フルーツ大福は「映える和菓子」として大人気。でも原価管理は洋菓子より難しいかもしれません。
理由はシンプルで、主役の果物の価格が季節で2倍になるからです。
いちごが1個80円の12月と、1個150円の4月。同じいちご大福を同じ値段で売っていたら、4月は原価率が一気に10ポイント以上跳ね上がる。
「季節メニューだから仕方ない」——その”仕方ない”が、気づかないうちに利益を食い潰していませんか?
先に結論
- フルーツ大福の原価の核は果物。 いちごは季節で80円→150円に変動
- 餡は30gで固定。 5g増やすだけで月8,000円の差
- 求肥の厚みを標準化する。 バラつくと月に数万円のブレ
- 消費期限が短い。 仕込みは2回転制でロスを防ぐ
フルーツ大福1個の原価を分解する
例:いちご大福(税抜売価380円)——冬季
| 項目 | 量 | 原価 |
|---|---|---|
| いちご(Lサイズ) | 1個 | 80円 |
| 白あん | 30g | 24円 |
| 求肥(白玉粉+砂糖) | 35g | 12円 |
| 片栗粉(打ち粉) | 2g | 1円 |
| 包材(個包装+箱) | 1セット | 15円 |
| 合計 | 132円 |
原価率:132 ÷ 380 = 34.7%
冬は問題ない。でも春になると——
季節変動の影響
| 時期 | いちご原価 | 大福原価 | 原価率(380円) |
|---|---|---|---|
| 12〜2月 | 80円 | 132円 | 34.7% |
| 3月 | 110円 | 162円 | 42.6% |
| 4〜5月 | 150円 | 202円 | 53.2% |
春に同じ380円で売っていたら、原価率53%。 これでは利益がほぼ残りません。
対策
- 季節で価格を変える。 春は420〜450円にする。「旬の味・季節限定」と伝えれば抵抗は小さい
- 果物のサイズを調整する。 高騰期はMサイズ(1個100円前後)に切り替える
- 季節の安い果物に切り替える。 春→マンゴー・メロン、夏→桃・ぶどう、秋→梨・柿
餡のg管理
餡は「適量」で入れている店が多い。でもgで管理しないと、原価がジワジワ膨らみます。
| 餡量 | 1個原価 | 30gとの差 | 月間差額(100個/日) |
|---|---|---|---|
| 25g | 20円 | ▲4円 | ▲10,000円 |
| 30g | 24円 | — | — |
| 35g | 28円 | +4円 | +10,000円 |
| 40g | 32円 | +8円 | +20,000円 |
5gの差で月1万円。 餡を自家製で作っている場合は、バッチ原価を出しておくことが大事です。
自家製こしあん1バッチ(約2kg)
| 材料 | 量 | 原価 |
|---|---|---|
| 小豆 | 500g | 500円 |
| 砂糖 | 350g | 70円 |
| 水 | - | - |
| ガス代 | 3時間 | 150円 |
| 合計 | 720円 |
仕上がり約2,000g。1個30gなら66個分。
餡原価(1個)= 720 ÷ 66 = 約11円
自家製なら市販の半額以下になりますが、煮る時間=人件費を含めると差は縮まります。
求肥の標準化
求肥はフルーツ大福の「皮」。厚すぎると重くなり、薄すぎると果物が透けて見た目は良いが破れやすい。
| 求肥の厚さ | 重量 | 原価 |
|---|---|---|
| 薄め | 30g | 10円 |
| 標準 | 35g | 12円 |
| 厚め | 45g | 15円 |
5円の差は小さく見えるが、月100個×25日で12,500円。
対策: 求肥を伸ばす際の大きさ(直径)を決めておく。「直径12cm、厚さ3mm」のように基準を作れば、重量は自動的に揃います。
廃棄ロスの管理
フルーツ大福の消費期限は当日〜翌日。パン屋以上にロスが出やすい業態です。
ロス率の影響
| 廃棄率 | 月間廃棄額(原価132円×100個/日) |
|---|---|
| 3% | 9,900円 |
| 5% | 16,500円 |
| 10% | 33,000円 |
廃棄率10%で月3.3万円。 年間40万円です。
対策
- 仕込みを2回転にする。 朝に60個、午後に売れ行きを見て追加40個
- 売れ筋に集中する。 10種類のフルーツを並べるより、3〜4種類を確実に売り切る
- 端材を転用する。 余った果物はフルーツパフェやスムージーに。余った餡はどら焼きや最中に
今週やること
- 主力3品の果物仕入れ価格を月次で記録する仕組みを作る
- 餡を30gに固定し、1個ずつ計量する
- 求肥の直径と厚さの基準を決める
- 仕込みを朝+午後の2回転に変える
- 端材の転用メニューを1品作る
関連ガイド
出典
季節ごとの果物原価を登録すれば、大福1個の利益が時期別にすぐ見えます。仕入れ値が変わったら全商品自動更新。KitchenCost を使ってみてください。