「原価は入れているのに、月末で利益が合わない」 このとき、見落としが多いのが 調味料と包材です。
特に小さい店は、 ここを感覚で処理すると数字がぶれやすいです。
先に要点
- まずは「1食ごとに増えるもの」だけ原価に入れれば十分です。
- 迷う費用は、いったん分けて持つと判断が早くなります。
- 完璧に作るより、毎週同じルールで更新する方が利益が残ります。
いま見直しが必要な背景(2026-02-17確認)
- 帝国データバンク(2026-01-13公表)では、2025年の飲食店倒産は900件。
- 同資料では、飲食店の価格転嫁率は32.3%(全業種平均39.4%)。
- 厚生労働省の答申では、最低賃金の全国加重平均は1,121円。
原価を少なく見積もると、 値上げ判断が遅れて資金繰りが苦しくなりやすいです。
コミュニティでも同じ悩みが出ています
Yahoo!知恵袋でも、 次のような質問が確認できます。
- 2009-11-27: 「食材のほかに、調味料など細かい部分はどう計算するか」
- 2014-02-15: 「調味料・持ち帰り容器・袋をどう棚卸しするか」
つまり、 悩みは昔から同じで、 線引きルールがないことが詰まりやすいポイントです。
難しい言葉を先にやさしく
- 原価: 1品を作るたびに発生する費用
- 固定費: 売上がゼロでも毎月出る費用(家賃など)
- 按分(あんぶん): まとめてかかった費用を、1食ずつに割って分けること
迷わない線引きルール(最初はこれだけ)
1) 1食ごとに増えるもの → 原価に入れる
- しょうゆ、みそ、ソース、スパイス
- テイクアウト容器、ふた、袋、カトラリー
- 注文ごとに増える消耗品
2) 月でしか把握しにくいもの → まず固定費で管理
- 家賃
- 通信費
- サブスク
- 光熱費の基本料金
3) 迷うもの → 分けて持つ
- 光熱費の従量部分
- 揚げ油ロス
- 仕込み共通だれ
ここは後から「1食あたり」に分ければ十分です。
5分でできる計算式
1食原価 = 主材料 + 直接調味料 + 包材 + 共通費の按分
原価率(%) = 1食原価 ÷ 売価 × 100
共通費の按分は、 まずこの式だけで回せます。
共通費の按分 = 月の共通費 ÷ 月の販売数
実例(からあげ弁当)
前提:
- 主材料: 280円
- 直接調味料: 36円
- 包材: 22円
- 月の共通調味料費: 18,000円
- 月販売数: 1,200食
- 売価: 890円
共通費の按分 = 18,000 ÷ 1,200 = 15円
1食原価 = 280 + 36 + 22 + 15 = 353円
原価率 = 353 ÷ 890 × 100 = 39.7%
共通費を入れないと、 原価率は 38.0% に見えます。 この差は値付け判断でかなり効きます。
よくある失敗
- 調味料を「だいたい」で固定額にして更新しない
- 包材を原価から外したままにする
- 光熱費を全部原価に入れて、毎月ぶれすぎる
最初は、 ぶれにくいルールを固定することが先です。
今週のチェックリスト
- 売れ筋3商品の調味料原価を入れた
- 包材を1食ごとに入れた
- 共通調味料費を「月額÷販売数」で按分した
- 原価率を再計算した
- 来週の更新日を決めた
まとめ
調味料の原価計算は、 細かくやりすぎると続きません。
小さい店ほど、 「1食ごとに増えるか」で線を引くだけで十分です。 それだけで、利益のズレはかなり小さくなります。