閉店後、売上を確認する。「今日は結構入ったな」と思って口座を見ると、先月と変わらない残高。
この違和感の正体は「粗利」にあります。粗利(あらり)とは、売上から食材費を引いた残りのこと。ここが崩れていると、売上がいくら増えてもお金は残りません。
先に要点
- 粗利の目安は「世間の正解」より「自店の12週平均」と比べるのが実用的
- 週1回、粗利率と1食あたり粗利を見れば十分
- 下がったときは、売上上位3品から修正するのが最短
いま粗利管理が大事な理由
2025年の飲食店倒産は1,002件で過去最多(帝国データバンク)。食品値上げは20,609品目。最低賃金は全国加重平均1,121円(厚生労働省)。
食材費も人件費も同時に上がる。この状況で売上だけ見ていると、粗利がじわじわ崩れていることに気づけません。
計算式は2つだけ
粗利
粗利 = 売上 − 食材費
粗利率
粗利率 = 粗利 ÷ 売上 × 100
これだけで、まず判断の材料はそろいます。
計算例(ある居酒屋の週次データ)
- 週売上: 700,000円
- 食材費: 255,000円
粗利 = 700,000 − 255,000 = 445,000円
粗利率 = 445,000 ÷ 700,000 × 100 = 63.6%
先週の粗利率が66.0%だったなら、2.4ポイント下がっています。ここで「全体が悪い」と慌てるのではなく、売上上位3品の1食あたり粗利を見直しましょう。
なぜ「1食あたり粗利」も見るのか
粗利率だけだと、どの商品が原因か分かりません。
1食あたり粗利 = 売価 − 1食原価
この数字が下がっている商品を特定して直す方が、全商品を一気に見直すより確実で速いです。
よくある落とし穴
原価率30%だけで安心する。原価率が良くても、人件費や家賃を引くと利益がゼロということは普通にあります。粗利まで見ないと実態が分かりません。
売上増=改善と思い込む。売上が増えても、仕入れが同じ割合で増えていれば粗利は変わりません。
全商品を一気に分析して挫折する。まずは上位3品だけで十分です。
今週のチェックリスト
- 今週の売上と食材費を集計する
- 粗利と粗利率を計算する
- 12週平均と比較する
- 上位3品の1食あたり粗利を確認する
- 来週修正する商品を1つ決める
まとめ
粗利の目安は、ネットで見た「一般的な数字」をそのまま当てはめてもあまり意味がありません。自店の12週平均と今週を比べる方が、ずっと実務で使えます。
まずは今週、粗利と粗利率だけ出してみてください。修正すべき商品がはっきり見えてきますから。
KitchenCostなら、メニューごとの粗利と原価率をスマホで管理できます。週次チェックにちょうどいいシンプルさです。