「売上は変わらないのに、月末の残高だけ減る。」
2025年後半から、定食屋と丼店でこの相談が増えています。原因はシンプルで、米コストの上昇分を価格と運用に反映できていないからです。
農林水産省の公表では、2025年5月の相対取引価格は全銘柄平均で60kgあたり27,649円。前年同月比+101.8%でした。
まず押さえるべき数字
- 60kgあたり27,649円
- 1kg単価: 460.8円
- 1g単価: 0.461円
ここまで出せれば、1食原価はすぐ計算できます。
1食あたり米原価の出し方
米原価(1食) = 1g単価 × 提供g数
例: 220g提供なら
0.461円 × 220g = 約101円
前年同月比+101.8%をそのまま当てると、前年は約50円。1食あたり約51円の増加です。
実務インパクト(小型店でも重い)
1日150食、月26日営業の場合:
増加分 51円 × 150食 × 26日 = 198,900円/月
約20万円。これを放置すると、値上げしていないのに利益だけ削れます。
価格改定の判断を3段階で
1段階: 米使用量が大きいメニューだけ先に見直す
丼・定食・大盛り系など、米比率が高い商品から着手します。一律改定より客離れを抑えやすいです。
2段階: セット構成で粗利を作る
米中心メニュー単品で勝負せず、原価率の低い副菜やドリンクを組み合わせて全体粗利を守ります。
3段階: 盛り付けをg管理に切り替える
「茶碗1杯」運用はブレが出ます。220g/250gのように規格化すると、月次で数万円単位の差が止まります。
すぐ使える計算テンプレ
新しい必要売価 =
(食材原価 + 包材 + 決済関連費 + 米上昇分) ÷ (1 - 目標利益率)
目標利益率を先に固定すると、値上げ幅を感覚で決めずに済みます。
現場で効くチェックリスト
- 上位5メニューの米使用gを実測
- 1g単価で米原価を再計算
- 価格改定候補を米比率順に並べる
- 大盛り・特盛りの追加料金を再設定
- 週次で米単価と粗利を確認