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回転率だけ上げると危険: FL比率と同時に見る利益管理ガイド

席回転を上げても利益が残らない店向け。回転率とFL比率を同時に管理する実務フレームを、計算式と日次チェックで解説。

公開 2026年2月14日
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更新 2026年2月18日
回転率FL比率飲食店経営原価管理利益管理日本
目次

「回転率を上げよう」と言われて、ランチの提供スピードを早くした。ピーク帯の回転は確かに上がった。

なのに月末の利益が、前月とほとんど変わらなかった。

その原因は「回転率だけ見ていた」ことにあるかもしれません。

先に結論

  • 回転率だけ追うと、忙しいのに利益が薄い店になる。 低粗利商品ばかり回っていては意味がない
  • FL比率(食材費+人件費÷売上)を同時に見ることで、赤字時間帯を切り分けられる
  • FL比率60%超が続く時間帯は、販促より先にメニュー構成と人員を調整する
  • 粗利/人時(1時間あたりの粗利額)を日次で出すと、薄利時間帯が一目でわかる

回転率が高いのに利益が残らない理由

回転率は「1席を1日に何回使えたか」の指標です。数字が高いほど効率的に見えます。

でも落とし穴がある。安いメニューばかり回転が増えると、客数は増えても粗利額が伸びません。

例えば——

時間帯回転率客単価売上FL比率
ランチ(11〜14時)2.5回850円85,000円68%
ディナー(17〜21時)1.2回2,200円66,000円52%

ランチのほうが売上は高い。でもFL比率が68%だと、食材費と人件費で売上の7割近くが消えています。ディナーのほうが利益額では勝っている——こういうケースは珍しくありません。

FL比率とは何か

FL比率は「Food(食材費)+ Labor(人件費)」が売上に占める割合です。

FL比率 = (食材費 + 人件費) ÷ 売上

業態によって差はありますが、まず60%以下が目安です。超える週が続いたら、メニューか人員配置のどちらかに問題があります。

2つの数字を同時に見る方法

回転率とFL比率を同じ表に並べるだけで、景色が変わります。

回転率 = 来客数 ÷ 席数
FL比率 = (食材費 + 人件費) ÷ 売上
粗利/人時 = (売上 - 食材費) ÷ 総労働時間

試算例:

売上120,000円、食材費40,000円、人件費34,000円のランチタイム。

  • FL比率 = (40,000 + 34,000) ÷ 120,000 = 61.7%
  • この時間帯は、回転率を上げるより低粗利メニューの販売比率を変えるほうが先

改善の順番

  1. 低粗利メニューの販売比率を調整する — メニューブックの配置変更、おすすめの声がけで、粗利の高い商品の注文を増やす
  2. ピーク帯の人員配置を最適化する — FL比率60%超の時間帯で人員を0.5人減らせるかどうか検証する
  3. 粗利/人時が低い時間帯の営業判断 — アイドルタイムに利益が出ているか、数字で確認する

背景データ

  • 2025年の飲食店倒産は1,002件。過去30年で最多(帝国データバンク、2026-01-13)
  • 最低賃金の全国加重平均は1,121円(厚生労働省、2025年度)
  • 食料CPIは前年比+6.8%(総務省統計局、2025年平均)

食材費も人件費も上がり続ける中で、回転率だけを追う経営は、足元から利益を削られていくリスクがあります。

今週やること

  • 昨日の売上を時間帯別に分けて、回転率とFL比率を同じ表に出す
  • FL比率60%を超えている時間帯を特定する
  • その時間帯の上位3品の粗利額を確認し、販売構成の改善余地を探す
  • 来週も同じ表を作り、1週間の推移を見る

回転率とFL比率を並べて見ると、「忙しいのに利益が薄い」の原因が見えてきます。数字を出すのが面倒なら、KitchenCostでメニューごとの原価率と粗利額をまず出してみてください。どの商品を増やし、どの時間帯を見直すべきかが、数字で判断できるようになります。

参考データ(確認日: 2026-02-17)

よくある質問

回転率が上がれば利益も上がりますか?

必ずしも上がりません。低粗利商品の回転だけ増えると、忙しくても利益が薄い状態になります。

FL比率の目安は何%ですか?

業態差はありますが、まず60%以下を目安にし、超える週が続く場合はメニューとシフトを同時に見直します。

日次で何を見ればいいですか?

回転率、客単価、FL比率、粗利/人時の4つをセットで確認すると実務判断が速くなります。

まず改善すべき順番は?

低粗利メニューの販売比率を調整し、次にピーク帯の人員配置を最適化する順が効果的です。

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