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「うちは従業員3人だから関係ない」──それ、2028年から通用しなくなる。ストレスチェック義務化の話

ストレスチェックが全事業場に義務化される。従業員1人でも対象。2028年頃の施行に向けて、個人飲食店は何を準備すべきか。費用ゼロの無料ツール、実施の流れ、罰則の有無、外注費用の相場まで。知らなかったでは済まない法改正を、飲食店目線でわかりやすく解説。

飲食店ストレスチェック義務化労働安全衛生法50人未満個人店メンタルヘルス2026年2028年
目次

「メンタルヘルス? うちの店には関係ないよ」

忙しいランチタイムを乗り越え、仕込みをして、ディナーの営業。閉店後に片付けと翌日の発注。

こんな毎日で「ストレスチェック」なんて考える余裕がない──それが個人飲食店の本音だろう。

でも、2028年頃から、従業員が1人でもいる事業場はストレスチェックが義務になる。

「知らなかった」では済まない。今のうちに、何をすればいいのかを押さえておこう。


何が変わるのか?

これまで(2024年まで)

  • 従業員50人以上の事業場のみ、ストレスチェックが義務
  • 50人未満は「努力義務」(やってもやらなくてもいい)

これから(2028年頃〜)

  • 全事業場に義務化。従業員1人でも対象
  • アルバイト2人の小さな飲食店も対象

2025年5月に法改正が成立。施行は「公布後3年以内」で、2028年4月頃と見込まれている。


ストレスチェックとは何をするのか?

やることは意外とシンプルだ。

①質問票に答えてもらう

従業員に57問のアンケートに答えてもらう。所要時間は10〜15分

質問の例:

  • 「非常にたくさんの仕事をしなければならない」(はい / いいえ)
  • 「時間内に仕事が処理しきれない」(はい / いいえ)
  • 「上司に気軽に話ができる」(はい / いいえ)

質問票は厚生労働省が用意している。自分で作る必要はない。

②結果を本人に返す

回答結果を集計し、ストレスの度合いを数値で本人に通知する。

  • 「あなたのストレスレベルは高いです」
  • 「あなたのストレスレベルは低いです」

重要: 結果はオーナー(事業主)には直接通知されない。個人のプライバシーが守られる仕組み。

③高ストレス者への対応

「高ストレス」と判定された従業員が希望すれば、医師の面接指導を受けられるようにする。

  • 面接指導は従業員の「希望」があった場合のみ
  • オーナーが強制することはできない

費用はいくらかかるのか?

方法費用特徴
自分でやる(無料ツール)0円厚労省「こころの耳」の無料プログラムを使う
外部委託(最安値)1人あたり300〜500円/年オンライン完結型のサービス
外部委託(標準)1人あたり500〜1,000円/年集計・分析・面接手配まで一括
産業医の面接指導1回3,000〜10,000円高ストレス者が希望した場合のみ

従業員5人の飲食店の場合:

  • 自分でやる → 0円
  • 外部委託(最安値) → 1,500〜2,500円/年

年間数千円で済む。「コストがかかるから」は断る理由にならない。


個人飲食店の現実的な対応方法

パターンA: 従業員5人以下 → 自分でやる

  1. **厚労省の「こころの耳」**サイトから無料の質問票をダウンロード
  2. 紙またはオンラインで従業員に回答してもらう(営業終了後の10分間)
  3. 結果を集計し、本人に返却
  4. 高ストレス者がいれば、最寄りの産業保健総合支援センター(無料)に相談

産業保健総合支援センターは全国に設置されており、50人未満の事業場は無料で相談できる。

パターンB: 手間をかけたくない → 外部委託

オンライン完結型のストレスチェックサービスを利用。

  • 従業員にURLを送る → 回答 → 自動集計 → 結果通知
  • オーナーには個人結果は通知されず、全体の傾向のみ報告

なぜ飲食店は特にやるべきなのか?

