ランチピークが終わるころ、 店主さんからよく出るのがこの一言です。
「米が上がりすぎて、おかわり無料がきつい…」
でも、すぐに有料へ切り替えると常連さんが気になる。 この迷い、2026年の定食屋さんではかなりリアルです。
先に結論
- おかわり無料は、感覚ではなく「月の追加原価」で判断するのが安全です。
- 全廃よりも、まず「1杯まで無料」など段階変更の方が失敗しにくいです。
- 変更後は、2週間だけ「客数」と「粗利」をセットで確認してください。
いまの前提(2026-02-17確認)
- 農水省公表の相対取引価格(令和8年1月)は、全銘柄平均で 35,465円/60kg。
- 経産省調査では、価格転嫁率(上がったコストを価格へ反映できた割合)は 53.4%。
- 帝国データバンク調査では、飲食店の価格転嫁率は 32.3%。平均値上げ率は 39.4%。
ここでいう価格転嫁は、 「上がった仕入れコストを販売価格にどれだけ反映できたか」という意味です。
数字を見ると、米が上がっても店側が全部を値段に乗せるのは難しい。 だから、おかわり無料の見直しがテーマになっています。
現場の声(コミュニティ)
飲食店ドットコムの調査(回答297人)でも、 課題の上位は「円安・物価高騰(40.1%)」と「人手不足・賃上げ(36.3%)」でした。
自由回答には、 「以前より外食費を減らした」「材料費だけ上がって利益が出にくい」といった声が並びます。
お客さん側のコメントでも、 「おかわり必須だから有料化は厳しい」という反応と、 「この物価なら仕方ない」という反応が混在しています。
つまり、正解は1つではなく、 自店の数字と客層で決めるしかない、というのが実情です。
月30分でできる判断式
難しい式は不要です。 まずは次の2つだけで十分です。
1杯の米原価 = 米の仕入れ単価(円/g) × 1杯で使う生米g
月の追加原価 = 1杯の米原価 × おかわり杯数(月)
かんたん例
- 仕入れ: 10kg 6,000円
- 生米70gでご飯1杯
- 月のおかわり杯数: 900杯
仕入れ単価 = 6,000 ÷ 10,000g = 0.6円/g
1杯の米原価 = 0.6 × 70g = 42円
月の追加原価 = 42円 × 900杯 = 37,800円
米だけで月37,800円。 ここに炊飯の光熱費や手間はまだ入っていません。
判断を外しにくくする3ステップ
1. まず2週間だけ計測する
- おかわり杯数
- おかわりが多い時間帯
- おかわり利用が多いメニュー
この3つだけ記録します。 「体感」ではなく「実数」で見るためです。
2. いきなり全廃しない
最初は次のどれか1つで十分です。
- 平日ランチだけ「1杯まで無料」
- 大盛は+50円、おかわりは+80円
- ご飯量を3段階(小・中・大)で選べるようにする
3. 変更後14日で再確認する
見る数字は2つだけ。
- 客数
- おかわり分を引いた後の粗利
ここで粗利が改善していれば、そのルールを継続。 下がるなら、金額や対象時間帯だけ微調整します。
そのまま使える店頭文(短文)
米価格の上昇により、3月1日からご飯のおかわりルールを
「1杯まで無料」に変更いたします。ご理解のほどお願いいたします。
長文より、 理由・開始日・新ルールを短く伝える方がトラブルが少ないです。
今週やること
- 1杯で使う生米gを決める(まずは70gなど固定)
- 2週間、おかわり杯数だけ記録する
- 月の追加原価を計算する
- 「1杯まで無料」など小さい変更を1つ決める
- 14日後の見直し日を先にカレンダーへ入れる
まとめ
おかわり無料を続けるかどうかは、 「根性」でも「雰囲気」でもなく、月の追加原価で決めるのがいちばん楽です。
いきなり全部変えなくて大丈夫です。 まず2週間だけ測って、小さく変えて、数字で判断してみてください。