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飲食店のゴミ、まさか「家庭用」で出してない?──月1〜3万円の処理費を半分にする方法(2026年版)

飲食店のゴミを家庭ゴミと一緒に出すと不法投棄で罰金1,000万円。事業系一般廃棄物と産業廃棄物の違い、回収業者の費用相場(月1〜5万円)、分別でコスト半減する具体策を個人店目線で解説。

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目次

「家庭用のゴミ袋」で出してませんか?

開業したばかりの個人飲食店で、意外と多いのがこのパターン。

「市の指定ゴミ袋に入れて、近くの集積所に出している」

気持ちはわかる。開業直後は出費がかさむし、ゴミ処理にまでお金をかけたくない。でも、これは法律違反だ。

廃棄物処理法(正式名称:廃棄物の処理及び清掃に関する法律)では、「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」と定められている。つまり、お店で出たゴミはお店の責任で処理するのがルール。

家庭用の集積所に出した場合、不法投棄として5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金──最悪、両方が科される。

「でも、近所の飲食店も家庭ゴミと一緒に出してるけど…」と思うかもしれない。自治体によっては小規模事業者が有料ゴミ袋を使って出せる地域もあるが、それは自治体が認めた場合だけ。自己判断で「まあ大丈夫だろう」はリスクが高い。

この記事では、個人飲食店が正しく、でもなるべく安くゴミを処理するための基本知識と具体策を整理する。


まず知っておくこと──「ゴミ」は2種類ある

飲食店から出るゴミは、大きく**「事業系一般廃棄物」「産業廃棄物」**に分かれる。名前が難しいが、要するに「普通のゴミ」と「特別なゴミ」だと思えばいい。

事業系一般廃棄物(=普通のゴミ)

具体例説明
生ゴミ食べ残し、調理くず、野菜の切れ端、魚のアラなど
紙類レシート、紙ナプキン、段ボール、メニューの古い印刷物
木材割り箸、竹串、木製の使い捨てスプーン
布類使い古したタオル、おしぼり(布製)

産業廃棄物(=特別なゴミ)

具体例説明
廃油フライヤーの使用済み油。飲食店で最も多い産廃
プラスチック食品トレー、ラップ、ビニール袋、プラ容器
ガラス・陶磁器割れたグラス、皿の破片、瓶
金属缶、壊れた調理器具、アルミホイル
発泡スチロール仕入れ食材の梱包材
ゴムゴム手袋
汚泥グリストラップの中身

なぜ分ける必要があるの?

回収できる業者の許可が違うからだ。

  • 事業系一般廃棄物 → **「一般廃棄物収集運搬業許可」**を持った業者
  • 産業廃棄物 → **「産業廃棄物収集運搬業許可」**を持った業者

間違った業者に頼むと、処理を委託したお店側も違法になる。委託基準違反で罰則の対象になりかねない。

逆に言えば、両方の許可を持った業者に頼めば1社で済む。個人店はこれが一番楽だ。


費用はいくら?──店の規模別の目安

「結局、月いくらかかるの?」──ここが一番知りたいところだろう。

店の規模別・月額の目安

店舗規模回収頻度の目安月額の目安
小規模(10席前後・個人カフェなど)週1〜2回8,000〜15,000円
個人居酒屋・ラーメン店(15〜20席)週2〜3回15,000〜30,000円
中規模(30席以上)週3〜5回30,000〜50,000円
毎日回収が必要な繁忙店毎日40,000〜80,000円

年間にすると、個人店でも10万〜36万円。営業利益率5%の店なら、ゴミ処理費だけで利益の1〜2ヶ月分が消える計算だ。

費用の内訳

ゴミ処理費用は大きく**「収集運搬費」+「処分費」**で構成される。

  • 収集運搬費:業者がトラックで回収に来る費用。距離と頻度で変動
  • 処分費:自治体の処理場で焼却・埋立する費用。kg単位で課金されることが多い

東京23区の場合、処分費の上限は1kgあたり46円と決まっている。ただし、この金額に業者の収集運搬費が加わるので、実際の支払いはもっと高くなる。

地域差も大きい。東京都内でも八王子市なら35円/kg、小平市なら24円/kg。広島市では2025年4月に10kgあたり101円→108円に値上げされた。全国的に処分費は上昇傾向にある。

