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美容室の原価率は「たった10%」なのに、なぜ利益が出ないのか?

美容室の材料原価率は5〜10%。なのに利益が残らないのは、人件費と時間の使い方が原因です。「1時間あたりいくら稼いでいるか」を意識するだけで、経営の見え方が変わります。

更新 2026年2月18日
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目次

「美容室の原価率って5〜10%なんでしょ? それなら儲かるじゃないですか」

異業種の友人にこう言われて、苦笑したことのあるサロンオーナーは少なくないだろう。

たしかに材料費だけ見れば原価率は低い。でも「利益が出ているか」は、まったく別の話だ。

先に結論

  • 材料費は安い。問題は人件費。 売上の40〜50%が人件費で消える
  • 原価率より「1時間あたり売上」のほうが重要
  • カラー剤の廃棄だけで月1〜2万円のロスが出ているサロンは多い
  • クーポンで50%OFF → リピート率が低いと利益を長期的に蝕む

材料費は安い。問題は「それ以外」

美容室の材料原価率を業態別に見てみよう。

業態材料原価率の目安
カット専門店3%以下
カット+カラー中心7〜12%
パーマ・トリートメント中心8〜15%
平均的な総合サロン5〜10%

「こんなに低いなら楽勝じゃないか」と思うかもしれない。でも美容室の経営を圧迫しているのは材料費ではない。

人件費だ。

美容室の人件費率は売上の40〜50%。さらに家賃10〜15%、その他固定費10〜20%。

売上を100としたときの内訳はこうなる。

項目割合
材料費8%
人件費45%
家賃12%
その他固定費15%
利益20%

利益率20%を残せていれば、かなり健全な経営。 でも現実には10%を切っているサロンも少なくない。

「1人あたり売上」が見えていますか?

美容室の利益を考えるとき、原価率よりも重要な指標がある。

スタッフ1人あたりの月間売上高だ。

スタイリスト1人が月に50万円を売り上げるのか、80万円を売り上げるのかで利益は大きく変わる。人件費は月給制で固定だから、売上が上がれば人件費率は自動的に下がる。

「原価率を5%から4%に下げよう」と材料をケチるより、「1人あたり売上を5万円上げよう」と考えるほうが、利益への効果はずっと大きい。

利益を食う「3つの見えないコスト」

1. アシスタントの”空き時間”

アシスタントの人件費は固定だが、お客様がいない時間にも給料は発生する。空き時間にトレーニングや在庫管理を仕組み化して、「払っているけど稼いでいない時間」を減らすのが大事。

2. 材料の”使いすぎ”

カラー剤の調合で余った分を捨てている。シャンプーを多めに出す癖がある。1回あたりの金額は小さいが、月間・年間では無視できない。

カラー剤の廃棄だけで月1〜2万円のロスが出ているサロンは珍しくない。

3. 過剰な割引

新規集客でクーポンサイトの50%OFF。集客にはなるが、割引分は丸ごと利益の減少だ。 次回以降も正規料金で来る保証はない。割引頼みの集客は、利益率を長期的に蝕む。

美容室こそ「メニュー別の時間単価」を見るべき

カット、カラー、パーマ、トリートメント——メニューによって原価も施術時間もまったく違う。

メニュー平均単価材料原価率施術時間時間あたり売上
カット4,500円2%45分6,000円/h
カラー7,000円12%90分4,667円/h
パーマ8,000円10%120分4,000円/h
トリートメント3,500円15%30分7,000円/h

※金額は参考値

注目すべきは「時間あたりの売上」だ。 材料原価率が高くても施術時間が短ければ、時間あたりの売上は高くなる。

トリートメントは原価率15%と一見高いが、施術30分なので時間あたり売上はカラーやパーマを上回る。この視点がなければ「トリートメントは原価が高いから利益が少ない」と誤解してしまう。

今週やること

  • メニュー別の「時間あたり売上」を計算する。 各メニューの単価を施術時間で割るだけ。「どのメニューが本当に稼いでいるか」が見える
  • カラー剤の使用量を標準化する。 「毛量○gの場合はカラー剤○g」という目安を作って無駄な調合を減らす。月1万円の削減でも年間12万円の利益改善
  • メニューごとの原価を見える化する。 KitchenCostのようなアプリなら、材料の配合と単価を登録するだけでメニューごとの原価が自動計算される。材料費が変わったときに「どのメニューの利益率がどう変わったか」がすぐわかる

美容室の経営を圧迫しているのは、材料費ではなく「時間の使い方」と「見えないコスト」だ。

原価率の低さに安心せず、**「1時間あたりいくら稼いでいるか」**を意識するのが、利益を残す第一歩になる。


美容室メニューの時間単価と原価をまとめて管理するなら。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

美容室は原価率が低いのに利益が出ないのはなぜですか?

材料費は売上の5〜10%でも、人件費が40〜50%を占めます。さらに家賃10〜15%、その他固定費10〜20%。全部足すと利益率は10〜20%がやっとです。

見るべき指標は原価率だけで十分ですか?

不十分です。美容室は「1時間あたりの売上」で見るべきです。トリートメントは材料原価率15%と高めですが、施術30分なので時間あたり売上は7,000円。カラーは原価率12%でも施術90分なので4,667円。原価率だけでは判断を誤ります。

利益を食う見えないコストには何がありますか?

カラー剤の余った分の廃棄(月1〜2万円のロス)、アシスタントの空き時間、クーポンサイトの過剰割引が代表的です。50%OFFで来たお客様が正規料金でリピートする保証はありません。

すぐに改善できる実務は何ですか?

カラー剤の使用量を毛量別に標準化するだけで、月1万円×12ヶ月=年間12万円の利益改善が見込めます。メニュー別の施術時間も記録してみてください。

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