シュークリーム売り場で、お客さんが手に取るのは「クリームがたっぷり入っていそうな」1個。「うちはクリームの量で勝負する」——その気持ちはわかります。
でも、カスタードが10g増えるだけで原価は約13円上がります。月3,000個なら3万9千円。「たっぷり」を売りにしたいなら、その分を価格に反映しないと、売れるほど利益が減る構造になります。
先に結論
- 原価の中心はカスタード量(全体原価の45〜50%を占める)
- 生地の歩留まり(焼成ロス)が悪いと利益が消える
- サイズ別に価格帯を分けると安定する
- クリームの重量管理が最優先
基本の計算式
シュークリーム原価 = 生地 + カスタード + 生クリーム + 砂糖 + 包材 + ロス
原価率 = シュークリーム原価 ÷ 税抜価格
まず決めるべき基準
この4つが決まっていないと、作るたびに原価がブレます。
- 生地1個あたりの絞り重量(g)
- カスタード量(g)
- 生クリーム量(g)
- 焼成ロス率(何個に1個が不良になるか)
原価例:標準サイズ(税抜320円想定)
| 項目 | 量 | 原価 |
|---|---|---|
| シュー生地 | 1個 | 45円 |
| カスタード | 60g | 80円 |
| 生クリーム | 15g | 30円 |
| 砂糖・バニラ | 1食分 | 8円 |
| 包材 | 1食分 | 12円 |
| 合計 | 175円 |
税抜320円で原価率54.7%。これは赤字ラインです。
この原価で利益を出すなら、税抜440円(原価率39.8%)以上に売価を上げるか、カスタード量を50gに抑えて原価を162円に下げる必要があります。
利益を守るポイント
- クリームは必ず計量して充填する(「感覚で注入」は原価ブレの最大原因)
- 焼成ムラを減らして歩留まりを上げる(オーブンの温度校正、天板の位置ローテーション)
- 「増量タイプ」「ダブルクリーム」は別価格帯で設計する
- 生地ロスが多い日はその日の販売数を抑え、ロスが利益を食い尽くさないようにする
コスト環境
2025年の消費者物価指数では食料が前年比**+6.8%**上昇。卵・乳製品は変動が大きいので、月次で仕入れ価格をチェックし、原価表を更新してください。
今週やること
- カスタード・生クリームの充填量(g)を決めて計量を徹底する
- 焼成ロス率を1週間記録する(良品数÷焼成数)
- 上位3商品の原価と売価を再計算する
- 「増量タイプ」は別価格を設定する
- 卵・乳製品の最新仕入れ価格を確認する
関連ガイド
出典
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