廃油の処理は別途かかる

フライヤーの使用済み油(廃油)は産業廃棄物だ。ただし、廃食用油は回収業者に無料で引き取ってもらえるケースが多い。リサイクル原料(バイオディーゼル燃料など)として価値があるからだ。

逆に、廃油を一般ゴミとして排水に流すのは下水道法違反。グリストラップの詰まりの原因にもなる。


回収業者の選び方──ここだけは確認して

「ゴミ回収業者」を検索すると大量にヒットして、どこを選べばいいかわからない。以下の3つだけ確認すれば、まず大丈夫だ。

① 許可の種類を確認する

  • 一般廃棄物収集運搬業許可:市区町村が発行。生ゴミや紙類の回収に必要
  • 産業廃棄物収集運搬業許可:都道府県が発行。プラ・ガラス・廃油の回収に必要

両方持っている業者がベスト。1社にまとめられるので手間もコストも減る。

許可番号は業者のウェブサイトや名刺に書いてある。怪しいなと思ったら、自治体の「許可業者一覧」でも確認できる。

② 料金体系を確認する

料金体系仕組み向いている店
定額制(月極)毎月固定額。ゴミの量に関係なく同じ金額ゴミの量が安定している店
実量制(従量課金)実際のゴミの量に応じて課金。少なければ安いゴミの量にムラがある店、小規模店

ゴミの量が少ないのに定額で月5万円を払い続けていた店が、実量制に切り替えたら月額が半分になった──こういう事例は実際にある。契約する前に「うちのゴミ量だと、どっちの方が安いですか?」と聞いてみよう。

③ 見積もりは最低2社から取る

業者によって価格差が大きい。回収ルートの効率(近くに他の顧客がいるかどうか)で料金が変わるからだ。

面倒でも2〜3社に見積もりを依頼すること。1社目の言い値で契約すると、年間で数万円余計に払うことになりかねない。


ゴミ処理費を半分に減らす──5つの具体策

① 分別を徹底する(効果:大)

ゴミ処理費は**「処理対象のゴミの量」で決まる**。つまり、有料回収に回すゴミを減らせば安くなる。

具体的には:

  • 段ボール:まとめて資源回収に出す。古紙回収業者が無料で引き取ってくれることが多い
  • 瓶・缶:分別してリサイクルに回す。自治体の資源回収日を活用
  • 廃油:リサイクル業者に無料回収を依頼(バイオ燃料になる)
  • 発泡スチロール:仕入れ先に返却できないか確認。引き取ってくれる業者もいる

分別するだけで、有料回収の対象量が2〜3割減る店は珍しくない。

② 生ゴミの水切りをする(効果:中)

生ゴミの重さの約80%は水分だ。ゴミ処理費がkg単位で課金される場合、水を切るだけで費用が減る

やり方は簡単。三角コーナーや排水口ネットで水を切ってから、ゴミ袋に入れる。これだけで生ゴミの重量は半分近くになることもある。

③ 回収頻度を見直す(効果:中〜大)

「週3回の契約だけど、実は週2回で十分だった」──こういうケースは多い。回収頻度を1回減らすだけで、月額が数千円安くなる。

ただし、夏場は生ゴミの腐敗が早い。季節によって回収頻度を変えられる業者を選ぶのもひとつの手だ。

④ 定額制→実量制への切り替えを検討する(効果:大)

前述のとおり、ゴミの量が少ない店は実量制のほうが安くなる。特にカフェやバーのように生ゴミが少ない業態では、定額制だと割高になりがちだ。

⑤ 食材ロスを減らす(効果:中〜大)

そもそも捨てる量が減れば、処理費も下がる。食材ロスの削減は原価率の改善とゴミ処理費の削減、一石二鳥の効果がある。

仕込み量の適正化、先入先出の徹底、端材を使ったまかないメニュー──詳しくは廃棄ロス削減の記事を参考にしてほしい。


経費計上のポイント──「衛生費」か「支払手数料」か

ゴミ処理費用は当然、事業の経費として確定申告で計上できる。

勘定科目使い分け
衛生費飲食店ではこの科目を使うのが一般的。清掃費・害虫駆除と同じカテゴリ
支払手数料ゴミ処理を業者への「手数料」と捉える場合
雑費少額で他の科目に当てはまらない場合

