原価率は管理している。人件費も気にしている。なのに利益が残らない。
そういう店に「固定費比率を見ていますか?」と聞くと、たいてい「見ていない」と返ってきます。
固定費比率とは、売上に関係なく毎月出ていくお金が、売上の何%を占めているかを見る数字です。ここが重いと、どれだけ売っても利益が薄くなります。
先に要点
- 固定費比率は「高い/低い」より、自店の推移で見るのが正しい
- 週1回、固定費比率と営業利益率を並べるだけで判断しやすくなる
- 改善は1項目ずつ。一気にやると続かない
いま固定費を見直すべき理由
2025年の飲食店倒産は1,002件で過去最多(帝国データバンク)。食品値上げは20,609品目。最低賃金は全国加重平均1,121円(厚生労働省)。
食材費と人件費が上がっている中で、固定費までそのままだと利益が三方向から圧迫されます。
計算式
固定費比率 = 固定費 ÷ 売上 × 100
固定費に入れるもの: 家賃、光熱費の基本料金、通信費、サブスク利用料、保険料など「毎月ほぼ一定で出ていく費用」です。
計算例
- 週売上: 700,000円
- 週固定費: 175,000円
固定費比率 = 175,000 ÷ 700,000 × 100 = 25.0%
先週が22.0%だったなら、3ポイント上がっています。売上が下がったのか、固定費が増えたのか。原因を1つ特定しましょう。
固定費比率が高いときの改善順
1. まず売上の取りこぼしを減らす
固定費を削る前に、稼げるはずの売上を取りこぼしていないか確認します。ピーク時間帯の席回転や、在庫切れによる機会損失がないかチェック。
2. 固定費を1項目だけ削る
- 使っていないサブスクを解約する
- 決済プランを見直す
- 電力会社の料金プランを再確認する
「全部見直そう」とすると手が止まります。今週は1つだけ。
3. 翌週に再判定する
固定費比率と営業利益率をもう一度出して、改善したか確認します。
よくある誤解
「固定費は変えられない」。家賃は確かに簡単には動きませんが、サブスク・通信費・電力プランなど、契約を見直すだけで月数千円〜数万円減ることは珍しくありません。
「売上が増えれば固定費比率は下がる」。理屈はそうですが、売上を増やすこと自体が簡単ではない。先に削れるものを削る方が確実です。
今週のチェックリスト
- 固定費比率を計算する
- 先週と12週平均を比較する
- 固定費の見直し候補を3つ書き出す
- 今週は1項目だけ実行する
- 来週の再確認日を決める
まとめ
固定費比率は、原価率と一緒に見るだけで「利益が残らない理由」がぐっと見えやすくなります。
まずは今週、固定費比率を1回計算してみてください。そこから改善の順番が決まります。
KitchenCostでメニューごとの原価を管理しつつ、固定費比率もあわせてチェックすると、利益改善の全体像がつかめます。