「味噌汁のおかわり無料、正直きつい」
定食屋さんから、この相談はよく聞きます。 無料を続けるかどうかは、気合いではなく数字で決めた方が失敗しにくいです。
先に結論
- 判断に必要なのは
1杯原価とおかわり率の2つだけです。 - 先にこの2つを出せば、続ける・条件付きにする・やめるの判断ができます。
- 2週間の小さなテストで十分です。
なぜ今、この判断が増えているのか
飲食店ドットコムの調査(回答282)では、 前年より仕入れ総額が上がった店が 90.8%、 11%以上上昇した店が 66.7% でした。
同じ調査で、 影響が大きい食材として「米」を挙げた店が 55.7%。 定食業態は、ご飯と汁物のセット提供が多いので影響を受けやすいです。
さらに帝国データバンク(2026-01-13公表)では、 飲食店の価格転嫁率は 32.3%(全業種平均 39.4%)。
ここでいう 価格転嫁 は、
上がったコストを販売価格に反映することです。
値上げしにくいなら、無料サービスの見直し精度が重要になります。
5分でできる計算
まず、味噌汁1杯の原価を出します。
1杯原価 = 味噌 + 具材 + だし + ガス代など
次に、1食あたりの追加負担を出します。
1食あたり追加原価 = 1杯原価 × おかわり率
最後に、利益への影響を見ます。
1食あたり粗利
= 定食価格 - 基本原価 - 1食あたり追加原価
※ 粗利 は、売上から食材などの原価を引いた残りです。
実例
- 味噌汁1杯原価: 38円
- おかわり率: 24%
- 定食価格: 980円
- 基本原価(味噌汁1杯込み): 420円
1食あたり追加原価 = 38 × 0.24 = 9.12円
1食あたり粗利 = 980 - 420 - 9.12 = 550.88円
この数字が許容範囲なら、無料継続も可能です。 逆に粗利が厳しいなら、条件付き無料に切り替える判断がしやすくなります。
失敗しにくい進め方(2週間)
- いきなり全時間変更しない(例: 夜だけ有料)
- おかわり無料の条件を1つだけ付ける(例: ご飯大盛り注文時のみ)
- 毎日3つだけ記録する
見る数字はこれだけです。
おかわり率 客単価 1食あたり粗利
2週間で、 粗利が回復して客数が大きく落ちなければ継続。 反応が悪ければ条件を戻すか調整します。
店頭で使える短文(そのままOK)
味噌汁のおかわりは、食材高騰のため提供方法を見直しました。
詳しい条件は店内案内をご確認ください。
長い説明より、 「何を変えたか」を短く伝える方が伝わります。
今週やること
- 味噌汁1杯原価を出す
- 直近7日のおかわり率を集計する
- 1食あたり追加原価を計算する
- 2週間の部分テスト条件を決める
- 14日後に継続/調整/中止を判断する
まとめ
味噌汁おかわり無料は、 「続けるか、やめるか」の二択ではありません。
数字を見て、条件付きにする選択もあります。 小さく試して決める。 この順番が、いちばん安全です。