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パン屋・ケーキ屋の「利益が出ない」を解決する原価計算の話

頑張って作っているのに利益が残らない。パン屋・ケーキ屋でよくある原因は、材料費しか見ていない原価計算にあります。製造原価率の目安からロスの落とし穴、値付けの考え方まで、菓子製造の経営者向けにまとめました。

更新 2026年2月18日
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目次

「売上はあるのに、なぜか手元にお金が残らない」

朝4時に起きて生地を仕込む。昼過ぎまで焼き続けて、夕方には片付けと翌日の仕込み。閉店後に売上を確認して、「今日もこんなもんか」とため息。

パン屋やケーキ屋を営んでいる人なら、一度は経験があるんじゃないだろうか。

原因の多くは、原価計算の仕方にある。

先に結論

  • 材料費だけで「原価率20%だから安心」は危険。 製造原価で見ると40%を超えている店は多い
  • クリーム10gの誤差も、1日100個で1kgのロスになる
  • ある洋菓子店では年間100万円分の廃棄が発覚した
  • 値下げで客を増やすより、適正価格で信頼を守るほうが長く続く

「材料費だけ」で原価を考えていませんか?

パン1個の原価を聞かれて、小麦粉・バター・卵・砂糖の材料費だけで答える人は多い。

でも実際には、こんなコストがかかっている。

  • 材料費(小麦粉、バター、卵、砂糖、イースト…)
  • 包装費(袋、シール、箱、リボン…)
  • 光熱費(オーブン、冷蔵庫、空調…)
  • 人件費(仕込み、成形、焼成、仕上げ…)
  • ロス(焼き損じ、売れ残り、試作…)

これを全部ひっくるめたものが「製造原価」だ。材料費だけ見て「原価率20%だから大丈夫」と思っていても、製造原価で見ると40%を超えていた——そんなケースはざらにある。

業態別・原価率の”本当の目安”

教科書の数字と、現場のコンサルタントが使っている数字は少し違う。

業態材料費の原価率目安製造原価率の目安
洋菓子専門店(ケーキ屋)25%以下40〜50%
和菓子専門店18%未満35〜45%
パン屋約30%45〜55%
和洋併売店23%以下40〜50%

注目すべきは、製造原価率を40%近くに抑えなければ利益が出にくいという点だ。利益を出しているケーキ屋は、この数字をしっかり意識している。

利益を食うのは「見えないロス」

パン屋・ケーキ屋には特有の問題がある。ロスが利益を静かに食い潰すことだ。

オーバーポーション

レシピ通りに量っているつもりでも、クリームやフルーツの盛り付けが毎回微妙に多い。1個あたり10gの誤差でも、1日100個作れば1kgのロスになる。

作りすぎ

「売り切れたらもったいない」と多めに焼く。その気持ちはわかる。でも売れ残りが毎日3〜5%出ていれば、月末には大きな金額になっている。

賞味期限切れの材料

冷蔵庫の奥で眠っている生クリーム、フルーツ、ナッツ。「あとで使おう」と思って忘れたまま期限切れ——これも立派な原価ロスだ。

ある洋菓子店では、ロスを記録し始めたら月8万円以上の廃棄が判明した。 年間で約100万円。新しいオーブンが買える金額だ。

「値段を上げたら売れなくなる」は本当か?

原価が上がっているのに値段を据え置いている店は多い。

でも考えてみてほしい。バターの仕入れ値はこの2年で20%以上上がっている。小麦粉も同じだ。材料費が上がったのに売値を変えなければ、利益率は勝手に下がる。

菓子業界で原価率を「最も左右するのは値づけ(価格設定)」だと専門家は言う。

原価を下げるために材料の質を落とせば、味が変わる。味が変われば客が離れる。値段を適正に上げるほうが、お客様との信頼関係を守れることのほうが多い。

「材料にこだわっています」と伝えたうえでの価格改定は、黙って品質を下げるよりずっと誠実だ。

今週やること

  • 売れ筋5品の「製造原価」を出す。 材料費に加えて、包装費・光熱費・人件費(製造にかかった時間×時給)を足す。KitchenCostのようなアプリを使えば、レシピの分量と仕入れ単価から自動計算できるので、価格が変わるたびに手計算し直す手間がなくなる
  • ロスを1週間だけ記録する。 廃棄した商品と食材を、ノートでもスマホのメモでもいいから書き出す。「何を」「どれだけ」捨てたかを知ることが第一歩
  • 製造原価率50%超の商品を洗い出す。 該当する商品があれば値上げを検討する。一律ではなく、原価率の高い商品だけを調整するのがコツ。お客様への説明文も事前に用意しておくとハードルが下がる

パン屋やケーキ屋は、「美味しいものを作りたい」という情熱で始める人が多い。その情熱を長く続けるために、数字と向き合う時間を少しだけ作ってみてほしい。

利益が見えれば、もっと自由に”作りたいもの”に挑戦できるようになるはずだから。


パン屋とケーキ屋の製造原価をまとめて管理するなら。KitchenCost を使ってみてください。

よくある質問

パン屋とケーキ屋で重視すべき原価指標は何ですか?

材料費率だけでなく、包装費・光熱費・人件費まで含めた「製造原価率」を基準にしてください。材料費率20%のケーキでも、製造原価率では40%を超えていたというケースはよくあります。

ロスが利益を圧迫する主な原因は何ですか?

クリームやフルーツのオーバーポーション(1個10gの誤差でも1日100個作れば1kgのロス)、作りすぎによる売れ残り、冷蔵庫の奥で賞味期限が切れた材料。ある洋菓子店では月8万円以上、年間約100万円の廃棄が出ていました。

価格改定はどのように進めるべきですか?

製造原価率が50%を超えている商品から優先的に、段階的に調整するのが効果的です。「材料にこだわっています」と伝えたうえでの値上げは、黙って品質を落とすより信頼を守れます。

最初の改善アクションは何ですか?

売れ筋商品5つの製造原価を正確に出してみてください。材料費・包装費・光熱費・製造にかかった時間×時給を足すだけで、現行価格とのギャップが見えてきます。

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