飲食業はメンタルヘルスの問題が多い業種だ。

ストレス要因飲食業での実態
長時間労働ランチ〜ディナー通し営業で12時間超え
不規則な勤務朝の仕込み、深夜の閉店、休みが不定期
人手不足1人で何役もこなす。休めない
クレーム対応理不尽な要求、カスハラ
孤立感オーナー1人で悩みを抱え込む

ストレスチェックは「義務だからやる」だけではない。

アルバイトの突然の退職を防ぐ。 高ストレスの兆候に早く気づけば、シフトの調整や休暇の付与で対応できる。突然辞められて営業できなくなるよりずっといい。


2028年に向けた準備スケジュール

時期やること
今すぐ「ストレスチェック義務化」の概要を理解する ←今ここ
2026年度厚労省が小規模事業場向けマニュアルを公表予定。内容を確認
2027年自分の店でどの方法(自力 or 外部委託)で実施するか決める
2028年4月頃施行。年1回のストレスチェック開始

慌てる必要はないが、知らないまま2028年を迎えるのが一番まずい。


今すぐやること

  • **「ストレスチェック」**という制度があることを知った ←完了
  • 厚労省「こころの耳」のサイトをブックマークしておく
  • 従業員がいるなら、日頃から「最近どう?」と声をかける習慣をつける
  • 2026年度のマニュアル公表を待つ(ニュースをチェック)

ストレスチェックは、年1回・10分のアンケートだ。 それで従業員の突然の離職を1件でも防げれば、採用コスト(数万〜数十万円)をはるかに上回るリターンがある。


KitchenCostは、個人飲食店の経営をサポートするアプリです。原価管理が見える化されると、「利益が出ているかわからない」というオーナーのストレスが1つ減ります。

よくある質問

ストレスチェック義務化とは何ですか?個人飲食店も対象?

2025年5月に労働安全衛生法が改正され、ストレスチェックの実施義務が全事業場に拡大されました。これまでは従業員50人以上の事業場のみが対象でしたが、改正後は従業員1人でも雇用していれば対象になります。つまり、アルバイト2人の小さな飲食店も対象です。施行時期は「公布後3年以内に政令で定める日」で、2028年4月頃と予測されています。ストレスチェックとは、従業員に簡単なアンケート(57問程度)に答えてもらい、職場のストレス状況を把握する制度です。

ストレスチェックの費用はいくらかかりますか?

やり方によって大きく異なります。①自分でやる場合は実質0円(厚生労働省の無料ツール『こころの耳』を使い、質問票の配布・回収を自分で行う)、②外部委託する場合は従業員1人あたり300〜1,000円程度(5人なら1,500〜5,000円/年)。個人飲食店の場合、まずは無料ツールで自分で実施するのが現実的です。産業医の面接指導が必要になった場合、1回あたり3,000〜10,000円程度の費用がかかりますが、これは高ストレス者が希望した場合のみです。

やらなかったら罰則はありますか?

現行法(50人以上の事業場向け)では、ストレスチェック未実施そのものに罰則はありませんが、実施結果の労働基準監督署への報告を怠ると50万円以下の罰金です。ただし、50人未満の事業場への義務化にあたっては、報告義務は課されない方針です(負担軽減のため)。とはいえ、ストレスチェックを実施せず、従業員がメンタル不調で休職・退職した場合、安全配慮義務違反として損害賠償を請求される可能性があります。『やっていた』と『やっていなかった』の差は、法的リスクの面で非常に大きいです。

飲食店で最も多いストレス要因は何ですか?

飲食業に多いストレス要因は、①長時間労働(ランチ・ディナーの通し営業で12時間以上)、②不規則な勤務時間、③人手不足による業務過多、④客からのクレーム・カスハラ、⑤オーナーとスタッフ間のコミュニケーション不足の5つです。特に個人飲食店では「相談する相手がいない」という孤立感がストレスを増幅させます。ストレスチェックの目的は、こうした要因を早期に発見し、対策を打つことです。

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