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飲食店で『値上げせず量を減らす』はアリ?(2026): 原価計算で決める方法

値上げが怖くて量を減らすか迷う小さな飲食店向け。ステルス値上げで失敗しないために、1皿原価と販売減少の許容ラインをやさしく計算する方法を解説します。

公開 2026年2月17日
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目次

「値上げはしたい。でも客離れが怖い」

このときに出てくるのが、 「価格は据え置きで量を少し減らす」という選択です。

やり方しだいで有効ですが、 感覚で進めると逆に利益が落ちます。

先に結論

  • 量を減らす前に、1皿粗利許容販売減少率 を計算してください。
  • 改善した原価より販売減が大きいと、月の手残りは減ります。
  • まずは主力1品だけ2週間テストが安全です。

2026年、この判断が増えている理由

飲食店ドットコムの調査では、 2023年時点で「販売価格は据え置きで量を減らした」が 39.9%

さらに「販売価格を上げていない店」に限ると、 量を減らして対応した割合は 58.3% でした。

一方で、同じ調査群では 仕入れ総額が前年より上がった店が 90.8%、 11%以上の上昇が 66.7%

帝国データバンクの2025年データでも、 飲食店の価格転嫁率は 32.3%(全業種平均 39.4%)で低めです。

ここでいう 価格転嫁 は、 上がったコストを販売価格に反映することです。 転嫁しにくいからこそ、量調整の精度が重要になります。

まず覚える計算は3つだけ

1皿原価 = 1g単価 × 使用量(g)
1皿粗利 = 売価 - 1皿原価
月間粗利 = 1皿粗利 × 月販売数

そして、ここが重要です。

許容販売減少率 = 1 - (旧1皿粗利 ÷ 新1皿粗利)

これは、 「販売数が何%まで下がっても、利益を維持できるか」を見る数字です。

実例(カレー1品で試算)

  • 売価: 980円
  • 旧1皿原価: 420円(旧1皿粗利 560円)
  • 新1皿原価: 390円(新1皿粗利 590円)
  • 月販売数: 600食
旧月間粗利 = 560 × 600 = 336,000円
新月間粗利(販売数変化なし)= 590 × 600 = 354,000円
差額 = +18,000円

次に許容ラインです。

許容販売減少率 = 1 - (560 ÷ 590)
              = 5.1%

つまり、 販売数が 5.1%超 下がるなら、この施策は逆効果です。 5%以内に収まる見込みがあるかを、先に見ておく必要があります。

失敗しにくい進め方(2週間)

  1. 主力1品だけで実施(全品同時に変えない)
  2. 量を減らす代わりに、盛り付け見栄えを整える
  3. 毎日3つだけ記録する

見る数字はこれだけです。 販売数 客単価 クレーム/指摘件数

2週間で 販売減が許容ライン以内なら継続、 超えるなら戻すか価格改定に切り替えます。

店頭で使える短文(そのままOK)

食べきりやすさを考え、人気メニューの一部を適量サイズに見直しました。
味と品質はこれまで通りです。

「コストのためです」より、 お客さまメリットを短く伝えるほうが受け入れられやすいです。

今週やること

  • 主力1品の旧原価・新原価を出す
  • 許容販売減少率を計算する
  • 2週間テストの対象を1品にしぼる
  • 販売数・客単価・指摘件数を毎日記録する
  • 14日後に継続/中止を判断する

まとめ

量を減らす施策は、 「やる/やらない」より 「どこまで下がったら失敗か」を先に決めるのがポイントです。

数字でラインを引いてから試す。 これだけで、感覚頼みの失敗はかなり減らせます。

参考(確認日: 2026-02-17)

よくある質問

値上げせずに量を減らすのは、やっていいですか?

やってはいけない施策ではありません。ただし、原価の改善幅より販売数の減少が大きいと赤字方向になります。先に許容ラインを計算してから決めるのが安全です。

ステルス値上げって何ですか?

価格は据え置きで、内容量やサイズを小さくして実質的に値上げする方法です。

お客さまに告知したほうがいいですか?

店舗の客層によりますが、急な不信感を避けるために『適量化』や『食べきりサイズ』として短く説明する店が多いです。

難しい表計算は必要ですか?

不要です。売価、現在の原価、見直し後の原価、月販売数の4つがあれば判断できます。

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