「現金で渡す方が楽だし、スタッフも喜ぶし」
その判断、税務的にはかなりリスクが高いかもしれません。 現物で出すか現金で渡すかで、課税ルールがまるで違います。
先に結論
- まかないを現金支給すると、原則として全額が給与課税の対象
- 非課税にしたいなら、現物支給で条件を守る方がはるかに安全
- 「1食300円以下」の例外は深夜勤務者限定。通常スタッフには使えない
なぜ今この話が重要か
飲食店倒産は2025年に900件で過去最多。最低賃金は全国加重平均1,121円。 人件費が上がる中で、食事補助のやり方ひとつで手残りに差が出る状況です。
国税庁ルールを整理
国税庁 No.2594では次のように示されています。
現物支給で非課税になる条件:
- 従業員が食事価額の半分以上を負担
- 会社負担が月3,500円以下(税抜)
現金支給の場合: 原則として補助額の全額が給与課税。
例外: 深夜勤務者に夜食を出せないため、1食300円以下を支給する場合。
3パターンで比較
A) 現物支給(条件クリア)
- 従業員負担: 食事価額の半分以上
- 会社負担: 月3,500円以下
- 結果: 非課税。一番安全
B) 現金支給 400円/食
- 原則として全額が給与課税
- 「福利厚生費だから大丈夫」は危ない解釈
C) 深夜勤務者へ 300円以下
- 例外ルールの対象になる可能性あり
- ただし対象者と勤務実態の記録が必要
月次で確認する4項目
毎日記録するのはこの4つだけ。
食事価額 / 本人負担 / 会社負担 / 現金支給の有無
月末にこれを確認。
会社負担(月額)= (食事価額 - 本人負担) × 食数
この数字が見えていれば、条件を満たしているか即座に判定できます。
ありがちな失敗
- 「少額だから課税されない」と思い込む
- 現物支給と現金支給を同じ台帳で混ぜる
- 深夜勤務者の例外を通常シフトにまで広げる
- 年末にまとめて確認して手戻りが発生する
今週やること
- まかない運用を「現物支給/現金支給」で分類する
- 食事台帳に4項目(価額・本人負担・会社負担・現金有無)を追加する
- 会社負担の月額を毎月チェックする仕組みを作る
- 深夜勤務者の例外は対象者を明確にする
- 迷う処理は月次で税理士に確認する
まとめ
まかないの現金支給は「楽そう」に見えて、あとで課税コストが増えるケースが多いです。
小さい店ほど、現物支給の条件管理に寄せた方が税務も原価も安定します。