「昨日と同じ仕込みなのに、原価だけ上がってる」
この感覚、2026年の春は特に強いはずです。
農林水産省の2026年3月上旬見通し(2026-02-27公表)では、平年比でじゃがいも+31%、玉ねぎ+20%、キャベツ+11%。定食系の店ほど直撃します。
それでも値上げは怖いですよね。Yahoo!知恵袋でも「値上げしたら常連が減るのが怖い」「いくら上げるのが妥当かわからない」という相談が続いています。
この記事は、難しい理論ではなく、今日からできる5ステップでまとめました。
先に結論
- まずは売上上位3メニューだけ再計算すればいい
- 見る数字は2つだけ:
1食原価と1食粗利 - 値上げ前に、付け合わせと盛り付けの調整で守れる利益がある
- 値上げするなら10円〜30円を段階的に試す
- 告知は「いつから、何が、なぜ変わるか」を短く正直に伝える
いま起きている数字(2026-03-04確認)
| 指標 | 最新値 | 日付 | 実務での意味 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月の食品値上げ品目数 | 2,343品目 | 2026-02-27公表 | 食材・調味料の再値上げが続く |
| 2026年累計の食品値上げ見通し | 3,933品目 | 2026-02-27公表 | 「今月だけ」の話ではない |
| 平均値上げ率 | 17% | 2026-02-27公表 | 原価表の放置は危険 |
| じゃがいも価格見通し(平年比) | +31% | 2026-02-27公表(2026年3月上旬見通し) | カレー、揚げ物、定食の副菜に直撃 |
| 玉ねぎ価格見通し(平年比) | +20% | 同上 | 炒め物、スープ、ソース系の原価増 |
| 最低賃金(全国加重平均) | 1,121円 | 2025-09-05公表 | 人件費も同時に上がる |
難しい言葉を使うとわかりにくいので、ここではシンプルに考えます。
1食原価= 1食を作るのにかかる食材の合計1食粗利= 売価 - 1食原価
この2つだけ追えば、判断を間違えにくくなります。
ステップ1: 売上上位3メニューだけ、変動食材を更新する
全メニューを触ると止まります。まず3つだけでOKです。
例: カレー定食(売価 980円)
| 食材 | 変更前 | 変更後(見通し反映) |
|---|---|---|
| じゃがいも | 22円 | 29円 |
| 玉ねぎ | 28円 | 34円 |
| キャベツ(付け合わせ) | 18円 | 20円 |
| その他食材 | 240円 | 240円 |
| 1食原価 合計 | 308円 | 323円 |
1食あたり15円増です。
1日70食、月26営業なら:
15円 × 70食 × 26日 = 27,300円
値段を変えずに放置すると、1メニューだけで月2.5万円以上減る計算です。
ステップ2: 値上げ前に、先にやる調整
「すぐ値上げ」しかないわけではありません。
-
付け合わせを置き換える
キャベツ高騰時は、もやし・大根・季節野菜に一時的に切り替える -
盛り付けを統一する
人によって量が違うと、気づかない赤字が出ます。1回分をグラムで固定します -
無料サービスを見直す
大盛り無料、追いソース無料、ドレッシングかけ放題などを一度棚卸しする -
仕込みロスを減らす
売れ残りやすい副菜は「日替わりスープ」に回す
この4つで、値上げ幅を小さくできる店は多いです。
ステップ3: 価格は10円〜30円で段階調整
いきなり80円上げるより、段階調整の方が安全です。
必要売価 = 新しい1食原価 + 目標粗利
例:
- 新しい1食原価: 323円
- 目標粗利: 670円
- 必要売価: 993円
この場合、980円 -> 1,000円が現実的です。
まず+20円で2週間試し、客数と粗利を見て次を決める。 これが小さな店で一番再現性が高い進め方です。
ステップ4: 客離れを抑える伝え方(そのまま使える)
値上げは「上げること」より「伝え方」で差が出ます。
店内掲示
価格改定のお知らせ
いつもご来店ありがとうございます。
原材料費の上昇により、2026年4月1日から
一部メニューの価格を見直します。
・カレー定食 980円 -> 1,000円
・からあげ定食 920円 -> 940円
品質を保つための見直しです。
ご理解いただけますと幸いです。
SNS投稿
【お知らせ】
4月1日から一部メニューの価格を見直します。
じゃがいも・玉ねぎなどの仕入れが上がる中でも、
味と量をできるだけ守るための調整です。
これからも安心して通っていただける店づくりを続けます。
「諸事情で値上げします」より、 何が上がって、何を守るためかを書いた方が納得されやすいです。
ステップ5: 14日で結果を見て、やり過ぎを防ぐ
2週間だけ、次の3つを見ます。
- 客数(前年同週比、前週比)
- 対象メニューの販売数
- 1食粗利
客数だけで判断すると失敗します。売上が少し落ちても、粗利が戻っていれば改善です。
今週やること
- 売上上位3メニューの1食原価を更新する
- 変動食材だけ先に反映する(じゃがいも、玉ねぎなど)
- 値上げ前の調整案を1つ実行する(付け合わせ変更など)
- +10円 / +20円 / +30円の3案を作る
- 告知文を作って、実施日を絶対日付で決める
値上げは、根性ではなく手順です。
数字を小さく見て、怖さを小さくして、1つずつ進める。 それだけで「上げるか、我慢するか」の二択から抜け出せます。
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