2024年、日本のキャッシュレス決済比率は**42.8%**に達しました。つまり、売上のほぼ半分に手数料がかかっている計算です。
「うちは3%くらいだから大したことない」——本当にそうでしょうか。月売上300万円なら手数料は年間108万円。しかもこの金額は、売上が増えるほど膨らむ変動費です。原価率だけ合わせても利益が残らない店は、この「見えない3%」を価格設計に入れていないケースが多いですね。
先に結論
- 手数料は「契約上の料率」ではなく実効手数料率(加重平均)で見る
- 店内・テイクアウト・オンラインを分けて採算を計算する
- 低単価メニューは最低注文金額やセット化で守る
- 料率変更やキャンペーン終了時は、その週のうちに再計算する
日本はすでにキャッシュレス比率42.8%
経済産業省の2025年3月公表データによると、2024年のキャッシュレス決済比率は42.8%。ほぼ半分の売上に手数料がかかる前提で価格を設計しないと、計画と実績の差がどんどん開きます。
まずは「決済ミックス」を作る
同じ売上でも、どの決済手段が何割かで実効手数料率は変わります。最初に直近4週間の売上を、販路と決済手段ごとに分解してください。
| 区分 | 売上構成比(例) | 手数料率(例) |
|---|---|---|
| 店内対面(カード/電子マネー) | 45% | 3.24% |
| QR決済 | 25% | 2.95% |
| オンライン注文 | 20% | 3.60% |
| 請求書・手入力 | 10% | 3.75% |
この例の加重平均は3.29%。
「うちは3%前後」と感覚で置くのと、実績から出すのでは、月売上300万円の店で月1〜2万円の差が出ることもあります。
価格設計の基本式
必要売価 = (食材原価 + 包材 + その他変動費) ÷ (1 - 実効手数料率)
例:
- 食材原価 480円
- 包材 40円
- その他変動費 60円
- 実効手数料率 3.29%
必要売価 = 580 ÷ (1 - 0.0329)
= 580 ÷ 0.9671
= 599.7円
この条件なら、600円未満で売ると手数料込みの粗利が崩れます。食材原価だけで「原価率30%だから大丈夫」と思っていても、決済手数料を入れると実質32〜33%になるわけです。
商圏別の考え方
都心オフィス街のランチ店
客単価が低めで回転が速く、キャッシュレス比率が高くなりやすい。このタイプは単品値上げよりもセットで客単価を上げるほうが、お客さんの抵抗が少ない傾向があります。
郊外ロードサイドのファミリー店
客単価は高めでも、週末の割引やクーポンで利益がぶれがち。販促原資と手数料を同じシートで管理し、値引き後の粗利で判断する運用が有効です。
今週やること
- 直近4週間の決済ミックス(決済手段×売上構成比)を集計する
- 実効手数料率(加重平均)を算出する
- 売上上位20商品の必要売価を再計算する
- 低単価商品は最低注文金額かセット化で再設計する
- 月次で料率条件と販路構成比を更新するルーティンを作る
関連ガイド
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