「原価率も高い。人件費率も高い。もう何から手を付ければいいか分からない」 この相談は、ほんとうに多いです。
結論から言うと、 **先に下げるべきなのは“悪化幅が大きい方”**です。
先に要点
- まず
原価率 + 人件費率を見ます(FLコスト率)。 - 次に、原価率と人件費率の“ズレ幅”を比べます。
- 大きくズレた方から1週間だけ集中すると、改善しやすいです。
いま、優先順位が必要な背景(2026-02-17確認)
- 2025年の飲食店倒産は900件(帝国データバンク)。
- 同資料では、飲食店の価格転嫁率は32.3%(全業種平均39.4%)とされています。
- 最低賃金の全国加重平均は1,121円(厚生労働省)。
食材費と人件費が同時に上がりやすいので、 「なんとなく節約」では追いつきにくい状況です。
まず式を1つだけ
FLコスト率 = 原価率 + 人件費率
例:
- 原価率 36%
- 人件費率 31%
FLコスト率 = 36 + 31 = 67%
67%なら、かなり重い状態です。 ここで「どちらから直すか」を決めます。
どちらを先に下げるか、3分判断表
| 状態 | 先にやること | 理由 |
|---|---|---|
| 原価率が急に上がった | 原価率から | 仕入れ値・歩留まり・廃棄の影響が大きい |
| 人件費率が急に上がった | 人件費率から | 客数に対してシフトが重い可能性が高い |
| 両方同じくらい高い | 原価率から先に1週 | 小さな店は食材ロス修正が速く効きやすい |
※ これは小規模店向けの実務優先ルールです。
5分の実例
前提(先月):
- 原価率 32%
- 人件費率 28%
- FLコスト率 60%
今月:
- 原価率 37%
- 人件費率 29%
- FLコスト率 66%
増加幅:
- 原価率 +5pt
- 人件費率 +1pt
この場合は、 先に原価率の修正が優先です。
今週の実務(1週間)
原価率を先に直す週
- 売上上位3商品の原価を再計算
- 廃棄が多い食材を1つ削減
- 仕入れ単価の更新漏れを確認
人件費率を先に直す週
- 客数が少ない時間帯のシフトを再配置
- 仕込み時間を15分単位で見える化
- 固定作業を開店前/閉店後で分散
一度に全部やるより、 1週1テーマの方が続きます。
よくある失敗
- 原価率だけ下げて、欠品で売上を落とす
- 人件費を急に削って、回転率を下げる
- 目標率だけ決めて、週次確認をしない
数字は、下げることより 崩れた原因を特定することが先です。
今週のチェックリスト
- 原価率と人件費率を最新化した
- FLコスト率を出した
- 悪化幅が大きい方を選んだ
- 1週間の修正テーマを1つ決めた
- 来週の再計算日を決めた
まとめ
原価率と人件費率で迷ったら、 「どちらが悪いか」ではなく「どちらが大きく崩れたか」で決めると速いです。
小さな店ほど、 優先順位を1つに絞るだけで数字は戻りやすくなります。