月末に棚卸しをして、ようやく数字を見て—— 「あれ、先月よりだいぶ悪いぞ」と気づく。
でもその時点で、もう4週間分のズレが積み上がっています。
月1回の点検は、天気予報を月末にまとめて見るようなもの。 傘を持っていく判断が、全部後手に回る。
だから、週1回・10分だけ数字を見る習慣がいるのです。
先に結論
- 全メニューは不要。売上上位5品だけ見れば十分
- 前週比で原価率が3pt以上ズレた商品だけ対応する
- 曜日を固定すれば、考えなくても体が動くようになる
なぜ今、週次が必要なのか
2025年の食品値上げは20,609品目(帝国データバンク)。月が変わるたびに仕入れ値が動いている状態です。
最低賃金も全国加重平均1,121円に上がり、食材費と人件費の両方から利益が削られています。
一方で価格転嫁率は飲食業で32.3%。コスト増の7割近くを自腹で吸収している店がほとんど。
この環境で月末まで数字を見ないのは、体温計なしで「たぶん大丈夫」と言い続けるのと同じです。
10分チェックリスト(週次)
ステップ1:仕入れ単価の変動を確認(3分)
- 仕入れ上位10食材の今週の単価を確認する
- 先週と比べて5%以上動いた食材をマークする
卵、油、小麦粉、米——この4つは特に動きやすいので、まずここから。
ステップ2:売上上位5品の原価率を再計算(5分)
- 売れ筋5品の原価率を出す
- 前週比で**+3pt以上**ズレた商品を抽出する
3pt以上のズレは「たまたま」ではなく構造的な変化のサインです。放っておくと月末にはもっと開きます。
ステップ3:1品だけアクションを決める(2分)
- ズレた商品の中から、1品だけ対応を決める
全部直そうとすると手が止まります。1品だけ。盛り付け量の見直しなのか、仕入れ先への確認なのか、値上げ検討なのか。1つだけ決めて、翌週の点検で結果を見る。
おすすめの曜日と時間帯
火曜か水曜の仕込み前にやっている店が多いです。
理由は単純で、月曜は週末の片付けや発注で忙しいから。火曜〜水曜なら、前週の売上データも揃っていて落ち着いて見られます。
曜日を決めること自体が仕組み化の第一歩です。「時間ができたらやろう」だと、永遠に時間はできません。
月次・四半期との使い分け
| 頻度 | やること | 所要時間 |
|---|---|---|
| 週次 | 上位5品の原価率、仕入れ上位10食材の単価 | 10分 |
| 月次 | 全体のFLコスト確認、値上げ候補の抽出 | 60分 |
| 四半期 | 全メニューの原価再計算、メニュー構成の見直し | 半日 |
週次は「異常の早期発見」、月次は「全体の傾向把握」、四半期は「メニュー構成の再設計」。役割が違うので、どれか1つでは足りません。
今週やること
- 売上上位5品をリストアップする
- 週次チェックの曜日を決める(火曜or水曜がおすすめ)
- 仕入れ上位10食材の今週の単価をメモする
- +3ptルールをスタッフと共有する
完璧にやろうとしなくていい。10分で切り上げる。全部やらなくていい。 その代わり、毎週必ずやる。
この「軽さ」が、半年後に大きな差になります。
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