「FLコスト、ちゃんと見てますか?」と聞かれて、正直ドキッとした方、多いと思います。
月末にまとめて計算して「あ、今月ちょっと高いな」と思ったところで——もう4週間分の利益が消えた後です。
小さな店ほど、FLコストは週1回・10分で見るほうが安全です。
先に結論
- FLコスト=食材費+人件費。この2つだけで売上の半分以上を使っている
- 月次だけだと悪化に気づくのが遅い。週1回の方が傷が浅い
- 「F」と「L」を分けて見ると、どちらが重いか一発でわかる
FLコストの式(これだけ覚えればOK)
FLコスト率 = (食材費 + 人件費) ÷ 売上 × 100
たとえば、1週間の売上が80万円、食材費25万円、人件費22万円なら——
(25万 + 22万) ÷ 80万 × 100 = 58.8%
この58.8%が、先週より3pt以上上がっていたら黄色信号です。
2026年、FとLが同時に上がっている
FLコストが怖いのは、「F(食材費)」と「L(人件費)」が同時に上昇していること。
- 2025年の食品値上げは20,609品目。卵・油・米・小麦の4大食材が軒並み上がっている(帝国データバンク)
- 最低賃金は全国加重平均1,121円。前年から50円以上の引き上げ(厚生労働省)
- 飲食店倒産は2025年に1,002件。過去30年で最多(帝国データバンク)
片方だけなら値上げか人員調整で対応できる。でも両方同時に来ると、月次で見ているだけでは間に合いません。
週1回の見方(10分)
1)先週の売上を出す(2分)
レジの週計でOK。日別に出せるなら曜日ごとの波も見えますが、まずは合計だけで十分です。
2)食材費を出す(3分)
仕入れ伝票の合計。前週比で5%以上動いていたら、どの食材が上がったかメモします。
3)人件費を出す(3分)
シフト表から算出。社保やまかない費は月次で足すとして、まずはシフト分の金額だけ出します。
4)FLコスト率を計算して前週と比較(2分)
今週のFL率 - 先週のFL率 = 差分
差分が+3pt以上なら、FかLのどちらが原因か分解する。 たとえば食材費が上がっていれば売上上位5品の原価を確認。人件費が上がっていれば低売上時間帯のシフトを見直す。
「F」と「L」、どちらから手をつけるか
| 状況 | 先に見るもの | アクション例 |
|---|---|---|
| 仕入れ値上がり通知が来た | F(食材費) | 上位5品の原価率を再計算 |
| 最低賃金が改定された | L(人件費) | 低売上時間帯のシフト見直し |
| 両方同時に動いた | Fから | 食材費の方がコントロールしやすい |
迷ったら食材費から。仕入れ先への確認や盛り付け量の見直しは、シフト調整よりすぐにできるからです。
「60%ルール」の使い方
「FLコスト率は60%以下に」とよく言われますが、これは全業態の平均的な目安です。
| 業態 | FLコスト率の目安 |
|---|---|
| ラーメン店 | 55〜62% |
| 居酒屋 | 58〜65% |
| カフェ | 50〜58% |
| 焼肉店 | 60〜68% |
大事なのは絶対値より、変動のスピードです。 先週より急に3pt上がったなら、60%以内でも確認した方がいい。逆に65%でも安定していれば、それが自店の体質という場合もあります。
今週やること
- 先週の売上・食材費・人件費を出す
- FLコスト率を計算する
- 週次チェックの曜日を固定する(火曜〜水曜がおすすめ)
- 前週比+3ptルールをメモに貼っておく
FLコストは難しい会計指標ではありません。「店の体力」を測る体温計です。月末まで待たずに、週1回だけ見る。それだけで、手遅れになる前に手が打てるようになります。
KitchenCostなら、レシピの原価率がリアルタイムで更新されるので、FLコストのF(食材費)を毎週追いかけるのが楽になります。