 手数料 + 容器代」まで含めた設計が必要になります。

手数料は契約条件・地域・プロモーションで変動する可能性があります。 必ず最新の条件を確認してください。


価格上乗せが難しくなる流れ

日本では「デリバリー価格は店頭より高い」ことが一般的でした。

2026年1月30日、出前館は「お店価格(店頭価格と同額)」を1都3県中心に拡大すると発表しました(6,000店舗以上・2026年2月1日開始)。

これは、価格上乗せがやりにくくなる流れを意味します。

価格上乗せができないなら、 原価と手数料の設計で勝つしかないということです。


1,200円丼のモデルケース(仮定)

※ あくまでモデルケースです。※ 店舗の条件に合わせて調整してください。

前提

  • 売価:1,200円
  • Uber Eats配送代行:手数料35%
  • 容器・包装代:60円(仮定)
  • 原価率:30%(食材)
  • 人件費率:15%
  • 家賃・共通費:10%

モデルP/L

項目金額比率
売上1,200円100%
Uber Eats手数料-420円35%
容器・包装代-60円5%
食材原価-360円30%
人件費-180円15%
家賃・共通費-120円10%
純利益60円5%

結論:1,200円売っても利益は60円。

これがゴーストキッチンの現実です。


黒字化のための4つの設計ポイント

1) 手数料を下げる導線を作る

  • ピックアップ比率を増やす(手数料は低め、契約条件を確認)
  • 自店配達を一部導入(手数料15%)
  • 直接注文(LINE/自社サイト)を設計

手数料が10%下がるだけで、利益率は劇的に改善します。


2) 容器・包装代を「原価」に組み込む

容器代は見えない原価です。

  • 容器を高級にすると、原価率が一気に上がる
  • メニュー単価が低いほど、容器代比率が高くなる

容器代は固定費ではなく、食材原価と同じ扱いにするのが基本です。


3) メニュー設計は「回転率と歩留まり」優先

  • 揚げ物や煮込みは歩留まりが安定
  • 仕込みが簡単なメニューは人件費を抑えられる
  • 食材の共通化で廃棄を減らす

ゴーストキッチンはオペレーション効率が利益を決める業態です。


4) 原価率は「手数料込み」で設計する

例:

  • 手数料35%
  • 容器代5%
  • 人件費15%
  • 家賃10%

この時点で固定で65%が消えるため、

食材原価は25〜30%以内に抑えないと利益が残りません。


ゴーストキッチン向けKPI

  • 手数料比率(%)
  • 容器代比率(%)
  • 原価率(%)
  • オーダーあたり利益(円)
  • 直接注文比率(%)

KPIを見える化できるかどうかが、勝敗を分けます。


よくある失敗パターン

  1. デリバリーの売上だけを見て「順調」と判断
  2. 容器代を固定費として扱い、原価計算に入れない
  3. 手数料の高い商品だけが売れて、利益が出ない
  4. 価格上乗せで対応し続け、競合に負ける

今すぐやること

  • 現在のプラットフォーム手数料率を確認する
  • 容器・包装代を1食あたりで計算する
  • 主力メニュー3品の「手数料込み原価率」を出す
  • 直接注文(LINE/自社サイト)の導線を検討する

関連ガイド


ゴーストキッチンは「売上の世界」ではなく、利益の世界で勝負するビジネスです。


出典

数字を味方につけたいなら、KitchenCostで原価を見える化してみてください。

KitchenCost(無料で開始): KitchenCost


参考資料

よくある質問

ゴーストキッチンの原価率は通常の飲食店と違いますか?

食材原価率自体は同じ25〜35%ですが、デリバリー手数料(売上の15〜35%)と容器代(1注文30〜80円)が加わるため、実質的なコスト率は45〜60%になることがあります。家賃は安いですが、手数料が重いビジネスモデルです。

ゴーストキッチンで黒字化するにはどうすればいいですか?

客単価1,500円以上を確保することが最低条件です。セットメニューで単価を上げ、容器を1つで済むメニュー(丼・カレー・パスタ)を主力にして容器代を抑えてください。複数ブランドで同じキッチンを使い回す方法も有効です。

ゴーストキッチンのコスト構造はどうなっていますか?

食材費25〜35%、デリバリー手数料15〜35%、容器・包装費3〜5%、シェアキッチン利用料10〜15%が典型的な内訳です。合計で60〜80%になるケースもあり、残り20〜40%で人件費と利益を出す計算になります。

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