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キャッシュレス手数料を原価に入れていない店は年83万円を失っている

決済手数料3.25%は「たった3%」ではない。1食14円でも年間83万円が消える。キャッシュレス比率42.8%時代、手数料込みで価格設計しなければ売上が伸びるほど利益が減る逆転構造に。主力メニューから見直す計算式と手順を解説。

更新 2026年3月27日
キャッシュレス決済手数料価格設計飲食店原価計算2026
目次

キャッシュレス手数料の影響額 早見表

1食あたり売価手数料(3.25% x 比率42.8%)1日200食月25日年間
800円11.1円2,224円55,600円約67万円
1,000円13.9円2,780円69,500円約83万円
1,500円20.9円4,170円104,250円約125万円
2,000円27.8円5,560円139,000円約167万円

手数料率3.25%、キャッシュレス比率42.8%(経済産業省 2025年)で計算。売価が上がるほど見えない損失も増える。


PayPayを導入して客数が増えた。クレカも使えるようにした。売上は伸びている。

なのに、なぜか前より利益が減った気がする。

その「気がする」は正しいかもしれません。キャッシュレス決済の手数料を原価に入れていないと、売上が伸びるほど利益が薄くなるという逆転現象が起きます。

先に結論

  • 手数料は変動費。 売上が増えるほど負担も増える。固定費ではない
  • 1食あたりの手数料を計算するだけで、放置してはいけないメニューがわかる
  • 価格設計は「原価+人件費+手数料+最低利益」で考える
  • 主力商品から順に確認。 全品見直す必要はない

「たった3%」の正体

キャッシュレス決済比率は42.8%(経済産業省、2025年)。つまりお客さんの4割以上がキャッシュレスで払っています。

手数料率は決済方法や契約プランで異なりますが、仮に3.25%で計算してみます。

1食あたりの手数料 = 売価 × キャッシュレス比率 × 手数料率

試算例:

  • 売価:1,000円
  • キャッシュレス比率:42.8%
  • 手数料率:3.25%
  • 1食あたりの手数料:13.9円

「たった14円」に見えますか?

1日200食で2,780円。月25日で69,500円。年間なら約83万円

これを原価に入れずに放置しているのは、年間83万円を見えないまま失っているのと同じです。

手数料を含めた価格設計

必要売価 = (食材費 + 人件費 + 1食手数料) ÷ (1 - 目標利益率)

手数料を含めて価格を設計し直すと、「今の売価で利益が出ているのか」がはっきりします。

主力商品3品だけでも計算してみてください。**「このメニュー、手数料込みで見たら赤字だった」**という発見があるかもしれません。

飲食店の原価率が30%でも利益が出ない構造については、原価率30%の落とし穴で詳しく解説しています。

今週やること

  • 売上トップ10のメニューで、1食あたりの手数料を計算する
  • 手数料込みの粗利額で並べ替えて、利益の薄いメニューを特定する
  • 改定対象を3品に絞る(粗利が最も圧迫されているものから)
  • POSとデリバリーの価格反映日を統一する

「3%くらい、まあいいか」で放置すると、年間の利益に大きな差が出ます。まずは主力メニューの手数料だけ、数字にしてみてください。


メニューごとの原価率と粗利額を一覧で確認するなら。KitchenCost を使ってみてください。

参考データ(確認日: 2026-02-17)

よくある質問

決済手数料は原価に入れるべきですか?

入れるべきです。放置すると、売上増に比例して利益が削られます。

現金と同じ価格にすべきですか?

同価格でも可能ですが、手数料を吸収できる粗利設計が前提です。メニュー別に確認してください。

手数料は固定費ですか?

実務上は変動費に近いです。注文数と売上が増えると負担も増えます。

まずどこから見直すべきですか?

客数が多い主力メニューからです。1食あたりの手数料影響額を先に把握してください。

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