どの科目を使っても税務上は問題ない。ただし、一度決めたら毎年同じ科目で計上すること。途中でコロコロ変えると、税務調査のとき説明が面倒になる。

消費税の取り扱い

ゴミ処理業者への支払いには消費税がかかる(10%)。インボイス制度に対応した業者なら、適格請求書を発行してもらうことで仕入税額控除ができる。業者がインボイス登録しているか確認しておこう。


よくある失敗パターン

❌ 「前のテナントの業者をそのまま引き継いだ」

居抜き物件で開業した場合、前の店の回収業者をそのまま使っている人が多い。でも、業態が違えばゴミの量も種類も違う。前の店がラーメン屋で今はカフェなら、ゴミの量はずっと少ないはずだ。一度見積もりを取り直したほうがいい。

❌ 「契約書をちゃんと読んでいない」

最低契約期間(1年縛りなど)、中途解約の違約金、値上げ条件──これらが書いてある。「来月から値上げします」と言われたとき、契約書に「料金改定は3ヶ月前通知」と書いてあれば交渉の余地がある。

❌ 「廃油をそのまま排水に流している」

フライヤーの油を排水口に流すのは下水道法違反であり、グリストラップの詰まりの原因にもなる。グリストラップが詰まれば業者に清掃を頼むことになり、余計な費用が発生する。廃油はリサイクル業者に回収してもらおう。


30秒チェックリスト──来週までにやること

  • 自分のゴミの出し方が合法か確認する(自治体のサイトで「事業系ごみ」を検索)
  • 今の回収業者が一般廃棄物・産業廃棄物の両方の許可を持っているか確認する
  • 月額のゴミ処理費がいくらか把握する(請求書を確認)
  • 段ボール・瓶・缶を分別して、無料の資源回収に出せないか確認する
  • 廃油のリサイクル回収業者を探す(「廃食用油 回収 無料 〇〇市」で検索)
  • もう1社、回収業者の見積もりを取ってみる

まとめ──「見えない固定費」を見える化する

ゴミ処理費は、家賃や食材費のように目立たない。でも年間10〜36万円、場合によってはそれ以上が出ていく立派な固定費だ。

分別を徹底する、業者を見直す、回収頻度を適正化する──たったこれだけで月額を半分に減らせる可能性がある

問題は、多くの個人店がゴミ処理費を「必要経費」として思考停止しがちなこと。まず、今月いくら払っているかを正確に把握することが第一歩だ。

KitchenCostなら、ゴミ処理費や清掃費といった固定費も含めて、**お店の「本当のコスト」**を一覧で管理できる。食材の原価だけでなく、ゴミ処理・水道光熱費・設備リース──全部ひっくるめて「いくらかかっているのか」を把握しておくことが、利益を守るために一番大事なことだ。

よくある質問

飲食店のゴミ処理費用は月いくらかかりますか?

個人飲食店(10〜15坪)の場合、月額1万〜3万円が目安です(2026年3月時点)。内訳は、事業系一般廃棄物(生ゴミ・紙など)の回収が月8,000〜15,000円、産業廃棄物(廃油・プラスチック・ガラスなど)の回収が月5,000〜15,000円。回収頻度は週2〜3回が一般的で、毎日回収だと月3〜5万円まで上がります。

飲食店のゴミは家庭ゴミとして出せますか?

出せません。廃棄物処理法で「事業者は事業活動で生じた廃棄物を自らの責任で適正に処理する」と定められており、家庭ゴミの集積所に出すと不法投棄に該当します。罰則は5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方。必ず許可を持った回収業者と契約してください。

事業系一般廃棄物と産業廃棄物の違いは何ですか?

飲食店で出るゴミのうち、生ゴミ(食べ残し・調理くず)、紙類、割り箸などが「事業系一般廃棄物」です。一方、プラスチック容器、ガラス瓶、陶磁器の破片、使用済み油(廃油)、金属類、発泡スチロールは「産業廃棄物」に分類されます。それぞれ回収できる業者の許可が異なるため、分けて委託する必要があります。

飲食店のゴミ処理費用を安くする方法はありますか?

最も効果的なのは分別の徹底です。段ボールや瓶・缶を分別すると、リサイクル業者が無料または安価で引き取ってくれるため、有料回収の対象量が減ります。また、固定料金制から実量制(実際のゴミ量に応じた課金)の業者に切り替えて月額が半減した事例もあります。回収頻度の見直しも有効で、週3回を週2回にできれば年間で数万円の節約になります。

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