「店頭より高いのはなぜ?」
デリバリー価格の話題で、いま日本の飲食店が一番ぶつかる質問です。実際、Yahoo知恵袋でも価格差やサービス料の疑問が繰り返し投稿されています。
2026年2月1日から、出前館の「お店価格で、出前館」は1都3県で6,000店舗超に拡大。店頭同額の流れは、今後さらに強くなる可能性があります。
先に結論
- 価格を触れないなら、メニュー設計を触る
- 手数料は「契約率」ではなく「実効率」で見る
- 単品勝負より、セットと最低注文金額で守る
- 採算は週次で再計算する
なぜ今、採算が崩れやすいのか
日本のキャッシュレス決済比率は2024年で42.8%。売上の半分近くが、決済手数料の影響を受ける時代です。
そこにデリバリーのチャネルコストが重なると、店頭では利益が出るメニューでも、アプリ注文では赤字に転ぶことが起きます。
計算はこの2式で十分
デリバリー変動費 = 食材 + 包材 + 追加オペ工数 + 決済コスト + チャネルコスト + プロモ負担
必要売価 = デリバリー変動費 ÷ (1 - 目標利益率)
ポイントは、店頭原価をそのまま流用しないことです。包材と追加オペ工数を別枠で入れるだけで、判断精度が一段上がります。
実例: 唐揚げ弁当(店頭980円)
前提(1食あたり):
- 食材: 410円
- 包材: 95円
- 追加オペ工数: 60円
- 決済コスト: 20円
- チャネルコスト: 220円
- プロモ負担: 40円
デリバリー変動費 = 845円
目標利益率を12%に置くと:
必要売価 = 845 ÷ (1 - 0.12) = 960円
このケースは一見成立していますが、ロスや返金が重なるとすぐ崩れます。実務では安全側に寄せて、最低でも+5%のバッファを置く店が多いです。
価格を動かしにくい店の実務解
1. 単品を守り、利益はセットで作る
店頭人気の単品は価格感度が高いので、無理に上げると反応が悪くなります。代わりに、原価率の低い副菜やドリンクを組み合わせたセットを主導します。
2. 包材を「見た目」より「原価率」で選ぶ
包材は1個20円の差でも、1日200件なら月12万円の差です。漏れ対策とコストのバランスを、月次で見直してください。
3. 最低注文金額で低単価赤字を止める
低単価帯の注文ほど、手数料と包材の負担が重くなります。最低注文金額やセット推奨を入れるだけで、実効粗利は改善します。
お客さま向け表示テンプレ
店頭価格と同額でご提供しています。
配達品質を保つため、一部メニューはセット内容を調整しています。
長い説明は逆効果です。短く、事実だけを出す方が伝わります。
いまやること
- 上位10メニューのデリバリー変動費を再計算
- 包材コストをSKU単位で棚卸し
- 最低注文金額とセット導線を見直し
- 週次でチャネル別粗利を確認