「回数券を出したら予約が埋まった。でも月末に計算したら、ほとんど利益が残ってなかった。」
これは個人の整体院で本当によくある話です。 回数券は売上を作る仕組みではなく、利益を残す仕組みとして設計しないと危ない。
先に結論
- 回数券は「売れるか」より「1回あたりの利益が残るか」で判断する
- 計算は3つ。総コスト、1回あたり売上、1回あたり利益
- まずは5回券か6回券で小さく始めると失敗しにくい
なぜ今見直すのか
最低賃金の全国加重平均は1,121円。前年度から66円上がりました(厚生労働省)。
人件費や家賃が上がる中で、回数券の値引き幅を据え置いたままだと、利益が先に削られていきます。
使う式は3つ
1回あたり売上 = 回数券価格 ÷ 回数
1回あたり利益 = 1回あたり売上 - 1施術あたり総コスト
利益差 = 通常1回利益 - 回数券1回利益
「総コスト」は施術にかかる全費用。施術者の人件費、消耗品、ベッドのリネン代なども含みます。
数字で見てみる
- 通常価格: 7,000円
- 6回券: 36,000円
- 1施術あたり総コスト: 3,900円
1回あたり売上 = 36,000 ÷ 6 = 6,000円
1回あたり利益 = 6,000 - 3,900 = 2,100円
通常1回利益 = 7,000 - 3,900 = 3,100円
利益差 = 3,100 - 2,100 = 1,000円
回数券1回ごとに通常より1,000円利益が減ります。 6回使われると6,000円。この差が許容範囲かどうかが判断ポイントです。
リピート率が上がって稼働日が埋まるなら価値はあります。 でも「予約は埋まるけど利益は薄い」なら、値引き幅を見直す必要があるわけです。
失敗しにくい設計手順
- 売上上位3メニューの総コストを出す
- 5回券・6回券で1回あたり利益を比較する
- 利益が薄すぎる案は先に外す
- 1か月テストして、継続率と利益を確認する
ありがちな失敗
- 値引き「率」だけ決めて総コストを見ない → 実は赤字寸前
- いきなり10回券を出す → 値引き額が大きくなりすぎる
- 販売枚数だけで成功を判断する → 消化時の利益を見ていない
今日やること
- 売上上位3メニューの総コストを計算する
- 5回券と6回券の1回あたり利益を比較する
- 利益が残る案を1つに絞る
- 1か月テストの開始日を決める
- 見直し日をカレンダーに入れる
まとめ
回数券は「お得感」で売るものではなく、「利益が残る値引き幅」で設計するものです。
まず3メニューだけで1回あたり利益を出してみてください。 それだけで、値引きの怖さはかなり減るはずです。