採用は難しい。時給は上がる。なのに客単価は簡単に上げられない。
2025年の飲食店は、この3つを同時に抱えています。
厚生労働省の公表では、2025年度の最低賃金は全国加重平均1,121円。前年から+63円です。さらに帝国データバンク調査では、飲食店の正社員不足割合は65.3%でした。
ここが本題
人件費は「高い/安い」ではなく、売上に対して適正かで見ます。
そのための最短指標がFL比率です。
FL比率 = (食材費 + 人件費) ÷ 売上
まずは賃上げ影響を数字で把握
月間増加人件費 = 賃上げ額 × 人数 × 1日労働時間 × 営業日数
例:
- 賃上げ額: 63円
- 3人
- 1日6時間
- 月24日
63 × 3 × 6 × 24 = 27,216円/月
月2〜3万円の増加は、小規模店では無視できません。
売上別シフト再設計の型
売上40万円/週未満
- ピーク帯に集中配置
- 仕込みメニューを絞る
- 閑散帯は1オペ前提で動線を作る
売上40〜70万円/週
- ランチとディナーで役割分担を固定
- 週2回は発注/仕込みをまとめる
- 低粗利メニューの提供時間を制限
売上70万円/週以上
- 原価率と人件費率を別々に管理
- 販促日は人員先出し、平日は最小編成
- シフト作成時に「粗利/人時」を見る
1日の判断基準を作る
現場では、次の3項目だけ毎日確認すると運用が安定します。
- 予定売上
- 予定人件費
- 粗利/人時
粗利/人時 = (売上 - 食材費) ÷ 総労働時間
この数字が下がる曜日・時間帯を特定すると、感覚ではなく配置で改善できます。
よくある失敗
- 人手不足だからと常時フル人数にする
- 原価率だけ見て人件費率を別管理しない
- メニュー数を減らさずに人件費だけ削る
人件費対策だけ先にやると、現場が崩れます。シフト、メニュー、仕込みをセットで見直すのが前提です。
今週やること
- 直近4週間のFL比率を算出
- 賃上げ影響額を月次で計算
- 曜日別の粗利/人時を可視化
- 低粗利メニューの提供時間を見直し
- シフトをピーク集中型に再配分